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公益社団法人家庭問題情報センターという団体があります。
そのHPはこちら。 FPICのHP
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同HPの設立の趣旨の冒頭には,以下の記載があります。
家庭問題情報センター(Family Problems Information Center:FPIC)は,家庭紛争の調整や非行少年の指導に長年携わってきた元家庭裁判所調査官たちが、その豊富な経験と人間関係の専門知識,技法を広く活用し、 健全な家庭生活の実現に貢献することを目的として設立された公益法人です。
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また,同HPには,法人の業務について,以下の記載があります。
本法人は上記定款第3条の公益目的を達成するため、次の事業を行う。
1 家庭問題に関する心理・教育相談事業及び調停手続事業(ADR)
2 親子の面会交流援助事業
3 後見、後見監督等に関する事業及び公正証書遺言者への支援事業
4 家庭問題に関する調査・研究事業、セミナー・講演会の開催事業、講師・鑑定人の推薦事業及び機関紙(家庭問題情報誌「ふぁみりお」の発行配布等の普及啓発事
5 業家庭問題に関する公的機関からの受託事業
6 その他各号の事業を達成するために必要な事業
4 面会交流の援助事業を以下のとおり有料で行っているようです。
面会交流援助の案内
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このFPICが平成17年9月に,『離婚した親と子どもの声を聴くー養育環境の変化と子どもの成長に関する調査研究』(800円)という調査研究結果を出版しました。
先のHPの出版物のご案内で購入できます。
調査は平成16年6月から同年10月末日まで行われました。
調査対象は離婚を経験した親及び親の離婚を経験した子ども。
FIPCのHPでの研究紹介と協力要請,朝日新聞及び日本経済新聞の研究紹介,親権者指定に関する民事鑑定を行った鑑定人の紹介などを通じて,調査研究への協力を申し出た方々を対象にした。
回答者数は全部で197事例。
離婚を経験した親の立場からの回答101事例。
うち男性21事例
うち女税80事例
親の離婚を経験した子の立場からのもの96事例
うち男性21事例
うち女性75事例
同書では,さらに,調査対象者の概要を多層的に紹介しています。
例えば,親101事例のうち,裁判離婚,調停離婚,協議離婚はそれぞれ何人かとか。
親の年齢構成とか。
離婚字に監護していた子の数別の人数とか。
離婚の決意から離婚に至るまでの期間別の人数とか。
子96事例の年齢構成とか。
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そして,「第4章 調査結果の分析及び考察」で,その調査結果を詳細に紹介しつつ,分析と考察を進めています。
そのテーマは以下のとおり。
第1節 離婚に際しての子どもへの配慮
1 離婚の説明と子どもの反応に関する実情
2 子どもの意見の聴取 ― 子の回答から ―
3 事例
4 考察
第2節 離婚後の子どもに対する精神的・経済的支え
1 面会交流
2 養育費
3 考察
第3節 離婚に対する評価
1 離婚が子どもにもたらす影響
2 離婚をどのように受け止めるか
3 考察
第4節 親と子どもに必要な社会的支援
1 親として
2 子どもとして
3 考察
このような各節各項について詳細に検討した後,「第5章 まとめ」で,研究全体の考察と今後の課題を示しています。
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この「第4章の第1節から第4節」は,どれも大事なテーマです。
そして,この記事でテーマとしております「面会交流」については,以下の順に分析検討がなされています。
大枠
(1) 実情
ア 親の回答
イ 子の回答
(2) 事例
6事例の詳細な紹介
さて,上記の(1)実情のア,イの下位項目をさらに紹介しましょう。
(1) 実情
ア 親の回答
(ア) 監護者による実情
a 監護者父の場合(母との面会交流)
(a)「交流あり」の父の回答
(b)「交流あり」の母の回答
(c)「交流なし」の母の回答
b 監護者母の場合(父との面会交流)
(a)「交流あり」の父の回答
(b)「交流あり」の母の回答
(c)「交流なし」の父の回答
(d)「交流なし」の母の回答
(e)「親権者を父とした母の回答
c 監護者父・母の場合(父・母との面会交流)
子によって監護者を分けた場合
d 面会交流の取決め
(イ) 年齢,離婚後の年数による実情
(ウ) 再婚による実情
イ 子の回答
(ア) 監護者別による実情
a 監護者父の場合(母との面会交流)
b 監護者母の場合(父との面会交流)
(イ) 年齢による実情
a 離婚時の年齢
b 現在の年齢
(ウ) 親の再婚による実情
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とまあ,こんな内容の調査研究です。
分量はA4・78頁。
小冊子という感じです。
面会交流の問題だけでなく,子への説明とか,離婚自体と子の関わりをどのように考えられるかとか,そういう問題を考える上で,とても参考になる本です。
もちろん,みなさんのケースは,固有のものです。
妻・母であるあなたも,そして,子どもも,それぞれの一度限りの他で代替できない生を生きています。
ですから,その固有の問題状況の中でご自身が判断して体験するしかないことです。
それでも,他の母がどのように思い悩み,また現在,どう考えているか,子がどのように思い悩み,また,現在,どう考えているかの多層な声を聴くことは参考になるのではないかと思います。
このシリーズでは,まず,この調査研究の「面会交流」の部分を順番にご紹介し,私なりの注釈を加えていきたいと思います。
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