今日は典型的な坐骨神経痛の症例を紹介いたします。
(患者) 男性、65歳、土木業者、堺市在住。
(主訴) 長年、腰痛に苦しめられ昨年の初めに腰の手術を受けられる。
結果、腰の状態にこれといった変化はみられず腰から右臀部、
左右大腿背面、左右下腿側面に鈍痛、痺れが残る。
医師からは右側の坐骨神経痛と診断される。
現在は週1回の仕事ができるかどうかという状態。
(愁訴) 肩こり。
(診断) 昨年の8月後半に初来院される。
腰全体に緊張は診られず左右差は左側が実、右側が虚。
左右L5~左右S1間外側5、6㎝の部位に圧痛顕著(右>左)。
左右大腿背面、側面と左右下腿側面に硬結あり。
身体全体は年齢の割に引締まっておられる。
四診法の結果、「虚労の腎虚」と診断しました。
(治療) 初めの4か月は虚労(老化)の進行を抑えるべく腎経と肺経
の合穴、経穴と小腸経の兪穴、経穴をメインに使いました。
他はお腹や背部にある募穴と兪穴をブレる事なく使用。
そして、毎回最後に右臀部にある胞膏穴辺りに太めの鍼で
響かせて終了。
このような施術を週1、2回ペースで行う事で腰から臀部、下肢
の鈍痛や痺れの持続時間、強さが大きく減少していきました。
そして、今年の1月初め頃には仕事での疲労による腰、下肢
の違和感も翌朝にまで残すことなく回復されていました。
同時に病理にも変化が診られ「虚労」から「気虚の腎虚」にな
っていました。
2月中旬には週5での仕事もこなせるようになられました。
ただ、よく働かれた日の後半は腰と右臀部、右下肢に違和感
を覚えるが翌朝には回復される。
とりあえず2月末で治癒としました。
(考察) 今回の患者さんは神経痛に罹りやすい体質だったと思われ
ます。 そして長年の重労働と年齢的な老化が重なり仕事
にも支障をきたすほどの辛い腰痛持ちになられたのでしょう。
現在は、月1回、再発予防の為、継続治療されておられます。
坐骨神経痛は再発しやすい疾患です。
何故なら坐骨神経痛を患う原因になった元の生活習慣に戻
られるからです。
ですのでなるべく腰に負担をかけない生活習慣と鍼灸などの
アフターケアの徹底が再発防止ためには必要だと思います。
島川はり灸院
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