どうもどうも、けいです。

 

前回のブログが2月9日ということで、

まさかの活動復帰後初のブログとなってしまいました。

いろいろなことにリソースを割かれていてだなぁ…

 

活動復帰しようとこのブログは平常運転で進めていきますので、

これからも何卒よろしくお願いします。

今「何卒」を「なにそつ」と呼んだ人はおそらく同志なのでしょう

 

さて、このブログでは久々の鉄道模型についてのお話。

というよりほぼ筆者の愚痴です

 

皆さん、ご自分の鉄道模型は可愛がっていらっしゃるでしょうか。

大量に鉄道模型を保有している方なら1両は「タイプ品」がいると思います。

 

今回はそいつのお話。

 

 

「タイプ品」ってなんだろう?

「タイプ品」とはなんでしょうか?

業界によって定義はいろいろあるようですが、

鉄道模型界隈では「実車と仕様が違う模型」を指します。

 

例えば窓配置の違いや前面形状の違いが挙げられますが、

細かいものではクーラーや信号炎管などが違うものも

「タイプ」または「エラー」とされることがあります。

細かいよ!と言われればそれまでなのですが

 

タイプ品に接したときのユーザーの反応は様々です。

放っておくか、それとも加工して正しい形状に直すか。

加工するならどこまで実車に似せるのか。

 

また、タイプ品を多く出すブランドとして、

KATO」のブランドで知られる関水金属の子会社

「ホビーセンターカトー」が企画する「ラウンドハウス」が知られています。

 

ラウンドハウスはいわゆるコンパチを出しており、

KATO製品の塗り替えであることがほとんどです

このためタイプの度合いもピンキリで、

詳しい人から言われないと分からないようなものから、

窓配置ごと異なっているレベルのものまで存在します。

 

しかしラウンドハウスの製品が支持されないかと言われるとそうではなく、

「雰囲気だけでも楽しみたい」「安価に済ませたい」というユーザーから

ラウンドハウスブランドは重宝されています

 

また、タイプ品となってしまうのは何もラウンドハウスに限った話ではなく、

TOMIXやKATO、マイクロエース、グリーンマックスなど、

大手メーカーも同じこと。

金型の使い回しや表現技術の限界などにより、

どうしても実車の特徴を削って模型にしなければやっていられないこともあります

 

▲TOMIXの457系A13編成。車内が「エラー」。

 

金型の使い回しについて補足すれば、

模型の金型製作というのはそれだけでかなりの費用がかかります

そのため、目まぐるしく形態が変わる実車に対応しようとすると、

金型の制作だけで途方もない出費になってしまいます

 

こうなると経営自体が苦しくなってしまうことになり、

倒産を避けるためには模型の値上げなどで消費者に不利益を願うしかありません

であれば、ある程度までなら目を瞑って似た金型を使い回した方が得なのです

あまりにも実車と乖離しているものは擁護のしようがないが

 

また、タイプ品を作るからこそ消費者は「加工する愉しみ」が生まれ、

ひいてはサードパーティーが育つ遠因にもなると推測できます

 

人の感性というのは千差万別ですから、柔軟に対応すると疲弊してしまいます。

そういった意味でもある程度のタイプ品は許容し、

細かい場所はユーザーの判断に任せざるを得ないのです。

 

加工派は加工へ。そのままでいい人はそのままで。

そして加工に便利なパーツをサードパーティーが出すことで、

また経済が回るのです。

 

以上がタイプ品についての解説…と理論展開が入ってしまった…

 

 

タイプ品を買う人の気が知れない?

こうした「タイプ品」ですが、実車と違う以上拒絶反応を示す人もいます。

その際の対応もまた人それぞれで、加工して矯正してしまう人もいれば、

そもそも製品自体買わない人もいます。

 

まぁその辺は個人個人の動きなのでいいのですが、

公の場で堂々と「タイプ品なんかダメだ!」とブチ上げてしまう人もいます。

 

タイプ品を買う人の気が知れない。

そういう人は所詮実車への愛情もその程度なのだろう。

加工できないのならやるな。「省略する」なんて書くな。

 

それは駄作だ。恥ずかしくないのか?

 

…というのが要旨なようですが、うーん。

 

タイプ品が許せず購入する気にならないのは分かります。

何を隠そう筆者もそのスタンスなので

 

しかしそのスタンスを他人に押し付けるばかりか、

相手を糾弾するのはいかがなものなのでしょうか?

さらにこう主張する人が加工の果てに実車と違う箇所を残していると、

もはや何も言えなくなります。

 

先ほども書きましたが、人の感性は様々です

タイプ品が許せる人はもちろん、許せない人も当然いていいと思います。

 

ではなぜタイプ品でも許せるのかというと、

おそらくその人はタイプ品でも何らかの価値を感じているからです

雰囲気だけでも楽しみたいという人もいるでしょう。

 

そして、実車への思い入れの深さというのは、

どれだけ手元の模型が実車に似ているかという一元的な指標では

決して計ることはできないのではないでしょうか

 

タイプ品を持っているから実車への愛情が薄い」とも言えますが、

タイプ品でもいいから置いておきたくなるくらいには実車が好き」とも言えます。

結局このあたりの価値観も一通りには定まりません。

ですので「タイプ品を持ってるからあいつは所詮その程度の興味なのだ」

という理論は、全く通らないことになります

 

これは加工に関しても同じ。

「技術がないなら作るな」とはあまりにも横暴な主張であり、

界隈全体の多様性、発展に大きなダメージを与えうると考えます

 

私はその「タイプ品で満足する薄情者」が増えることよりも、

むしろ「『技術がないから作ってはいけない』という固定観念に縛られ、

本当に作りたい模型が作れなくなってしまう」ことを危惧します。

 

ここは「できないなりに大好きな車両をどうにかして完成させた」

姿勢を評価するべきなのではないでしょうか

下手なりにでも作り上げたことに価値がある。

例えそれが実車から離れていても、自分の中で不協和音になったとしても。

 

その模型はその人の「オンリーワン」であることに変わりはないのですから。

他人が価値を毀損することはやってはいけませんし、できないと思います

 

そして汝に問う。

あなたは下手ではなかったのですか?最初から全部うまくいったのですか?

 

最初は誰だって限界が低いところにあります。

何度もやってようやく限界値を高めていくのです。

 

▲筆者初の加工模型。写真の通り失敗したが、最初はそれでいいと思っている。

 

その入り口を「技術がないなら作るな」と閉ざしては、

いつまで経っても発展は見込めません

 

模型だから、自由です。それだけはどのモデラーにも等しく与えられた権利です。

他人を糾弾して奪ってはいけません。

 

鉄道への愛は人それぞれ。どのような形があってもいいはずです

もちろんそこには「法に反しない程度に」という前提があるが…

 

 

というわけで、今回はそんなタイプ品についてのお話。短いですがここまでです。

筆者はまず加工に失敗した413系をどうにかしなければならぬ

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。