どうにも、母は俺の趣味を否定する傾向にあるらしい。
まぁそれも価値観の違いから来るものだが。
例えば、俺は生粋の日本人である事を誇りに思い、和を愛している。
故に部屋着はほとんど和服だ。
加えて、ようやっと長年欲しかった煙管を買えるほどの余裕が出来た。
煙管一本では心もとないと、煙草盆も一緒に買ってしまおうとしたのだが、
それが、その他小物も含めて1万5千を超える。
自分の所持するものは見た目に拘る俺は、それが俺に相応しいと感じたものであれば金はほぼ惜しまない。
だが、興味のない母からしてみれば、それは浪費にしか見えないらしい。
極論で言ってしまえば、俺は俺の趣味を浪費と言われたようなものだろう。
……はっ。
あなたの趣味も俺からしてみればただの浪費だくそったれが。
それは情報である
親から子へ分け与えられる、身体および疾患を含む劣性の情報である
家族とは何か?
遺伝子の持つ情報の一部を共有している人間のグループをそう呼ぶのだろう
僕は、家族というものをあまり重要視しない
親から与えられたこの身体にある遺伝子には
母と父の遺伝子の情報が半分ずつあるが
「半分ずつ」という時点でそれは全く別物の遺伝子ということになると思うのだ
だから、母に僕は理解できない
だから、父に僕は理解できない
それは「他人」であるからごく自然のことであって
「あなたの事はちゃんとわかっている」
などという薄ら寒いセリフを吐かれた日には
「あなたと僕は他人なのに、どうして僕が理解できるなどと言うのですか」
と言いたくなってしまうのだ
腹を痛めてまでひり出した子にそう言われる気分はどんな感じだろう?
絶望か?
失望か?
それとも嫌悪か、呆れか
きっとあの人はまた泣くのだろう
「どうしてそんなことを言うの あなたは私の子供なのに」
―――子供だから何だってんだクソボケが。
子供だから?
母親だから?
それがどうした糞ババア
好きでお前の子に生まれたわけじゃねぇ
なんて、本当は、自ら望んでこの女のもとに生まれてきたのにね
親から子へ分け与えられる、身体および疾患を含む劣性の情報である
家族とは何か?
遺伝子の持つ情報の一部を共有している人間のグループをそう呼ぶのだろう
僕は、家族というものをあまり重要視しない
親から与えられたこの身体にある遺伝子には
母と父の遺伝子の情報が半分ずつあるが
「半分ずつ」という時点でそれは全く別物の遺伝子ということになると思うのだ
だから、母に僕は理解できない
だから、父に僕は理解できない
それは「他人」であるからごく自然のことであって
「あなたの事はちゃんとわかっている」
などという薄ら寒いセリフを吐かれた日には
「あなたと僕は他人なのに、どうして僕が理解できるなどと言うのですか」
と言いたくなってしまうのだ
腹を痛めてまでひり出した子にそう言われる気分はどんな感じだろう?
絶望か?
失望か?
それとも嫌悪か、呆れか
きっとあの人はまた泣くのだろう
「どうしてそんなことを言うの あなたは私の子供なのに」
―――子供だから何だってんだクソボケが。
子供だから?
母親だから?
それがどうした糞ババア
好きでお前の子に生まれたわけじゃねぇ
なんて、本当は、自ら望んでこの女のもとに生まれてきたのにね
自らが普段使う言葉を投げかけて子供が傷ついたとしても
それに気づかない
子供が怪我をして痛いと言う
それに対し、自分がそう育ったからと
「それくらい大丈夫だろう」
と決めつけ、心配のしの字もない
その時子供は何を思うのか?
上辺では
「そうか、これくらいはどうということはないのか」
と頷いておく
それが事をこじらせない最善であると今までの生活から学んでしまったからだ
一方の心は?
心配してほしかったのだ
怪我はどうということはないと、自分でもわかっている
けれど心配して欲しかった
自分を見て欲しかった
望みは叶えられなかった
まぁ身体の傷や痛みならどうとでもなるだろう
それが身体の内側だったら?
僕の場合は、喉の違和感を覚えて親に相談したけれど
大丈夫だろう
の一言で終わった
けれど日が経つにつれ甲状腺が腫れ上がり
病院へ行くも原因不明特に治療もなく放置状態で
今は腫れも引いたものの
目に見えない異常を親は信じなかった
それだけのこと
親を嫌うことはまぁたまにあるが
それ以前に、自己判断が出来る歳になってからは
親の事は信用していない
何かが変わるというなら、僕は迷いなくそうしていただろう。
特に何があるというわけでもなくそう思うのだ。
自身でも意味のわからない思考に混乱することもなく受け入れる。
これが自分であり、こうでなければ自分ではないからだ。
それは漠然としていながら確立された思考であり、
それ以外にはないという妙な実感をもたらす。
ふと目を覚まして、一体なんの夢を見ていたか。
訳のわからない言葉の羅列を眺めていたような気がするのに、
夢など見ていなかったようにも思う。
首をかしげながらベッドから抜け出てのろのろと着替えて、
顔を洗おうと洗面所で鏡と向かい合った、
誰かがいた
―――自分だ
―――自分か?
―――誰だ
―――誰か?
――――――それは夢か?
――――――これも夢か
―――――――――これも
夢の、夢の、夢、
不明瞭な己の望み
