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心不全Diary(拡張型心筋症)

拡張型心筋症成人患者の会 管理人兼会長です。
2022年12月心不全で入院、2023年7月に拡張型心筋症と診断されました。元大学非常勤講師(退職)。
*病気に関する記事はすべて一患者の個人的な感想です。不正確な情報が含まれる可能性があります。あらかじめご了承下さい*

 

X(旧Twitter)をやっています(@shinfuzen2022)。

タイムラインには「拡張型心筋症」についてだけでなく、

ほかの難病や癌と闘っていらっしゃる方々のポストがよく流れてきます。

 

先日のこと、

「誤解を招くことも賛否両論なのも承知の上ですが」と前置きをしたうえで

「乳がんでラッキーだと(人から)言われた」というポストがありました。

 

リプもたくさんついていて、

乳がんは「患者の人数が多いので患者会なども充実している(情報交換がしやすい)」こと、

「(同じく人数が多いので)スタンダードな治療法がわかりやすい」こと、

「ふつうに食べることができる」などが理由にあがっていました。

 

結局、病気のつらさは他人とは比較できないし、

皆それぞれ自分なりの苦しさを抱えているから上も下もない、

というリプに私は共感したのですが、

 

あらためて癌患者の世界と心不全患者の世界の「違い」にも気づかされました。

 

まず患者会についてですが、

インターネットで検索をかけてみると癌の患者会は本当にたくさんあって、

「癌の種類だけある」と言っていいほどです。

大規模な患者会がいくつもあり、活動も非常に活発です。

 

それに対して心不全の患者会で大規模なものはほとんどなく、

各病院内での個別の会などはあるのですが、

数じたいがそもそも少ない印象です。

心不全も患者数は多いはずなのに、この差はいったいどうしてなのか不思議です。

 

また、「乳がんでラッキー」のリプには

「舌がんで舌の大部分を切除した知り合いは、口から食事を摂ることができなくなってしまった、

ふつうに食事ができるありがたさを実感している」

というものもありました。

 

私の父が亡くなったのは喉頭がん(のどの癌)で、入院中の栄養摂取はすべて点滴からでした。

「好きなものが食べられないつらさ、そもそも口から食べるという、当たり前のことができなくなること」

の苦しさは目の前で見ています。

 にもかかわらず、


拡張型心筋症もふくめて心不全は、塩分制限はあるものの「口からふつうに食べること」はできる、それは非常にありがたいことだということに


恥ずかしながら今回やっと、はじめて気がつきました。父が最後まで食べたがっていたものを思い出しながら。

 

それにしても、

癌の場合「身体の各所に転移する(危険性がある)」前提だからでしょうか、

たとえば乳がん患者のあいだで「そういえば●✗癌では・・・」

という話も自然と出てくるものだ、と感じます。

 

拡張型心筋症(心筋がペラペラに薄くなり拡張する)の患者どうしで話をしていて、

「そういえば弁膜症(弁が正常に機能しなくなる)では・・・」

「心筋梗塞(冠動脈が詰まる)では・・・」

 

という「他の心臓病の話」はあまり出てこないように思います。

その代わり、病気分類のワクを超えて VAD や ICD 、CRT-D でのカテゴライズならば、できそうに思えます。

 

癌と心疾患は、ご存知のとおり日本人の死因の第一位と二位です。


これから拡張型心筋症と闘っていくうえで、

病気の受け止め方や、患者としてのふるまい方、患者会の組織のあり方など、

癌患者の世界はすごく参考になるかも・・・チェックしていきたいです。