第4回 復習の鬼 伍子胥 -続き- | 3分でよめる中国古典ブログ

第4回 復習の鬼 伍子胥 -続き-

こんにちわ品川です。

「3分で読める中国史メルマガ」をお読みいただきありがとうございます。

このメルマガは、中国の歴史に興味あっても忙しくて文献・書籍を読む時間がな
い方に3分程度の短い文章にまとめながら配信しております。

電車の待ち時間などのお手すきのときにご覧ください。

なお、私のプロフィールです → http://shinagawa.prof.spare.jp/

忙しい日常ではありますが、自分のリラックスタイムを設けるのはお奨めです

詳しくは編集後記で。

◆◆◆◆本文◆◆◆◆

楚で孤立して呉軍は闔閭のクーデターを聞くと楚に降伏した。呉軍といってもそ
の指揮官は前王の遼の弟達であり、実兄を殺した闔閭に従うはずもなく楚に下っ
た。

闔閭が王に即位してから、呉は強大国となるべく富国強兵に着手する。
政治は伍子胥が担当し、軍部は「孫子の兵法」の著者である孫武を軍師として迎
え入れ、この2人の尽力により呉の国力は発展をしていく。
闔閭が王位についてから3年後、呉は再び楚を攻める。迎える楚軍は、先の闔閭
のクーデターで楚に降伏した前王の遼の弟達である。

この戦いでは、伍子胥と孫武の指揮のもと呉は楚を圧倒し、前王の遼の弟達は兄
の無
念を晴らす事ができずに戦死した。

楚に勝った呉ではあるが、ある意味共食い?失礼、親戚の内輪もめのような戦い
であった為、楚を討伐するための軍勢が少ないと感じた呉は再び時機を待つ。

ただし、ただ時機を待ってたわけでなく、楚に巧妙な罠を仕掛けていた。
楚の昭王は王位に就いたばかりで、まだ政務・家臣の能力・軍隊などの国内情勢
を把握してるわけでない。しかもまだ幼い。臆病ものでもある。
呉は軍を進めるフリをした。それに伴い楚は国軍を出兵させた。一度遠征すれば
軍費も掛かるし、楚の国の広さは日本の国土よりも数倍以上もある。軍を移動す
るだけでも疲れる。このように呉は体勢が整うまでこれを繰り返した。

体勢が整った呉は楚を攻め、じわじわと楚の領土を奪っていく。これに対し楚は
嚢瓦(のうが)将軍を指揮官とする呉討伐を行うが、伍子胥率いる呉軍が迎え撃
ち、逆に楚の国内まで侵攻されるという有様だった。

しかし国境の競り合いでは楚に勝ち続けた呉ではあるが、楚を平定するだけの兵
力はまだない。呉はそれから3年国力を蓄えついに楚平定の出兵をする。

呉はまず唐と蔡という楚の属国に密使をおくり寝返りを打診する。この2国は属
国といっても楚に貢物を搾り取られていて、楚を恨んでいたからだ。唐も蔡も呉
の打診に喜んで応じた。

かくして呉と楚は存亡をかけた戦いが開始された。緒戦は楚の内情を知る伍子胥
と天才孫武の活躍により呉が圧勝する。楚の嚢瓦(のうが)将軍は私利私欲をむ
さぼる人物であり、他人の手柄は横取りするしミスは他人に押し付けるし、部下
や兵士に見限られてる将軍であったから、楚軍の士気が低い事を伍子胥は知って
いた。

嚢瓦の為に命を懸けて闘う兵士は楚にはいない。
嚢瓦だけを狙えば、楚の兵士は戦わずに逃げるはず。

呉軍の先鋒、呉王闔閭の弟夫檗(ふがい)の軍はまっすぐに嚢瓦目掛けて攻める
。楚軍は伍子胥の思惑通りにろくに戦おうともせずに逃走を開始した。楚軍の逃
走をみて呉軍は一気に突撃をかける。呉軍の突撃に驚いた楚軍はさらに後退し、
川に逃げ込んだ。この時、川に逃げ込んだ楚軍を夫檗率いる呉軍先発隊を軍師孫
武が止める。

楚軍の半数が川に逃げるまで追撃は緩めて下さい、と。

疑問に思う夫檗に孫武は説明した。

川に兵の半数が逃げれれば、その川にいる兵士は戦えないし、残った半分も戦う
ことより逃げる事を考える。しかし”呉軍から逃げれない”と追い詰められれば
楚軍とて必死に抵抗するから、呉軍の被害も大きくなる、と。

話がかわるが、後に「背水の陣」といえば韓信の策として有名だが、その韓信も
孫氏の兵法を用いてこの陣を布いた。この孫武の策が後々の韓信の「背水の陣」
に基づいているのではないだろうか。

孫武が夫檗を止めたのは、このまま追撃をすればまさに楚軍が後世に見られる韓
信の「背水の陣」のごとく抵抗をするのをみこしてだろうか、何にせよ、この戦
いで孫武の名は天下に知れ渡ることになった。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

ここまでお読みいただきありがとうございます。
ご意見、ご感想、ご要望などがありましたら遠慮なくメールください。

さて、次回は天才孫武を擁する呉軍はついに楚の首都・郢に迫ります。

ところで、忙しい日常ではありますが、自分のリラックスタイムを設けるのはお
奨めです
忙しい時って、必死になって仕事したりしてますが、「必死」とは「必ず死ぬ」
とも読めます。仕事や勉強に追われて、なかなか時間ができないのもわかります
が、
休日のx時~x時まで○○をする。とか、定期的なリラックスタイムを設けて、
心落ち着かせるとかえって仕事がはかどります。あ、これ私の場合ですがね 笑


いずれにせよ、時間ができたらやろう。とか言ってたら何年たってもできなかっ
たのですが、意識してリラックスタイムをつくり、趣味に乗じてたら、このよう
な中国史のメルマガを配信してるようになりましたとさ。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

メルマガ発行人:品川 誠和
発行者プロフィール:http://shinagawa.prof.spare.jp/
発行者への連絡先:shinagawa0816@yahoo.co.jp
メルマガ登録解除はこちらから→ http://mobile.mag2.com/mm/0001185452.html
◎3分で読める中国史メルマガ
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0001185452/index.html
/archive.mag2.com/0001185452/index.html