動画の世界ではもう当たり前に使われるLEDライト。
スチルでも活用できるシーンはたくさんあったりします。が、いかんせん種類がたくさんあってわからない!
そこで今日は”スチル用として”に限っての、おおまかなLEDライトの種類や違いを紹介してみます。
【形状の違い】
大きく分けると「パネル型」「スポットライト型」「スティック型」があります。
さらに派生形として「折りたたみ型」や「バルーン型」もあります。
■パネル型
四角だったり円形だったりしますが、フラットなパネル状になっているタイプ。表側はLEDの素子がたくさん並んでいて、その素子のつぶつぶがたくさん見えます。
そのまま使うと粒がまぶしい&お互いに余計な影をつくってしまうため、乳白のディフューザーを組み合わせることが大半で、最初から一体型になっていて取り外せないものもあります。
元々が面で光を当てることに特化しているので、アクセサリーはグリッドやバーンドアなど、余計な方向に光が散るのをカットするアイテムくらいしか設定がありません。
カメラの上に装着できるようなバッテリー式で小型のものと、ライトスタンドに装着するAC駆動のものに分かれます。
■スポットライト型
LED素子が「面配置」ではなく一点に集中配置されていて、ライトスタンドに立ててスタジオストロボや舞台照明のスポットライトのような形で使用できるもの。COBタイプと呼んでいる場合もあります。
灯体そのまま使うのではなく、リフレクターやソフトボックスを組み合わせて使うのを前提としているので、パネル型より光量も強く重いものが多いです。
電源は基本的にAC電源専用です。バッテリー駆動できるオプションがある機種もありますが、かなり大げさな規模になるので機動力には劣ります。
■スティック型
パネル型の変形タイプで、棒状に細長い形状をしたもの。
そのままで柔らかいのにコントラストがあるメインライトに、サブとしてストリップライトのように、たくさん用意して見えるように配置して”光る背景”にしたりと、複数本持っていると結構便利に使えるライトです。多くはバッテリー内蔵で、光量はそこまで強くありません。
■折りたたみ型
こちらもパネル型の変形タイプで、柔らかいシート状になっているもの。
パネル自体を壁やフレームに固定したりも可能で、もちろんディフューザーと組み合わせて普通のパネルライトとして使ったりと様々に活用できます。それなりに光量が稼げるものが多いのでメインライトとして十分に使えます。電源はAC駆動です。
大きな面は欲しいけど機材が大きいのは…という場合にお勧めです。
■バルーン型
スティック型の折りたたみ型…とも言えるタイプで、LED一体型のディフューザーを空気で膨らませて使います。
とにかく軽量コンパクトなのが特徴で、コスプレなど撮影可能イベントがあるとこのライトを持っている人を必ず見かけますね。
バッテリー駆動専用で、それゆえ光量が小さいのが欠点です。あくまで補助的に使うライトと言えます。
【LED素子の違い】
ライトに搭載されるLEDの構成の違いで「デイライト型」「バイカラー型」「フルカラー型」と3種類があります。
■デイライト型
LEDが白色のみのタイプです。最もシンプルで電源スイッチと光量調整しかできません。
その代わり光量を稼ぎやすく価格も安価です。色温度は5600Kあたりを基準にしているものが大半になります。
■バイカラー型
Bi-Color、つまりアンバー(オレンジ)とホワイトの2種類のLED素子を積んでいて、色温度の調整ができるタイプです。
環境に応じた色温度調整ができるので、他の明かりとミックスして使うときにも便利です。
同じ素子面積に2種類のLED素子が並ぶので、光量としてはデイライト型よりやや落ちます。
■フルカラー型
RGB(赤青緑)のLED素子を積んで組み合わせることで、全ての色を再現できるようにしたタイプです。ほとんどの機種がRGBだけでなくホワイトやアンバーなどのLEDも組み合わせて、発光効率を良くするように工夫されています。
ダイヤル1つに1つの機能を割り振るとダイヤルがたくさん必要になってしまうので、多くは「ダイヤル+メニュー画面」の構成でスペース節約をしています。
グリーン/マゼンタの色被り補正もできますし、どんな色でも出せるので演出用として使うことも可能で、最も高機能と言えますがそのぶん価格も上がります。
【演色性の違い】
似たようなサイズ・性能なのに価格が全く違うことがあります。その多くは演色性…つまり発色の良さがダイレクトに影響しています。
カラーメーターで測ったもので比較してみましょう。
■発色の良くないLEDの例
こちらは安価なLEDの場合です。これはほぼオモチャのような機種なのであえて詳細は書きませんが、白色LEDのみで色温度などの表記はありませんでした。
色温度が8600Kとめちゃくちゃ青に寄っています。お話にならないレベルです。
CCiのところが1.3Gとあります。ここはグリーン/マゼンタの色被りを表しています。0.3以上だと判別できると言われているので、1.3Gは相当なグリーン寄りの色被りです。
Raのところが73.6とあります。太陽光が100と言われ100に近いほど良い発色と言われます。73.6はかなり色が濁って見えるレベルです。
色のついたグラフは、どの帯域の光があるかを示したものです。LEDはおおむね「青にピークがあり、オレンジ~赤はほとんど出ていない」傾向なのですが、それにしても青成分だけがずいぶんと飛びぬけていますね。
このLEDライトを使って撮影したら、いくらRAW現像で後処理したところで綺麗な色は出ません。使ってはいけない照明だとわかります。
■まともな撮影用LEDライトの例
こちらはamaran Ace 25cという、Amazonで2万円くらいで購入できる撮影用の小型LEDライトの実測値です。フルカラーモデルなので色温度は5500Kに設定して測りました。
色温度は5506Kでドンピシャですね。非常に優秀です。
CCiは0.1Gです。ほんのわずかにグリーン寄りですが誤差と言えます。
Raは95.8です。LEDライトとしてはこれ以上ないくらい優秀な値です。
下のグラフを見ると、波形の傾向自体は上記のものと変わりませんが、水色やオレンジ部分が相当改善されているのがわかると思います。
amaran Ace 25c
このLED照明が特別素晴らしいのではなく「きちんとした撮影用LEDライトは、最低でもこのくらいの性能を持っている」ものだと思ってください。
メーカーとしては、Aputure(amaranを含む)・NANLITE・Godoxあたりならサポート含めて間違いないでしょう。Phottix・COLBORなども良いでしょう。
このうち筆者が実際にレンタル含めて使ったことがあるのは、Aputure(amaran)・Godox・Phottixのみですが、仕事で使うことを考えると「日本支社がある・または日本に正規の代理店があるブランド」にしておくことは、機材への信頼ひいては仕事への信頼にもつながるのではないでしょうか。




































































