先日高齢男性が夜診前にクリニックへ来られました。
診察に来られたわけではなく、わざわざお礼のあいさつに来られたのです。
その男性の奥さんが数日前にクリニックに初診で来られ、救急受診するよう紹介状を書いたのですが、その甲斐もなく病院へ到着する前に亡くなってしまったとのことです。
患者さんは前日にくしゃみをした後にのど~上胸部に痛みを自覚され、翌日の夕方改善しないため、当クリニックへ初めて受診されました。
来られた時は、それほどの強い症状ではなかったのですが、他院で治療中であるのに血圧が高いことと、胸部レントゲンで気になる所見があったのですぐに救急病院へ受診するよう紹介状を書いたのでした。その後受診の用意されている間に自宅で急変されたとのことでした。
症状が重篤感はなかったので、まさかとは思いましたが、懸念していた大動脈解離だったようです。
大動脈解離は心臓から出る大動脈が裂けて、胸痛などを引き起こし突然死することもある病気です。
大杉漣さんもこの病気で亡くなった可能性が報道されたので記憶にある方もいるかと思います。
胸部レントゲンで診断がつくことは少ないのですが、疑うことが重要でCTによって診断でき、病態によっては緊急手術で救命できることもあります。
私も大動脈解離の可能性を考え、明日受診をという患者様を説得して紹介状まで書いたのに非常に残念に思いました。患者様が、夜診ではなく午前診に来ていただいていたら救命できたかもと考えると残念でたまりません。
原因は不明ですが、多くの場合高血圧であることが多い病気です。
患者様も降圧剤服用中でしたが、普段より血圧は高めであったようでです。
血圧コントロールは重要です。
旦那様には、お役に立てなかったにも関わらず、まだ悲しみの中というのにお礼に来ていただき恐縮しました。
ご冥福をお祈りいたしますとともに、この症例を今後の診療に生かしていきたいと思います。
高血圧はさまざまな病気を引き起こします。血圧のコントロールは重要です。
またの機会に高血圧のことについてもつぶやいてみることにします。
伏見区の町医者のつぶやきでした