こんにちは、みなさんお元気ですか?

さて、ここ茨城県筑西市の女方(おざかた)に、女方遺跡という遺跡があります。
女方遺跡は、昭和14年から3年間にわたって田中国男博士により発掘が行われ、人面付壺形土器(人面土器)の発見により、当時の考古学会注目の遺跡となりました(平成10年には女方遺跡とは別に、女方・本田前遺跡の緊急発掘調査が行われ、筑西市教育委員会により報告書が作成されています)。

その女方遺跡で見つかった人面土器のモニュメントが、下館駅の南北をつなぐ陸橋の上、ちょうど駅北口を見下ろすように立っています↓

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モニュメントは平成3年、市内で社会奉仕などを行う団体・同友クラブが、創設30周年を記念して設置したもの↓

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こちらは解説文です↓

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「人面土器 下館市女方(おざかた)出土
高さ68.5センチメートル 東京国立博物館蔵
人面土器は関東地方などで発見されている珍しい土器のひとつである
これは縄文時代の土偶(どぐう)の人面表現を受けついで作られた弥生時代中期のものと推定される
逸品と言われるこの赤褐色の壺は 女の姿で顔の表情は温和 明朗である
このモニュメントはインド産赤みかげ石で実物の2倍に作られている」


古代人の姿をうつした貴重な文化遺産である人面土器。実物は東京国立博物館に所蔵されています。
解説文はおそらく田中博士の報告をもとに女性の姿と断定しているのだと思いますが、本当に女性なのかはわかりません。
またその後研究が進み、現在では、人面土器は再葬墓と呼ばれる弥生時代の墓制に特有の土器であるとされています。
再葬墓とは、遺体を一度白骨化させてから、その骨を壺などにおさめて再び埋葬した墓のこと。
つまり人面土器は骨壺の一種、ということのようです。

また、女方の人面土器は筑波山の方を向いた状態で発見されたそうですが、このモニュメントは駅前通りの方を向いています。
駅を降りると人面土器が迎えてくれる。
これを古代のロマンと思うか、骨壺が迎えるなんて縁起が悪いと捉えるか・・・その人次第といったところでしょうか。


というわけで、興味のある方はぜひ、東京国立博物館で実物をご覧になってください。


■東京国立博物館ホームページの解説
【人面付壺(じんめんつきつぼ)】
茨城県筑西市 女方遺跡出土 高69.5 弥生時代(中期) 前2-前1世紀 J34947 田中國男氏寄贈
弥生時代の東日本地域には、「再葬墓」と呼ばれる墓制が広がっている。これは骨化した人骨を再び壷(壷棺)に収納し、これら数個を2メートル前後の円い穴の中に同時に埋めたものである。これらの壷には稀に口頸部に顔を表現したものもある。本例はその類品中最も精巧なもので,目と口の隈どりは入墨を想起させ、弥生人の風貌をしのばせる。