こんにちは、みなさんお元気ですか?

さて新聞によりますと、このブログ「筑西歳時記」にも度々登場していた、茨城県筑西市の閉館となった映画館「下館シネマ1(ONE)」の取り壊しが決まったそうです。


こちらは、以前撮影したシネマ1。この時はまだテナント募集中でした↓



現在はシートで覆われ、解体の時を待っています↓



同館は、森悟明(のりあき)さん(74歳)、いち子さん(73歳)夫妻が経営してきました。元々は昭和31年(1956)、いち子さんの祖父である茂さん(故人)が「下館第一劇場」の名で開館。当時下館(現・筑西市)で民間初の鉄筋コンクリート造りの建物だったと言われ、親族が大映の副社長だったことから、こけら落としには大映のスター女優だった若尾文子さんを招いたそうです。


大勢の映画ファンがチケットを買った窓口。シートのすき間から撮らせていただきました↓



当時の下館は鉄道や路線バスが集中する交通の要所であり、近隣に映画館がなかった事から、栃木県の小山や真岡からも観客が訪れる「商都下館」の娯楽を代表するアイコンでもありました。また、高額なイタリア製の全自動映写機を、県内で初めて導入したのも同館だと言われています。

最盛期にはシネマ1の他にも通りを挾んで合計4つのスクリーンが併設されていましたが、人々の移動手段が自家用車に移り、シネマコンプレックスが近隣に進出すると客足が低迷。遂に平成17年(2005)、閉館となりました。


こちらが通りの向かい側に残る「下館映画劇場」と「下館ミラノ座」(いずれも既に閉館)↓



そして「下館オスカー」(いずれも既に廃館)↓


なお閉館したシネマ1ですが、その後、思わぬ形で話題になります。昭和レトロな雰囲気が映画関係者の目にとまり、映画「ザ・マジックアワー」や「ユメ十夜」、讀賣新聞のCMなど10本以上のロケ地に使われたのです。

しかし閉館から17年以上が経過し、老朽化が進んで危険性も高まった事から、経営者夫妻が取り壊しを決断したそうです。


実はここ、わたくし臣(しん)も何度も映画を観た、思い出の場所です。小学生の頃に下館ミラノ座だったかで「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」を観た時、大勢の小中高生が歩道に列をなしていたのを憶えています。



というわけで、残念ですが、またひとつ下館の灯が消える事になりました。そう簡単な事ではないでしょうが、道の駅グランテラス筑西あたりに隣接してシネコンを作れば、それなりの需要があると思うのですが・・・いかがでしょうか。


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