私が19歳の時、母は警察にお世話になった。
当時の母は統合失調症のお薬が処方されておらず精神が不安定であったのだ。
団地の隣の部屋の私の同級生の家族をスーパーで付け回したり、殴り込みに行く事が度々あった事もある。
とある夜、突如、殴り込みに行く母を見て
私は母を止めなきゃいけないのは頭では理解していた。
だが
ただただ、その現実が受け止められずに私は辛くて、悲しくて、泣きながら腕を切っていた。
「母を止めなきゃ…」
そう思う反面
唐突な出来事で私の心と身体が追いつかなかったのだ。
丁度、父が帰宅する時間だったので、父が母を連れ戻して、何とか事なきことを得たが、私はずっと泣きながら震えていた。
「私がそうさせたのかも…」
一抹の不安を抱きながら、眠る夜
私はずっと、考えていた。
どうして?私が悪いの?
私が居なくなったら良いの?
そんな負の思考がループしていた。
何で…?どうして…?
その答えは母が死去した後は判らない。
真実は闇の奥底にある。