誰でも、よかった。

さみしかった。

こんなに独りでいたのは、生まれて初めてだと思う。



友達にも親にも毎日のように電話した。



今までの自分では、入り込まない、mixi登録をした。



毎日、メールが入る。

あたりまえだけど、知らない人間。



それが、心地よかった。

安心していた。自分を新しくできた。



メール嫌いな私が、まめに返信している。

相手も即レスが嬉しいのだろう。



しかし、やはり私には欠点があった。

マイミクさんは、作れなかった。



のちに、めんどくさくなることも、分かっていた。

それが、私の性格だから。

毎日、違う人とメールするだけでよかった。



1か月…2か月…


寂しさは孤独だった。

お笑い見てるのに、泣けてくる。



2歳年下の子から、飲みに行くことを誘われた。

メールもしていない、声も知らない子だったが、

不思議と怖くなかった。

九州を出てから、交通手段は自転車であり、

ひきこもりになっていた私の堅い壁をノックしてくれたのは

彼である。



行くしかないと思った。

変わるチャンスは今だと。


九州を出て、早いことで4カ月。



もともと、強気な私は恋愛には向いていない。

自分で言うのもなんだが、モテナイわけでもない。

一番気になることがあるからだ。


実は同性愛者?

家族が表に出れない職業?

ダメな男ばかりで、相手を紹介できない?



そんなの理由にならない。



これは自分自身の問題であり、誰のせいでもない。




そう、自分が恋愛で変化するのを恐れているのだ。


普段から、恋愛上手な人間は口をそろえて言う。



「変わってみてから考えたら?」




そうかもしれない。

しかし、他人より自分自身が分かっているのだ。



束縛、嫉妬、嘘。

欲望、性欲、愛。



今の自分には、この言葉たちが頭にない。



だからこそ、怖いのである。




九州を出たら、すぐに状況が変わった。

自分自身を知る人がいなく、

かわいい女子を演じればいい、と。



そうすることによって、

毎日着ていた、重い鎧を脱ぐことができたのだ。



恋愛を始めようと思う。

そうしようと、思う。