お話

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思いついた話を載せて行きます。お付き合い下さいませ。

 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、宇宙人と接触しました」
「異星人か地球外知的生命体と言うのだ」
「臨終を看取ってくれと通信しています」
「これも何かの縁かもしれんな」
 隊員が通信すると場所が指定された。向かうと宇宙船が一機漂っていた。乗り込んでみるとベッドで虫の息の異星人を見つけた。
「もう長く無い。頼みがある……」
 苦しそうな異星人に同情した隊長が言う。
「何でも言うと良い。聞き届けるぞ」
「ありがたい。では、後を頼む……」
 言い終わると異星人は大きく膨らみ、破裂した。後には産まれたての赤ん坊の異星人がぞろぞろと出てきた。隊員が叫んだ。
「隊長、臨終は再生を意味したんですね!」
 わあわあ泣き叫ぶ赤ん坊たちを見て、隊長はつぶやいた。
「いきなり子持ちになってしまったな」

 

 

 

(2009/3/20)

 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、宇宙人と接触しました」
「異星人か地球外知的生命体と言うのだ」
「大きな白い立方体の箱を見なかったかと、あちこちに通信して尋ねいています」
「落し物か。よし、探す手伝いをしよう」
「さすが隊長、探検隊の鑑ですね!」
「いいや、暇なだけだ」
 探検隊は箱の特徴を聞き捜索を行なった。しかし、見つかる気配はまるで無かった。
「隊長、もうあきらめましょう……」
「向こうの航路を逆進している。必ず在る」
 さらに数時間進み、ようやく大きな白い立方体の箱が漂っているのが、確認できた。
「やったぞ! 見つけたぞ!」
「隊長、通信です。『もう時間切れだ。睡眠剤が切れた。暴れ出すぞ。大変だ』……」
 箱が内側から破られ、宇宙シャチのダンダデが怒りの叫びを上げながら現われた。

 

 

 

(2009/3/11)

 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、宇宙人と接触しました」
「異星人か地球外知的生命体と言うのだ」
「救助信号が出ていますので、向かいます」
 信号の出ている惑星に着くと、立派な造りの小型宇宙艇が岩に挟まっていた。探検隊の宇宙船はアームを伸ばし、岩を除去した。それから、小型宇宙艇の中で気を失っている異星人を助け出す。
「宇宙艇と言い、服装と言い、立派ですね」
「どこかの惑星の代表かも知れんな」
「助けてくれたのか?」意識を取り戻した異星人が言った。「どこの惑星の者だ?」
「地球の宇宙探検隊だ」隊長が胸を張る。「救助も任務の一つなのだ」
「地球か……」異星人はにやりと笑った。「ならば、救助の礼に最後に征服してやろう」
 その時、部下である宇宙征服軍団の大船団が、異星人の首領を迎えに集結した。

 

 

 

(2009/3/1)

 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、怪現象に遭遇しました」
「宇宙に怪現象はない。原因不明なだけだ」
「前方に探検隊の宇宙船が飛行しています」
 メイン・スクリーンに、航行している探検隊の宇宙船の後ろ姿が映し出されていた。
「おかしいな。一宙域一探検隊のはずだ」
「何かのトラブルかもしれません。通信して確認します」隊員は通信パネルを操作した。「『こちらはこの宙域担当の探検隊です。貴船は誤って進入しています』」
 通信を始めた途端、前方の宇宙船が爆発した。
「なんと、乱暴な! 何処のどいつの仕業だ!」
「隊長、この宙域は未来を投影する作用があります!」隊員は分析パネルを見て叫んだ。「あれは近い将来に遭遇する図なんです!」
 その時、通信パネルから乱暴な音声が流れた。
「『こちらはこの宙域担当の探検隊だ! 邪魔だから爆破するぞ!』」

 

 

 

(2009/2/18)

 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、宇宙人と接触しました」
「異星人か地球外知的生命体と言うのだ」
「『こちらは全宇宙の様々な知識を収集し、宇宙大百科事典を編纂している団体だ。宇宙探検隊の知識を是非分けてもらいたい』との通信が入っています」
「なんと、この様な事に遭遇するとは大変に光栄だ。喜んで協力しよう」
 隊員が協力する旨を通信した。
「隊長、返信です。『知識収集光線を使うので少し時間を頂きたい。これは生体にも機械にも全く影響は無いので安心して欲しい』」
「喜んで時間を割こうではないか」
 隊員が了解の旨を通信した。相手の宇宙船から光線が探検隊の宇宙船に放射された。
「『そちらの知識は原初的なので子供用学習百科に利用させて頂く、協力に感謝する』……」
「なんと、人類の英知とはその程度だったのか……」

 

 

 

(2009/2/12)

