英語の単熟語のテキストは種々雑多、様々なものが世に出回っています。
でも単純な覚え方をしていると、飽きが来る上に、なかなか覚えられないもの。
そこで万人に効果がある画期的な方法をお教えしたい。
まず英語の単熟語のテキストを用意しよう。
アルク社の『キクタン』シリーズがいいでしょう。
その理由の第一は、聴いているだけで、英語と日本語がわかり、更に単熟語をもう一度確認できる仕組みになっているところです。
ネイティヴが発音した英語に続いて、その意味を表す日本語が流れます。
4つ単語が示されたら、もう一度この4つの単熟語を再びネイティヴが発音してくれます。
第二に、チャンツ音楽が流れ、リズミカルに単熟語を体の中に入れることができます。
この2つの利点によって次に述べる学習法に合っていると言えよう。
さていよいよここからが本題です。
まずノートに1から100までの番号をナンバリングしておきましょう。
あるいはナンバーを書いた紙を用意。
鉛筆も書くのに一番良い太さ、長さを調整したものを数本用意し、用意万端準備しましょう。
シャーペンは折れやすいためあまりお勧めしませんが、最近は良いシャーペンが出回っているので、一概にシャーペンを使ってはいけない…ということはありません。
そして『キクタン』のCDを流します(最近はダウンロード音声をスマホで聴けたりします)。
いよいよ英単熟語が流れてきます。
即座にその英単熟語を繰り返しつつ、同時に単語をノートに書きとっていきます。
この時英語を聴いていたものの、はっきり聞き取れなかった場合でも決して諦めてはいけません。
日本語を聴きとった瞬間、意図する英単熟語がわかることがよくあります。
ネイティヴが4つの英単熟語を言った後に、再度、英単熟語だけ繰り返して発音してくれるので、この時に書き落としていた単語を書きとったり、書き間違えを訂正していくのです。
これを最低100個分行います。
聴いて〜発音し〜書き取り〜確認することを、リズミカルにやっていきましょう。
慣れてくれば、ネイティヴの発音を聴いた途端、2回英語を繰り返し、日本語も可能な限り2回繰り返すと、実に効果的に学習が進んでゆきます。
面白いことに、英語の発音に不慣れな人の多くは、母国語である日本語自体も即座に発音できないことが多いのです。
気力の続く限りこのトレーニングをやっていくと、長く出来る人の中には、500個から700個ぐらい、一気に英単熟語を書くことができる人が出てきます。
『キクタン』の英検準1級版には、1120個の英単熟語が載っています。
これを集中力のある人ならば、音楽に乗って、聴いて〜二回発音〜書き取り〜確認の一連のプロセスを、途中一度の休憩を挟んで5時間程度で出来てしまいます。
英語の音声を耳でキャッチすることは、〈音声言語〉が入力されることを意味します。
次にそれをリピートする事で、再度〈音声言語〉が入力され、音声を聴きそれを真似て、自分自身が繰り返し発声した言葉を書きとる事で、〈文字言語〉を出力する事に繋がってゆきます。
『キクタン』を活用したこのトレーニングでは、上記のような〈音声言語入力〉〈音声言語入力〉〈文字言語の出力〉…というこの繰り返しを数分間、将又数十分間繰り返すトレーニングです。
現在の脳科学では、各人の脳内における〈音声言語〉と〈文字言語〉各々のネットワークは、独立していると考えられているようです
。
よってこのトレーニングは半ば強制的に、〈音声言語〉〈音声言語〉〈文字言語〉への入力の切り替えを、凄まじい勢いで行なうハードワークだといえます。
〈音声言語の出力〉は、前頭葉のブローカ野とつながっており、常に脳を動かし、音声と文字それぞれの〈言語ネットワーク〉へのスイッチの切り替えを行う事で、脳をフルに働かせることになると考えられます。
そのうちに耳でキャッチした音から単語のスペルが想像できるようになり、たとえ知らない単語であっても、容易に単語を書けるようになってくるのです。
ちょうど「フォニックス学習」の反対のやり方で、音声を頼りにして単語を創り出す力が身についてくるのです。
不思議なもので、知らない単語でも、スペルが書けるようになると、日本語の意味も覚えやすくなります。
これはまずその単語を耳で聴いて、聴いた音を文字化するプロセスの中で、意味が理解できる土壌が出来上がっていると考えられるのです。
東北大学未来科学技術共同研究センター教授の川島隆太氏によれば、〈音声言語の出力〉と関係があるとされるのは、前頭葉「ブローカ野」で、ここは音声の言葉を創り出すだけでなく、文法などの統合構造を解析するということもわかってきているということです。
誰かの話し言葉をキャッチすると、側頭葉の上方にある「聴覚野」に言葉が入ります。
この言葉は、側頭葉上方の後ろにある「ウエルニッケ野」に送られ、ここから頭頂葉を通過し、前頭葉の「ブローカ野」に送られ、そこで初めて言葉として理解できるそうです。
ただし『キクタン』トレーニングのように、単語だけの場合は、「ウエルニッケ野」で止まっても理解できるそう。
よって時には、文章となった英文をデクテイーション(聴き取って書き取る)することも重要でしょう。
その際には、テキストにある例文を、自らが二回音読・暗記し、もう一度上を向いてリピートした後、暗記した文章を書きとることで、「ブローカ野」を刺激するのではないでしょうか?
