ミンズは、エヴァンズとシェアしていたパトニーのフラットを出て、フレディと二人でチェルシーの小さなフラットを借りて暮らしていました。

 

フレディが購入したスタッフォード・テラスに引っ越す前の、一時的な住まいのつもりでした。

 

しかしミンズは、後にこの選択を後悔することになります。

 

二人にとって最悪の喧嘩が、このチェルシーのフラットで起きたからです。

 

 

 

ミンズは日本の木版画が大好きだったフレディを、何度かロンドンのオークションハウスに案内していました。

 

ある日、オークションの入札価格をめぐって喧嘩になった二人。

 

ミンズはカタログを床に叩きつけます。

 

カタログはミンズがフレディのために買ったものでしたが、フラットに戻ったフレディは「ミンズがカタログを汚した」と言って大激怒。

 

周りにあるものを手あたり次第に手に取ると、壁やミンズに向かって投げ始めます。

 

ついにはガラス製のろうそく立てでミンズの頭を殴りつけました。

 

騒ぎを聞きつけた隣人が警察に通報し、二人の警官がかけつけます。

 

フレディとミンズの惨状を見た警官は「痴話げんかか?」と、にやにや笑い。

 

結局、ミンズは頭部の傷はフレディによるものではないと主張したため、フレディは罪に問われることはありませんでした。

 

フレディは迎えに来た運転手のデレクと部屋を出て行き、ミンズは頭部の検査と治療のためセント・スティーブンズ病院に向かいました。

 

 

 

この時ミンズは、またすぐにこの病院に担ぎ込まれることになるとは思ってもみませんでした。

 

 

 

ある日。

 

ミンズはフレディから衝撃的な言葉を聞かされます。

 

新しい恋人ができた、と。

 

恋人は、フレディが米国ツアー中に知り合い、ロンドンに連れて来たジョー・ファネリという若いアメリカ人でした。

 

フレディはスタッフォード・テラスにはジョー・ファネリと住むと言います。

 

しかしミンズと別れるつもりはなく、彼には新しいフラットを購入することを提案しました。

 

「二人とも愛せるから」

 

それがフレディの言い分でした。

 

ミンズはショックのあまり薬を大量に飲み自殺を図ります。

 

またもやセント・スティーブンズ病院に搬送されるミンズ。

 

胃の洗浄が行われ何とか一命をとりとめました。

 

ところがミンズの苦しみはこれで終わりではありませんでした。

 

ジム・ビーチから電話があり、フレディとの関係は終わりだと告げられたのです。

 

ジム・ビーチは、ミンズがフレディに対し金銭的な要求はしないこと、マスコミに暴露しないことを約束する文書を送るよう要求してきました。

 

ミンズの気持ちに反してフレディは病院に姿を見せず、病院から車で5分とかからない美容室で髪の手入れをしていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*左からチェリー・ブラウン(ミンズの友人でバーの経営者)、ミンズ、フレディ、ジョー・ファネリ

 

 

 

この写真を見ると、フレディはジョーとの関係を隠して、ミンズにジョーを会わせていたということになるのでしょう。

 

こんな筈では…と言いたそうなジョー・ファネリの表情…驚き

 

ミンズにしてみれば、まさかこの彼がフレディの新しい恋人だったとは…と、二重のショックだったかもしれません。

 

ミンズはこの経緯についてはこれ以上語っていないので、写真からあれこれ想像するしかありません… 泣くうさぎ

 

フレディの笑顔が辛いです… 泣くうさぎ

 

 

 

 

 

 

(「This Was The Real Life:The Tale Of Freddie Mercury」David Evans, David Minns)

 

*画像はネットからお借りしました。