 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、宇宙人と接触しました」
「異星人か地球外知的生命体と言うのだ」
「救助信号です。すぐに向かいましょう!」
 向かった先には煙と炎を吹き出して漂流している宇宙船があった。
「隊長、とても危険な状況です!」
「横付けして救助に当たるぞ!」
 横付けし、隊長と隊員が発着フロアに乗り込むと、すでに乗組員の異星人たち全員が集まっていた。異星人たちは隊長と隊員の指示に従い、探検隊の宇宙船に乗り移った。
「救助に感謝する」最後の異星人は言いながらドアを閉めた。「後はよろしく!」
 異星人たちの乗り込んだ探検隊の宇宙船は高速で離れて行った。
「隊長、行ってしまいましたね」
「ま、全員無事救出できた事を喜ぼう」
 宇宙空間に小さな光が瞬き、消えた。

 

 

 

(2009/2/1)

 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、宇宙人と接触しました」
「異星人か地球外知的生命体と言うのだ」
「ですが、やっと十ヶ月ぶりの接触ですよ」
「その前は十日連続で接触があったな。その時の異星人たちは大変に友好的だった」
「そうでした。でもそれ以降は接触は無く、一生分の幸運を使い切ったと思いましたね」
 突然、接触した相手の宇宙船が攻撃を仕掛けて来て、探検隊の宇宙船を乗っ取った。相手は宇宙海賊たちだった。
「なんだ、金目の物が何も無いぞ! 十ヶ月ぶりの獲物で、まだまだ幸運だと思っていたが、なんて不運なんだ!」
 海賊たちは隊長と隊員を縛り上げ、操縦パネルを破壊して去って行った。
「隊長……」隊員が溜め息をついた。「これは幸運でしょうか、不幸でしょうか……」
「一生分の不幸を使い切ったと思いたいな」

 

 

 

(2009/1/22)

 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、宇宙人と接触しました」
「異星人か地球外知的生命体と言うのだ」
「じつは、宇宙船は見えているんですが、何度呼びかけても応答がありません」
「なんと、ひょっとして危険な状況かもしれんぞ。呼びかけを続けるのだ!」
 隊員は「応答せよ!」と、必死に、声を嗄らしながら、二時間ほど呼びかけ続けた。
「隊長! 応答がありました。『放っておいてくれ、黙っていてくれ』と言っています」
「なんと、ずいぶん身勝手な生命体だな」
 隊長が文句を言うと、相手の宇宙船の横にもう一機同じ宇宙船が突然現われた。
「隊長、二機の会話ですが、『わーい、見つけたぞ!』『やはり応答無線を探知されたか』『今度はそっちがオニだな』だそうです」
「宇宙空間でかくれんぼをしていたのか!」
 二機の宇宙船は、仲良く消えていった。

 

 

 

(2008/2/21)

 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、怪現象に遭遇しました」
「宇宙に怪現象はない。原因不明なだけだ」
「死体遺棄事件です!」
 メイン・スクリーンには宇宙空間を漂う一体のロボットが映し出されていた。
「なんと、生命体ではないではないか!」
「すみません。ちょっとした冗談です」
「罰としてロボットを回収し修理するのだ」
 回収したロボットの修理に向かった隊員はすぐに戻って来た。
「隊長、あれは発破専門の惑星開発型です。燃料電池を取り替えたのですぐ機動します」
 突然、ロボットが操縦室へ入って来た。
「ガガガ……、思イ出シタゾ! アイツラ、燃料ガ切レタカラト、オレヲ捨テヤガッタンダ! 思イ知ラセテヤル! 待ッテイロ!」
 ロボットは壁を突き破って飛んで行った。
「なんと、復讐の手助けをしてしまった!」

 

 

 

(2008/12/26)

 宇宙探検隊は宇宙の知られざる惑星や生命体や現象を調査することが目的だ。
「隊長、宇宙人と接触しました」
「異星人か地球外知的生命体と言うのだ」
「『船内デ反乱ガ起キタ。助ケテクレ!』と通信して来ています」
「なんと、それは問題だ。助けに行かねば」
「上手く行くでしょうか?」
「同じ生命体だ。話し合ってみよう」
 探検隊の宇宙船は通信して来た宇宙船に横付けした。隊長と隊員が乗り移る。
 船内の異星人は皆大人しく友好的だった。
「隊長、反乱の気配が全くありませんね」
「確かにな。責任者の勘違いではないのか」
『ナニヲ言ッテイル!』突然、宇宙船自体が叫び出した。『コイツラハワタシノ言ウ通リニ操作センノダゾ! 大反乱ダ!』
「なんと、宇宙船が生命体を支配していたのか!」隊長は腕を組んで考え込んだ。「宇宙船では話し合いもできんな……」

 

 

 

(2008/12/18)