こんにちは。
今日のテーマは「筋肉の痛みや痺れ」についてです。
そして、今日紹介するのは捻挫や打撲などの外傷性の筋肉の負傷では
なく胃腸の弱りから起こる「筋肉の痛みや痺れ」について述べていこうと
思います。
胃腸が弱るとは胃腸本来の生理的活動が低下し気や血といった人間が
生きていく上で必要な栄養素の産生、または、新陳代謝の働きの低下を
招く事を意味します。
つまり、胃腸の弱りは筋肉を含め各内臓諸器官に栄養を十分に送る事
ができなくなるのです。
筋肉は胃腸で作られた血液によって養われております。
しかし、筋肉が栄養不良に陥り慢性化してくれば軽い負荷がかかるだけ
でも痛みとして現れたり、また、痛めた原因がはっきりせず知らないうち
に数ヶ月も筋肉に痛みや痺れが残っている状態が続いている。
といったような症状をお持ちの方がおられます。
これらは胃腸での血液産生の低下が招く「血虚」と言います。
そこで、前述しました病理状態にならない為の予防方法をお教えいたします。
まず、過度の間食をしない。 精神的、労働的疲労からくる過食を避ける。
ダイエットによる無理な偏食をしない。 汗の出し過ぎに注意する。
上記のものはみな胃腸にダメージを与えます。
汗の出し過ぎについて説明しますと、漢方医学では「汗は血が変化したもの」
と考えています。
また、体内を循環している血は肝の臓に貯蔵されており必要に応じて胃腸
などの各器官に血液を送り届けサポートしています。
しかし、運動した後に身体が冷えてしまうほど汗を出しすぎると肝の臓に蓄え
られている血液が消耗してしまい胃腸に栄養素である血液を十分送れなくな
ってしまいます(肝と胃腸は常に協力し合っています)。
そうなると胃腸から廻らされる血液の筋肉への供給も不十分になり筋肉に
問題をかかえる事に繋がってしまうのです。
慢性的に胃腸に問題を抱えておられる人は何処かしら筋肉にトラブルを持
っておられることが多いです。
ですから、胃腸の弱りからくる「筋肉の痛みや痺れ」への治療は違和感のあ
る筋肉にいくらアプローチしても効果はみられません。
痛みや痺れを誘発している本丸である胃腸に治療を施し改善させていく事
が肝要かと思われます。
最後に今回紹介した「血虚」から起こる疾患群を並べてみます。
緑内障、白内障などの眼科疾患、子宮筋腫や不妊症などの婦人科疾患、
顔面神経麻痺、坐骨神経痛、氷食症(貧血)などです。
「血虚」が原因する疾患はどのようなものでも血液の絶対量が減少してい
ますので病の軽重はありますが、簡単なものではありません。
おわり。
島川はり灸院
http://www.shimakawa-harikyu.com/