【時代劇こぼれ話】桜に関する2題

 

ようやくソメイヨシノも満開になったよ

うです。それがしは整形外科のリハビリ

の帰りに少し見ただけですが、それでも

気分が高揚するようでございます。

桜といえば、江戸の桜で有名な場所が隅

田川の堤防沿い。いわゆる「墨堤」と言

われる場所であります。この場所に桜を

最初に植えたのは、四代将軍徳川家綱

言われています。最初は浅草周辺に植樹

したようですが、今ほどの規模では無か

ったようです。

それを、大量に延伸したのはご存知八代

将軍吉宗。この時代は享保の改革といい

少し庶民の贅沢を引き締める方向での政

策が取られていました。一方で、江戸の

町人たちの娯楽の場を設けて、街の振興

を図る必要がありました。そこで、吉宗

は墨堤の桜を更に増やし、江戸庶民が

を楽しめるようにしたのであります。

これには行楽地を作るという目的以外に

も、もう一つの目的がありました。今も

そうですが、隅田川という川は流量が多

く、氾濫すると大変な被害になるのでし

た。そこで、その堤防に桜を植え、庶民

が往来することで、堤防を踏み固め、桜

の根による強化を併せて堤防の強度を高

めることを狙ったのであります。この政

策のおかげで、今の時代も江戸、おっと

東京市民の憩いの場となっているわけで

ありますなぁ。

さて、もう一つの話題。それは「遠山の

金さん」で、遊び人の金さんが悪党ども

に対峙するときに口にする俳句について

です。「散る桜、残る桜も、散る桜。やい

やい、この金さんの桜吹雪、見事散らせ

るものなら散らしてみやがれい!」とい

う名台詞です。この俳句、初期の中村梅

之助さんは言っていなかったように記憶

しておりますので、たぶん松方弘樹さん

の金さんあたりから登場するようになっ

たのではないか、と思われます。では、

この俳句の出典はどこか。これは、江戸

時代の僧侶「良寛さん」の辞世の句だそ

うです。今綺麗に咲いている桜も、いず

れは散っていくのだ。という諸行無常の

心を詠ったものだそうです。そういえば

知り合いの誰かが、この句をどこかの寺

で見たそうで、「金さんのあれはパクリ

じゃないのか?」と言われたことがあり

ました。いやいや、パクリとかではなく

金さんも命を掛けた場面で、この句を口

にすることで、覚悟を示していたのでは

ないかと推察するのでございます。

 

お読み頂き、有難うございましたm(_ _)m