タクシードライバーの嘆き

タクシードライバーの嘆き

嘆かない事には心がもたないのです

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今日もなんとか無事帰宅できた。

 

僕の就労するタクシー会社の業務時間は、1乗務につき大体18時間。

これに仕事以外の雑務が加わって大体20時間前後くらい拘束される。

帰る頃にはクッタクタだ。

ゾンビのような様相で帰宅して寝床にダイブして、気付いたら数時間経過している。

そしてまた翌日に出勤する事を考え、憂鬱な気分になりながら一晩過ごす。

辛い。

でも、仕事しない事には生きていけないので仕方がない。ああ辛い。

 

 

 

さて、今回はタクシードライバーに要求される言葉で、これを言われた事のないドライバーはいないのではないかと思われる『あのワード』の話だ。

 

そう、『急ぎで』だ。

これはほぼ全員のドライバーが多かれ少なかれ言われた事があるだろう。

そして、言ってる側も特に問題視してるわけではないワードだと思う。

 

だが言いたい。

『タクシードライバーは客を運んでる時、常に急いでいる』と。

ようは言われるまでも無いし、言われても困るっていう話だ。

客を乗せたらさっさと目的地に運んで次の客を乗せる。

これが稼ぐための基本であるわけで、お客乗せてのんびり走ってても仕方がない。回転率が大事なのだ。

 

とはいえ「私はゆっくり走るドライバーにあたって遅刻するハメになった」という人もいるのだろう。ごくまれに制限速度をがっつり下回る速度でとろとろ走る運転手もいるにはいる。

が、あくまでもそれは稀なケースだ。九分九厘のドライバーはそんなことしない。する利益がないのだから。

 

また『急ぎ』の定義として、制限速度を大きく超えて周囲の車を縫うように走ると考えて発言しているのであれば、これは己を省みてもらいたい。

そんな危ない事するわけないだろう。

仮に『急ぎ』の指示通りに走って事故ったとしても、乗客が責任を負う事はない。「なんて事してんだ」「時間が無駄になった」「首痛い」で終わりだ。全てドライバーが悪くなる。

もちろん危険運転をしたとして、無事到着してもなにか褒賞が出るわけでもない。

つまり一方的なリスクだ。やる理由がない。

 

本気でドライバーを危険運転させつつ急がせたいなら、乗り込んだ時点で先に何万円か握らせて「〇〇(無謀でない目標時間)までに到着できたら追加で1万円」くらい言わないと問題外だ。

実際それをやられたら怖いが。

でも可能性があって実利が大きいなら多分やるだろう。

 

この『急ぎ』、勤め人で使う人は実際は少ない。サラリーマンは概ねの人間が時間に余裕をもって行動するので、多少の交通渋滞は見越して動いているからだ。

ではどのような人種が多く使うのか。

そう、水商売の人達だ。

彼ら彼女らは大多数が時間にルーズだ。

これは偏見であったり、レアケースを切り取ったりしたわけではない。多くの経験からの定説だ。

無線・アプリで呼び出したのに平気で遅れ、鷹揚な動作でどっしりと座席に座りこみ、気だるげに聞き取れるかどうかギリギリの滑舌で言うのだ、「〇〇、急ぎで」と。

急ぐくらいなら遅れるなよ、と内心うんざりしつつも言葉に出さず、我々ドライバーはさも急いでいるような仮初の急加速で誤魔化しながら目的地までなるべく安全に運行するわけである。

 

 

 

今日の駄文はここまで。また仕事明けの仮眠明けに元気があれば何か書き連ねたい。