インベスト大学の渋澤太郎です。

今回は、「Zホールディングス（4689）」の企業分析を行いました。

Zホールディングスは、1996年に設立され、 1997年に上場している企業です。

上場してからすでに20年以上経過している有名な企業ですね。

この企業の特色は、ポータルサイトのYahoo運営などネットサービスの国内先駆け企業の一つであるとい言う点です。また収益の柱は、広告やECが中心で現在、Paypayを活用した金融事業を次の柱とすべく大きな投資を継続し、21年にはLineを傘下に加え、今後、Zホールディングスのサービス経済圏の強化を図っているのが特徴です。

今後の同社の事業見立てとして、子会社化したZOZOの売上もEC事業拡大に貢献していく見込みであることと、Lineユーザーを取り込むことで、広告や金融事業をさらに加速させる計画を持っており、23年度には売上収益2兆円、営業益2,250億円を目標としています。またAI人材へも投資も積極的に行う予定であり、今後５年間の間で5,000人以上の増員を行う予定をしており、ECや金融をさらに強化していく方向性です。

以下にZホールディングスの主要情報をまとめました。

22年度利益見込みをベースに一株当たり利益（EPS）と株価収益率（PER）を試算すると以下になりました。

　22年利益ベースの一株当たり利益（EPS）：19.3円(対21年度比:171%)

　　　　同　　　　　株価収益率（PER）　：27.3倍

計画通り２2年度利益を達成すれば、株価収益率（PER）は30倍以下であるので割高でなないと言えます。（日本の企業の平均的な株価収益率（PER）は２０倍程度であるため）

ただ自己資本比率は19％と低く、投資を積極的に行っているので有利子負債の方が利益剰余金よりも多いので財務的には注視が必要です。ただし親会社はソフトバンクであり、金融支援を容易に受けることができる可能性がある点、及び投資しているEC・金融事業は今後さらに成長する可能性がある点を踏まえるとそこまで心配することはないと考えられます。

また利益伸長率より売上高伸長率が高い点を見ると事業構造改革を行う余地があると言えます。

過去のテンバガーに共通する１０項目をまとめた内容を以下に示していますが、Zホールディングスは約20％（２点/10点）の項目を満たしており、テンバガーになる可能性は低いと推定します。ただし同社の事業は今度伸長する可能性が高い産業で展開しているため、２倍株になる可能性は十分あると思います。

チャート分析（一目均衡表）では、現時点の株価は基準線（短期的なトレンド把握できる線）は上回っていますが、転換線の中にある状態でトレンドとしては読みづらい状態ですが、MACDは上昇トレンドに入っているので、このまま株価が上昇し続け、基準線が転換線（中期的なトレンド線を示す）を上抜けることができれば、価格が継続上昇する可能性が高いと考えられます。