知野みさき 「江戸は浅草」
以前から注目していた知野さんの作品を漸く読みました![]()
浅草の六軒長屋に住む人達の悲喜こもごもを描いた作品です。
父親から受け継いだ職人の技術と道具を捨て、上方で新しい人生を始めようとしていた
真一郎は、旅立つ前に掏摸にあい途方に暮れる![]()
そんな真一郎を拾ったのは両替商の隠居の久兵衛。
自身が大家をつとめる六軒長屋に住まわせ、ボディーガード兼使いっ走りとして
雇ってくれた。
同じ長屋には、矢場で働きながら面打ちもするお多香、
本職は笛師だがほぼヒモの大介、胡弓弾きで目の悪いお鈴、寡黙な錠前職人の
守蔵が住んでいた。
久兵衛を始め、個性あふれる長屋の面々に振り回され、東奔西走するうちに、
真一郎の新生活は充実したものとなっていく、というお話。
4話収録されていますが、あえてそれぞれのお話については語りません。
なぜなら、この作品、構造が面白くて、あらすじを語るとそれに触れたくなるからです。
漸く一つ事件が解決したと油断すると、実はそうじゃなかったという展開で、
「まだ終わってなかったのか
」と毎度ツッコミを入れておりました(笑)
この本を開いている間、真一郎を始め、長屋の住人達にぐいぐい手を引っ張られ、
早く
早く
と読まされている感じがしていました。
皆個性が強く、行動的だからでしょうかね。
長屋を舞台にした作品って他にもたくさんありますが、大体の場合、
長屋での会話や出来事が多くて、あまりスピード感やキャラが動き回る感じがしないんです。
でもこの作品は違いました。
長屋の中でも人が、事態がバタバタ動く
もちろん長屋の外でも動き回る![]()
その勢いがとても心地よく、楽しく一気に読めました![]()
真一郎が今後出会う出来事、恋の行方が気になります。