夏生と花菜は、家康の質問に答えることができず、困惑した。
夏生は、勇気を振り絞って聞いてみた。
「どういうことですか?どうしてそんな質問をするんですか?」
夏生は、家康がどうしてそんなことを聞くのか真意を探らなければならないと思った。
もしかしたら、家康も未来からやって来たのだろうか。もしかしたら、他にも未来から来た人がいるのだろうか。
それとも、変なことを言ったら、それを理由に処刑するのではないだろうか。
一瞬の間にいろんな考えが過った。

家康は、大きな声で笑った。
「恐れるでない。なんで、そんなことを聞いたのか、理由がわからないと話せないか?」
夏生と花菜は、曖昧な苦笑いで答えた。
家康は、さすがに天下統一をした人物だけあって、人を見透かす力でもあるのだろうか、夏生たちは返事をしていないのに家康は全てを理解したように理由を話し出した。
「もう20年以上前になるかな。未来から来たって言う人に会ってね。未来の話を色々聞いたことがある。今の時代には信じられないことをたくさん聞いたよ。君たちは、同じ匂いがするんだよ。その人とね。その人も英語を知っていたよ、君たちみたいにね」

家康の話は信じがたいものだった。
しかし、自分達もタイムスリップをしたのであるから、自分達以外の他の人がしていてもおかしくないと思った。
しかし、この話だけでは、確信は持てなかった。家康が空想で話をしている可能性もあるからだ。
確信を持たせるために、夏生は、質問をしてみた。
「そのおじさんからは、未来の話を聞いたんですか?どんな未来でしたか?」
家康は遠くを見る目をした。
聞いた話を思い浮かべている顔をして言った。
「月に行けるそうじゃないか、未来では。…。ああ、あとは遠くにいる人と近くにいるみたいに話せる箱があるとか」
家康は言い切ったあと、自分の知識はどうだと自慢するかのごとく、どや顔をした。