音楽は、忘れかけた記憶を呼び起こすチカラを持っている。
ここに、往年のテレビ番組「日曜洋画劇場」でのエンディング曲がある。
非常に重厚感ある、ピアノ協奏曲です。
番組内で放送される映画の解説は、淀川長治さん。
当時テレビを観ていた私には、慣れ親しんだ曲ではありますが、
日曜の夜に聴くと、明日からの月曜日が、なんとなく重々しい気持ちになった、そんな曲なのです。
子供にとっては「サザエさん」のエンディング曲がそうであったように、
ある程度、大人になった私には、この「日曜洋画劇場」でのエンディング曲が、そうだったのです。
番組放送が終わった後に出演声優のクレジットなどと共に流れていたこの曲、
タイトルを「So in Love」といいます。
1948年、ミュージカル『キス・ミー・ケイト』の劇中歌としてパトリシア・モリソンが歌ったのが最初であったようです。
その後、エラ・フィッツジェラルドら、ジャズ歌手の活躍でジャズのスタンダードナンバーとして定着したのです。
ただ、日本で定着したのは、1967年から1999年まで「日曜洋画劇場」エンディング曲として使用された、
モートン・グールド楽団演奏の、ピアノ協奏曲ふうのアレンジ版なのです。
「So in Love」
そう、これこれ。悲壮感あってクセになる名アレンジなのです。
だから、オリジナルのミュージカル音源を聴いたとしても、ピンと来なかったり、おしゃれアレンジのジャズ版を聴いても、重厚感がなかったり、いろいろ面倒な感情になるのです。
このモートン・グールド氏の悲壮感漂うアレンジこそ、当時この音楽に惹かれた者たちにとっては、至高そのもの、なのです。




