そして、お産のシンポジウムを起こし、産科医療危機を訴えるきっかけを作った奄美群島の1つ、徳之島の助産師、野中涼子さんからのメッセージです。野中さんは4児の母親でもあり、前の出産での出血が多かったため3人目、4人目は島外での出産を経験されています。実は徳之島でも産科医不足は深刻で今年の9月で1人残っていた産科医が島を去ることになり島内でお産ができなくなる危機が迫っています。そんな中、助産師として、また、「親と子の健やかな成長、安心して妊娠・出産・子育てができる街づくり」を目標にNPO法人を作りその代表としてがんばっているパワフルな方です。
私が助産師として勤めていた病院が2008年10月より産科医師派遣中止により休診となり、島内の分娩施設は1ヶ所になりました。
そんな矢先の2009年1月に徳之島の合計特殊出生率が全国で、1.2.3位を占める報道があり、「出生率NO1の子宝の島」だから、考えたいと思いました。
2施設あったから守られてきた島の産声、1施設に係る重圧、これは「出生率NO1の島」がゆらぐ事態。
2009年11月22日「どうする!?徳之島のお産シンポジウム」の開催。
私ができることは、島の産声を守っていくため、他の離島の様子と徳之島の現状を知ってもらうことだと思いました。
開催にあたっては徳之島の女性達へアンケートを行いました。「島内に分娩施設がなくなったら妊娠を躊躇するか?」の問いに7割が躊躇すると答えました。
これは、病院だけの問題ではない、島民も行政も一緒に考えなければならないと訴えました。
そして、このシンポで感じたのは、病院、行政、島民の温度差。島民を不安にさせないように必死で頑張る病院、その病院の実情を知らないで任せておけば大丈夫と思っている行政、そして島民。誰が悪いわけでもなく、責めることでもない。。
それからは、この温度差を埋めるための活動をしています。
4年の時が過ぎ、分娩施設は島内に1箇所ですし、一人しかいない産科の医師も9月末で島を去ることが決まりました。
徳之島のお産の危機は訪れました。
活動してきたのに、産科の危機が訪れてしまったことに、落胆しますが、あの時と違っていること。
病院も、行政も、島民も一丸となって、島のお産をまもらならければ思っている。島を越えて、全国から島をどうにかしたいという方々の 励ましの声と行動。
一人じゃないんだ!!となんの根拠もなく、頑張れる気がしています。一緒に島のお産について考えましょう。