SS~交差する想い~【3】 | 降っても晴れてもスキ日和

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 特番【BOX”R”】の打ち上げ会場のスタジオでは、
 すでに打ち上げが始まっていた。

 久しぶりに集まった出演者やスタッフ達は、連続ドラマ放送当時の思い出話や、今回久々の収録とあって、場が盛り上がるエピソードに事欠かなかった。

そこに現れた、ナツに姿を変えたキョーコに、場の空気がどよめきとともに変わる。

 一同は感嘆の声を上げ、称賛の言葉をキョーコにかけ始める。

ドッキリ企画のためでもある衣装は番組が用意してくれたものだ。

 未だ庶民的なキョーコにはためらいが生じるほど豪華な素材や飾りを使い、煌びやかに【ナツ】を彩っている。

胸元は大きく開き、スリットの入ったドレスからは、キョーコがヒールを鳴らして優雅に歩くたびに色素の薄い素肌の太ももがチラチラと覗く。

一身に浴びる視線をものともせず、自信に満ちた涼やかなる笑みを頬に湛える【ナツ】はその場に君臨し、見る者を魅了してやまない。

すんなりとした顎のラインを軽く上げ、見下ろすように辺りを見渡す。

その目に見つめられた者は、男女問わず邪眼の魔力を受けたように、心臓が正常な動き以上に働き始めるのだった……



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 一方、ドッキリ番組のスタジオでは…… 

「そうね……ただ紳士なだけなのもつまらないわ。もっとこう……オスがメスを求めるような野性的な部分が無いと物足りないのよ!!敦賀さんにもそんな部分があるはずだわ!!それが見たいのよ!!」

と言ったのはコメントを求められたセクシーさが売りの女性タレント。

 その言葉を受けて女性お笑い芸人が大袈裟にしなを作り、訳知り顔で

「そぉうよねぇ~!!もっと、ワイルドに攻めてくれなきゃ~!!優しいだけの男じゃ、女は満足出来ないのよっ!!」

と言い、

お前が言うな!!と出演芸人の総ツッコミを誘い、会場の爆笑をさらっていた。


そう。


【お淑やかで守ってあげたい】女性のたおやかなお色気攻撃(お手々ぎゅ&潤んだ瞳で甘く囁く)にも屈する事なく、あくまでも紳士的な態度を崩さない敦賀蓮氏の対応に、観客と出演者は驚愕と物足りなさを募らせ、必然的に次の仕掛人である京子の【セクシー&スイート】に期待を高めるのだった……


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「さっすがナツさんだな~。遅れて来たくせに、登場しただけで全部持っていっちまうんだから……」

と言う安南監督の言葉にナツは小首をなめらかに傾げながら

「…私が居なくても十分盛り上がっていたようだけど?」

「ナツさんが来てからの方が会場のテンションが確実に上がってるよ。…しかしナツさんよ。以前よりも、何かこう、危機迫るような色気を垂れ流すようになったよな……狙った獲物でも見つけたか?君のお眼鏡にかなうような」

 安南監督がからかうように問うと、

ナツは -フッ- と口角を上げ

「…わかる?今度の獲物は狩りがいがあるわよ……」

 目を細めて声を立てずに嬌笑した。

「そっか!まあ~ナツさんがご機嫌なら何よりだな。祝杯といこうか!!一杯どうだい?」

監督がグラスを取ってやり、ナツに手渡そうとすると、
ナツはじっとそのグラスを見たまま、受け取ろうとしない。

「どうした?…ありゃ、もしかしてまだ仕事あったのか!こりゃー失礼」

その言葉にハッとしたナツは

「いえ、いいの。頂くわ…」

グラスを受け取り、注がれたワインで乾杯した。




続く









あ、あら?甘さは一体どこに…?

も、も少しお待ちを…w