私がタトゥーをいれた理由
私はタトゥーをいれている。こう聞いて、きっとネガティブなことを思う人はたくさんいると思う。ベルリンに住んでいた頃、友人が「私はタトゥーがあるから、日本へ行っても温泉には入れないの」と言っていた。海外では、学校の先生でもタトゥーがはいっていたりする。その当時は、そうやなぁ、それはしょうがないなぁ程度にしか思わなかった。「他にも楽しいことはたくさんあるから、遊びに来てね」と言った。ベルリンで仲良くなった男の子がいた。彼はゲイで、ドイツ人の恋人がいて、英語もドイツ語もペラペラだからバーで働いていた。オシャレで、話も面白くて。気は強いけれど、友達には優しい。ある時お酒を飲んでいると、いつも自信たっぷりで、弱いところなんて見せない彼が、「もう日本には帰れないなぁ」と、小さな声で言った。ドイツは同性婚が合法だ。だから自分がゲイであることを隠さなくていい。自分が生まれた国に、居心地の良い居場所がない彼を見ると、日本はなんて心が貧しい国だろうと思った。ベルリンの市長もゲイで、自分がゲイであることを隠していない。彼がベルリンについて語った言葉がある。"poor but sexy"ベルリンは貧しいけど、セクシーだ。この場合のセクシーは、”人として魅力がある”みたいなニュアンスだと思う。ベルリンは本当に貧しい。ドイツの大企業の多くはフランクフルトにあるし、同じ国だとは思えないほど、周りの町に比べて物価も安い。だけど暗い顔をしている人は少ないと。彼らは、お金がないなら、公園に行き、一日中寝たり、本を読んでいる。仕事がないけど、時間はある。私たちはお金がないと、遊びに行けないとか、もっと働かないとと思う。そして自分のことを恥ずかしいと思う。日本ではマイノリティは恥ずかしいことだと思ってしまう。LGBTであること、仕事がないこと、貧乏なこと。今の日本では、タトゥーもまだまだマイノリティ。でもそれって恥ずかしくはないはず。堂々と公園で寝転ぶ人を見て、そう思った。他人との違いを受け入れられて、たとえ少数派になっても堂々としていたい。それを忘れたくなくて、私はタトゥーをひとついれた。