私は公認会計士の他に公認情報システム監査人(以下CISAと略します。)の資格も持っています。

この資格はシステム監査を行っている人の知識や経験、技能を認定するものです。

企業が活動していく上で、ITへの依存は年々高まるばかりで、システムから出てきた数字を会計士は監査をするわけなので、当然システムが大丈夫かどうかについても監査をする必要があります。

別にシステム監査をするために、特に資格がないとやってはいけないということはないのですが、あった方がクライアントの方への信頼は増しているように思います。

私がCISAを取得するきっかけとなったのは、上司からの誘いでした。いずれITが分かる会計士が必要になる時代が来るから、今の内に勉強しといたほうがいいとのことでした。

その上司は休みの日には、システム監査に関する講義をしてくださったり、フィールドに積極的にアサインしてくださり、時には飲みに行ったりしながら、今後の監査の展望について饒舌に語ってらっしゃいました。

こんな風に大変可愛がっていただいた結果としてCISAを取得し、監査チームとIT監査チームとクライアントとを、自分で言うのもなんですがうまいこと連携させていると思っています。

会計士はシステム監査の専門家ではないので、システム監査の監査手続きになるとIT監査チームに全面的に依存することが多いのですが、IT監査チームの方はもともとシステム関係の会社に勤務してらっしゃった方が多いので、財務諸表に関係するシステムの妥当性を検証するのではなく、自分の興味のある分野を掘り下げることも少なくありません。

このような事態を未然に防ぐには、監査チームにもIT監査チームと話せるだけの技量が必要となります。

ここでCISAは役立っていると思います。

今の事務所の上司からはIT監査チームへの異動を促されることもあります。異動すれば年に2万円ほどの登録料も事務所負担になります。

でも、監査チームにいる会計士でシステム監査の知識もあることに意義があると私は思っているので、監査チームからは離れる気はありません。

私をかわいがってくださった上司は、私が事務所を辞める前に脳こうそくで倒れられ、システム監査の現場には出ていないようで、その方の思いを継ぐためにも監査チームに居続けるべきだと思っています。

これは私がひとつのこだわりです。あの上司への恩返しが少しでもできたらと思っています。

自分の名刺のCISAの文字を見るたびに、優しかった上司のことを思い出します。


CISAに関してご興味のある方は下記の本が参考になると思います。


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興味のある方は、一度読んでみるとよいかもしれません。

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