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樹なつみ特集だあ…
男の子2人が表紙だと、なんだかBLっぽいですね(笑)↑

しじま的評価 ★★★★☆

大和王朝に滅ぼされた古代出雲王朝の英雄スサノオが最後に放った大和への呪詛。
それに呼応した怨念がのたうつ出雲の地で、
布椎家は1700年神剣7本をもっておさえてきたが
50年前に神剣6本までもが盗まれそれも限界。
最後の手段として一度総てを解き放ち昇華させる以外ない。
それには、神剣7本総てが必要になる。
結界が切れ、念があふれ、この日本が、いや世界中が戦乱へと導かれる前に。

布椎一族の当主であり稀代の巫覡(シャーマン)として
念を昇華させるという重責を背負った布椎闇己と
古代、巫覡の神剣を鍛えたという鍛冶師ミカチヒコの末裔、七地健生の
深い絆と友情を軸に、神剣探しと念を悪用しようとする者との戦いを描いたヒロイックホラー。

主人公の少年、闇己の背負った運命ってのが壮絶で痛いです。
一族の当主としての責任を果たそうとしながらも、負の巫覡であるコンプレックスとの戦い、
育ての父への憧れと同時にある罪の意識、
強そうでいて脆く、七地への信頼と依存度の高さ、
姉からの許されざる恋慕と、本当の父、そして母への憎しみ。
様々な苦境を乗り越えて、最後、出雲の地に立った彼は。。。
その辺を思うと泣けますよ~。

とにかく、闇己と七地の深い絆がみどころ。
他キャラクターとしては、闇己はかっこいいので、もちろんモテモテなんだけど
闇己はにぶくて気付く事もなく、女性キャラは報われません。
その中で安柘ちゃんは、結構がんばってたけどね。
男性キャラはいとこの嵩君とか、センジ君あたり、いい味だしてました。
この作家さん、男性キャラの魅せかたはとてもお上手。

途中で、闇己と七地の前世である古代編がはさまれるんだけど、
ラストでうまく結びつきます。
さらにラストシーンですが、これは賛否両論でしょうね。
嵩君と夕香の事を考えると、気の毒としかいいようがない(苦笑)