新一&蘭☆恋物語 -2ページ目

新一&蘭☆恋物語

【名探偵コナン】二次小説を書いています。
興味がありましたら覗いて下さい♪


コナンくんがご両親と一緒に海外へ行ってから早2ヶ月。

それと同時に新一と連絡が全く取れなくなってしまった。

何度掛けてもあの、冷たい機械の声が流れるだけ。

私が聞きたい声は、いつでも自信満々で気障な科白(セリフ)をさらりと言ってのけるアイツの声・・・。

どうしても我慢が出来なくて阿笠博士に聞きに行ったけど、博士は「分からない」の一点張り。

新一の家に何度も足を運んだが、主を失った大きな屋敷はただ其処にポツンと佇むだけ。

コナンくんも居なくなって、新一からの連絡も途絶えた今、私は次第に“笑う事”を
忘れてしまった。


それでも学校では普通に振る舞って“笑ってる”私がいる。

「蘭・・・無理して笑わなくていいよ」

園子には全てお見通し。

「何年親友やってると思ってんの?」

園子とは小学校からの親友。
私自身よりも私の事を解ってる。

「園子は居なくならないよね?」
不意の私の質問に園子は一瞬ポカンとした。

何故か私の大事な人は私の前から居なくなってしまう。

お母さん・・・

新一・・・

コナンくん・・・


私が泣きそうな顔をしていると園子は優しく微笑んで、
「居なくなるわけないでしょ!親友残して」

零れそうになる涙を必死に抑えて、私は久し振りに笑った。



新一からの連絡が途絶えて2ヶ月と3週間。
私はカレンダーの日付に“×”を付けた。

こんな事をしても自分が辛くなるだけなのに、1日の終わりに“×”を付けるのが習慣になってしまった。

そしていつもの様にため息を吐いてベッドに向かった。

その時だった。


~♪♪~~~♪~~♪♪


えっ・・・・・・


私は机の上に置いてある新一専用の携帯を見て目と耳を疑った。


携帯・・・鳴ってる・・・・?


私は震える手で携帯を掴んだ。

画面には“新一”の文字。

・・・これ、“しんいち”って書いてあるんだよね・・・・・?

我ながら馬鹿馬鹿しい質問を自分に投げつけた。

新一専用の携帯なのだから新一以外誰からも掛かってこない。

紛れもなく電話を掛けているのは新一である。

分かりきった事なのに上手く思考が着いていかない。


「・・・出なくちゃ」

誰に言うともなしに私はそう言って電話に出た。


「・・・・もしもし?」

「よう、蘭!」

この世で一番聞きたかった声が今、私の耳に届いてる。

「新・・一・・・?」

「オメー、電話出るの遅ぇよ。まだ灯り点いてんだから起きてたんだろ?」

「あ、うん・・・丁度寝ようと思ってて・・・・」

え?灯り点いてるって何で分かったの?

「蘭・・・窓の外、見てみろよ。いいもんが見れるかもよ?」


まさか・・・嘘でしょ・・・まさか・・・新一・・・・!!


私は恐る恐る窓に手を掛けて、1つ深呼吸した。

ゆっくり窓を開けて下を覗くと、逢いたくて逢いたくて仕方がなかった新一の姿を見つけた。

私は思わず身を乗り出して、
「新一!!」
と叫んだ。

新一は人差し指を唇に当て、その指を私に向けて“下に降りて来い”と合図した。

私はパジャマのままだったが構わず階段をかけ降りた。



目の前に新一がいる・・・。
本当に新一・・・だよね?


「悪ぃ~な、遅くに」

私は新一を見つめながら頭を横に振った。

「やっと片付いたんだ・・・厄介な事件が


「え・・・」

「帰って来たんだよ、やっとな」
新一はニッと笑った。

帰って来た・・・?

「“おかえり”って言ってくれねぇの?」
私の顔を覗き込みながら言う新一。

「・・・ばか

「あん?」

ばか・・・ばか!ばか!!ばか!!!

「何だよ・・・?」

私は目に涙をいっぱい溜めて新一を睨んだ。

「2ヶ月以上も何してたのよ?急に連絡が取れなくなって・・・私がどんなに心配してたか分かる?!」

「蘭・・・」

「博士に聞いても分からないって言うし・・・アンタの家にだって何度も行ったけど誰も居ないし・・・」

とうとう溢れた涙が私の頬に流れ出した。


「蘭・・・泣かないでくれよ・・・オメーに泣かれると困るんだよ・・・・」

「え・・・?困る?どうして?」

私は泣く事を一瞬忘れて新一に聞いた。

「どうしてって・・・・」
新一は自分の頬をポリポリと指で掻いた。

新一の癖なのか、何か困ったり照れてる時に自分の頬を掻いているのを今までによく見た事がある。

「ねぇ・・・どうして?」

新一に詰め寄ると何故か新一は顔が赤い。

「・・・だから・・・好きな女が目の前で泣いてたらどうしたらいいか分かんなくなんだよ!」

そう言うと新一はそっぽを向いてしまった。

「新一・・・好きな人、いるの・・・?」

「はぁ??」

「だって・・・好きな女って・・・」

私の言葉に新一は盛大にため息を吐いた。

「この鈍感女」
新一がボソッと呟いた。

「え?何?」

「だ~か~ら~!!オメーが好きだっつってんの!」

・・・オメーが好きって・・・

「えっ?!わ、私っ??」

「他に誰がいるんだよ」

新一の突然の告白に私は口をポカンと開けてジッと新一を見つめた。

「蘭・・・ずっと好きだった。俺が帰る場所は蘭、オメーの所だけだ」

再び私の瞳には涙が溢れて、許容範囲を越えた瞳からまた涙が頬を伝った。

「蘭・・・“幼馴染み”は卒業しないか?」

「え・・・・」

「俺を蘭の“彼氏”にしてくれないか?」

新一が私の“彼氏”?

「蘭の返事は・・・?」

新一は緊張した面持ちで私の顔を窺った(うかがった)。


私は泣き笑いしながら、
「私も・・・新一が大好き!」

そう言って新一に抱きついた。
新一は少し驚いたみたいだけど、しっかり私を抱き留めてくれた。

「新一・・・私を新一の“彼女”にしてくれる?」

「喜んで」

お互いの身体を離して新一と私は顔を合わせ微笑んだ。

そして、引き付けられる様に私達は唇を重ねた。



新一が帰って来た日、私達は“幼馴染み”から“恋人”になった。

一生忘れられない日となった今日からカレンダーの印はハートマークとなった。











Fin.



























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