5月5日は「こどもの日」。この日は、子どもの健やかな成長や幸せを願う日として、日本各地で様々な行事が行われます。
その中でも、家族で囲む食卓には、古くからの意味が込められた行事食が並びます。
今回は、こどもの日に食べられる代表的な行事食と、その一つひとつに込められた意味をご紹介します。
■ 柏餅(かしわもち):家系の繁栄を願う縁起物
こどもの日の行事食として最もよく知られているのが「柏餅」です。
もちもちとしたお餅の中にあんこが入り、柏の葉で包まれたこの和菓子には、「家系が絶えないように」という願いが込められています。
柏の葉は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちないという特性があり、「代が途切れず続く」という縁起の良さから、
子どもの成長や家族の繁栄を祈る食べ物とされてきました。
■ ちまき:災いを祓い、健康を守る
ちまきは、もち米を笹の葉で包み、蒸して作る料理です。
この風習は古代中国から伝わったもので、もともとは邪気を祓う意味がありました。
日本でも男の子の無病息災や健康を願って、こどもの日にちまきを食べる習慣が広まりました。
地方によっては、柏餅よりもこちらを重視する地域もあり、関西ではちまきが主流とされています。
■ たけのこ・かつお:成長と出世を象徴する旬の味覚
5月は春の終わりから初夏へと移り変わる季節で、自然の恵みも豊富です。
この時期に旬を迎えるたけのこやかつおも、こどもの日にふさわしい食材です。
たけのこは、まっすぐにすくすくと伸びる姿が子どもの成長を象徴し、
かつおは「勝男」とも書けることから、強くたくましく育ってほしいという願いが込められています。
■ お祝い膳:家族で囲む喜びと感謝
こどもの日には、赤飯や鯛の塩焼きなど、お祝いの席を彩る料理も並びます。
こうした食事は、単なるごちそうではなく、「家族で祝うこと」そのものに意味があります。
日頃の感謝を伝えたり、成長を実感したりする時間として、
食卓を通じて家族の絆を深める大切な一日となるでしょう。
■ おわりに
こどもの日の行事食は、ただおいしいだけでなく、そこに込められた意味や願いを知ることで、
より豊かな時間になります。
食を通して伝わる家族の想いと、日本の伝統。
5月5日は、そんな大切なつながりを感じながら、子どもの未来を祝う特別な一日にしてみてはいかがでしょうか。