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しじま的評価 ★★★★☆

日渡早紀さんの割と初期の作品だと思うのですが、
超能力ものとして設定もしっかりしていて、
作者が意識したという「映画のような雰囲気」が独特、とても良い作品に仕上がってると思います。

超能力者の存在が認められている社会が舞台。
爆発事件の現場に偶然居合わせたパセリ・モーガンは
「犯人を見た」という言葉を残し、死んでしまう。
その言葉を事件解決への手がかりと見た警察は、彼女のクローンを作成。
クローンに事件についての証言を求めるが、肝心な事はまるで覚えていなかった。
3人のクローンのうちの1人リズが主人公。

超能力者が認められていながらも、あまりその力を歓迎されていない環境で、
その力を持つ事の意味や、クローンである事の悲しみ、
1人の人間として生きようとするリズと、まわりの暖かい人達との交流。

ラストシーンは、ほんと映画の様。
こういうヒューマンドラマ的なSFは大好きです。

日渡早紀さんといえば、「ぼくの地球を守って」ですが、
「記憶鮮明」シリーズという同じ流れにあるんですよね。
最近の日渡作品の原点ともいえるのではないでしょうか。