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さて今回からはわび・さびについて書きます。

何回かに分けて書きます。




ともに中世文芸の中で育むまれ

近世以降にも継承される新たな意味を、

およそ平安末期から鎌倉初期にかけて獲得した語で、

その趣きは異なるものの、

どちらも好ましい情趣を意味するに至った。



それ以前は、<わび>が主として失意・落胆・

失望・不如意・困惑等を、

<さび>は古びによる生気や本来の姿の衰退・喪失を表す語として、

負価値の意味に用いられていた。



その両語が平安末に至り正価値の意味を獲得するのは、

負価値なもののうちに好さを積極的に見出さんとする意識が

形成されるに至った結果である。





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