坐骨神経痛(腰痛⑬) | 島川はり灸院(院長ブログ)

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堺市ではり灸院を営んでいます。
各疾患別に治療例を紹介しています。
はり灸の話を中心に日記も書いていきます。

今日は典型的な坐骨神経痛の症例を紹介いたします。

 

(患者) 男性、65歳、土木業者、堺市在住。

(主訴) 長年、腰痛に苦しめられ昨年の初めに腰の手術を受けられる。

      結果、腰の状態にこれといった変化はみられず腰から右臀部、

      左右大腿背面、左右下腿側面に鈍痛、痺れが残る。

      医師からは右側の坐骨神経痛と診断される。

      現在は週1回の仕事ができるかどうかという状態。

(愁訴) 肩こり。

 

(診断) 昨年の8月後半に初来院される。

     腰全体に緊張は診られず左右差は左側が実、右側が虚。

     左右L5~左右S1間外側5、6㎝の部位に圧痛顕著(右>左)。

     左右大腿背面、側面と左右下腿側面に硬結あり。

     身体全体は年齢の割に引締まっておられる。

     四診法の結果、「虚労の腎虚」と診断しました。

 

(治療) 初めの4か月は虚労(老化)の進行を抑えるべく腎経と肺経

     の合穴、経穴と小腸経の兪穴、経穴をメインに使いました。  

     他はお腹や背部にある募穴と兪穴をブレる事なく使用。

     そして、毎回最後に右臀部にある胞膏穴辺りに太めの鍼で

     響かせて終了。

     このような施術を週1、2回ペースで行う事で腰から臀部、下肢

     の鈍痛や痺れの持続時間、強さが大きく減少していきました。

     そして、今年の1月初め頃には仕事での疲労による腰、下肢

     の違和感も翌朝にまで残すことなく回復されていました。

     同時に病理にも変化が診られ「虚労」から「気虚の腎虚」にな

     っていました。

     2月中旬には週5での仕事もこなせるようになられました。

     ただ、よく働かれた日の後半は腰と右臀部、右下肢に違和感

     を覚えるが翌朝には回復される。

     とりあえず2月末で治癒としました。

 

(考察) 今回の患者さんは神経痛に罹りやすい体質だったと思われ

      ます。 そして長年の重労働と年齢的な老化が重なり仕事

     にも支障をきたすほどの辛い腰痛持ちになられたのでしょう。

     現在は、月1回、再発予防の為、継続治療されておられます。

     坐骨神経痛は再発しやすい疾患です。

     何故なら坐骨神経痛を患う原因になった元の生活習慣に戻

     られるからです。

     ですのでなるべく腰に負担をかけない生活習慣と鍼灸などの

     アフターケアの徹底が再発防止ためには必要だと思います。

 

 

 

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