笑意軒の遊び心は随所にあります。

池に面した景観は 自然に見せていても、実はつくり込んだ遠州流の庭園ですが、

笑意軒の窓から見える立ち木のむこうの景色は なんと田園です。

しかも当時から、桂離宮の苑地として耕作されていたそうです。 

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  露地入口の三角燈籠               次の間から見た景色

四季折々の農作業、そして実りまで美の世界に取り込もうとしていたのですね。

「落穂拾い」で有名なジャン=フランソワ・ミレーは19世紀の人

桂離宮は17世紀の建築ですので、ミレーと同様な審美眼を当時の日本人はもっていたのです。

Dscn2254 つくばいの浮月手水鉢

もうひとつ建物の東側にある「つくばい」に注目 手を清める為のものですが

この手水鉢に月が映り込むような配置になっているそうです。

水面に光る月、それを柄杓ですくい取るように水を汲む。風流ですね。