shingo722のブログ -74ページ目

shingo722のブログ

ブログの説明を入力します。

 「哀しい夢」
 
 とても哀しい夢だった。遠くの方から誰かが僕を呼ぶ声が聞こえる。幼い僕はそちらの方に駆け出して行くのだが、いつまでたっても声の主のところへは辿りつかない。やがて僕は誰も自分の事なんか必要としていなかったことに気がつく。そして僕は元の場所へ帰ろうとするのだが、あまりに遠い距離を駆けて来たせいで帰り道が分からなくなってしまう。そして声限りに泣き叫ぶのだ。誰か助けて欲しいと。しかし助けは来ない。辺りは夕暮れで、全ての影は長く伸びている。僕はたった一人、見知らぬ街に取り残されて途方に暮れている。そんな夢だ。
 目を覚ますと隣に女が寝ている。僕は彼女に掛ける言葉を持たない。どうせ行きずりの関係なのだ。僕は余程、このまま声も掛けずに立ち去ってしまおうかと思う。彼女が目を覚ます前に。しかし僕は思い直して彼女を揺り起こす。朝だよ、と。彼女は気怠そうに目を覚ますと、頭が痛いだのゴムは付けたのかだの、興醒めな台詞を吐き散らしたあと、ここはどこ?と尋ねる。ここはどこなのだ?僕は自分自身に問い掛けるが答えは出ない。あるいは僕はこう答えるべきなのかも知れない。ここは幼い日を遠く離れたどこかなのだと。