晴れた日は数日しかなく、ほとんど霧か雨の毎日で、夜は寒いくらいだった。
あるお宅では昼間から床暖房が入っていた。
今日は珍しく、夕焼けが美しかった。気温は低く、ひと昔の日本の夏のようにお盆を過ぎれば夕涼みができた頃のようだ。
仕事で激しい毎日だ。去年よりも今年の方が確実に忙しい…それも相当に…
2年目だからだろうか、全仕事の6割以上が指名してくださる患者様となっている。それはありがたいことだ。
睡眠時間が4時間と少ないのもその要因と思われ、体力的には限界ギリギリの日が何日あっただろうか…いや、ほとんど毎日が、施術家として、人として試されている気がする。
重い身体を無理やり起こして、昨夜忘れていた洗濯物を洗濯機から取り出し、今日こそは治療院の掃除が終わったら二度寝するぞと心に決めて出発する。にもかかわらず、朝からおじさんの談話室が妙に盛り上がって、結局眠気も吹っ飛んでしまい、そのまま激しい施術業務の連続に突入埋没してしまう。気がついたら深夜2時… 寮に向かってヘトヘトな身体で車を運転する。
今日が何日で何曜日なのか、何時に眠りに落ちたのか覚えてない毎日が走馬灯の如く過ぎ去っていく。
それでも、施術の中身に関してはとても充実している。どの患者様の施術も、全て集中でき、全て全力投球できており、精神的には晴れやかだ。それが唯一の救いかもしれない。
おそらくこのペースが9月、いや10月まで続くのだろう。こうなったらどこまでも施術の中に埋没し、ただただ時の経つのを忘れていよう。その方が、患者様のためにも俺自身の上達にも繋がっていくと思う。