昔私が中学生だった頃、母は仕事の合間によく梅干しなどを手作りしてくれた。

    梅雨が終わった直後に、ものすごくカンカン照りの晴天が一週間くらい続く時がある。その頃を見計らって決まって母が浸けた梅干しをそのカンカン照りの数日間軒下のテーブルの上の大きなザルに広げて天日干しにして梅干しを乾かす作業をしていた。

   まだ中学生あるいは高校生だった私は、この軒下に並んだ梅干しを見ると、今年もいよいよこの季節になったなと、本格的な夏の到来を感じたものだ。     私の子供時代は今よりもずっと入道雲が多かったような気がする。暑くてもカラッと晴れてさわやかな夏の空。平和でのどかで無邪気な子供の頃の思い出だ。家族がみんな健康そうで何の問題もなく幸せそうに見えたあの頃。

   若い頃、子供時代は楽しく幸せな思い出をできるだけたくさん味わうことが大事だと思う。

   子供の頃の幸せで平和で無邪気な思い出は一生の財産になる。

    大人になって辛いことが多くなっても、子供の頃の幸せな思い出は、乗り越える勇気を与えてくれるから。