みなさま、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

ひさしぶりのブログとなりました。

去年は、出不精の私にしては珍しく、全国各地をイベントで飛び回る一年でした。あらためて、昨年の活動をざっくりと振り返ってみたいと思います。



■前半(1月~6月)

去年の年明けは、二冊目の著作となる『左脳過剰の静め方』(かや書房)の執筆で大忙しでした。なんとか書きあげて、2月に無事発売となりました。多くの方に読んでいただき、ありがとうございました!

 

左脳過剰の静め方
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同じく1月には、現代アーティストとして活躍中の池平徹兵さんと知り合って、池平さんに「森の瞑想講座」のレクチャーをさせていただきました。

池平さんは日々、アートを見に来るお客さんに「アートの見方」「アートの感じ方」を伝える方法を模索されていたそうです。それに私の「感覚の感じ方」のレクチャーがとても上手くはまったとのことで、おおいに盛り上がりました。

「アートを見ること」と「森を感じること」が、本質的には同じことなのだとわかり、とても面白かったです。

5月には、私が講師として所属するオンラインサロン「三脳バランス研究所」の研究員さんに呼んでいただき、愛知県豊橋市で「森の瞑想講座」を開催しました。2日間で延べ30名ほどの方にご参加いただきました。

5月はイベントが続き、鎌倉の円覚寺(臨済宗円覚寺派本山)でもイベントを開催しました。


お寺という空間を、森林療法のメソッドを使って深く味わうワークを行い、「普段とはまったく違う感覚でお寺を体験できた」「新しいインスピレーションを得られた」といった声を多くいただきました。

 

円覚寺のイベントでは、脳と意識を探求するオカン「ネドじゅんさん」と僧侶で臨床心理士の「日野ゆいかさん」とのコラボ開催となりました。著名な禅僧の「藤田一照さん」も参加してくださり、たいへん有意義な会になりました。

6月初旬には、瞑想講座の生徒さんに呼んでいただき、出雲で「森の瞑想講座」を2日間開催しました。神話の国である出雲の森はさすがに雰囲気が違っていて、深く静かに身体に染み渡る感覚があり、忘れがたい体験となりました。


■後半(7月~12月)

7月には、出版社ナチュラルスピリット社さま主催のお話会で、非二元スピーカーのゆいかさんと対談をさせていただきました。

各地でイベントを開催しながら、裏では三冊目となる『右脳におまかせ!』(大和出版)の執筆を進め、無事8月に発売となりました。

 

右脳におまかせ
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読んでくださったみなさん、ありがとうございました!

9月には、瞑想講座の生徒さんに呼んでいただき、富士山のふもと・河口湖で「森の瞑想講座」を開催しました。富士山のすぐそばという環境は、空間全体がどっしりとした安定感に満ちていて、とてもやりやすかったです。

11月には、以前から行ってみたいと思っていた瀬戸内海の豊島で「森の瞑想講座」を行いました。島で民宿を営む方に呼んでいただいての開催でした。

 

島という空間は、これまた独特の空気に満ちていて、外界から隔てられていながらも解放感があり、意識も自然と解放されていくようでした。

また、11月には鎌倉の円覚寺にて二回目のイベントとなる『かんじる仏教〜お寺空間を内側で味わう〜』を開催しました。円覚寺ではこれからも定期的にイベントを開催していきたいです。

全国各地での開催に加え、東京近郊でも春に10回、秋に10回、「森の瞑想講座」を開催しました。自分でも驚きなのですが、ありがたいことに、全ての日程で、募集開始日に即満席となりました。

また、定期的にマインドフルネス瞑想のZoom講座も開催しています。全8回の講座を、昨年は4回募集し、100名近くの方に受講いただきました。

今年もすでに、いくつかの地域で「森の瞑想講座」を行う予定が入っています。

実は私は、行ったことのない場所に遠征して、参加者さんに交通や宿泊の案内をしたり、各種サポートをするなどの段取り作業は、あまり得意ではありません。


しかし、毎回有能な方が主催者として名乗りを上げてくださり、完璧な段取りで講座をサポートしてくださっています。たいへんありがたいことです。私一人では、とても全国各地での開催はできなかったでしょう。

現状は、私一人でレクチャーしているため、受けたい方全員を受け入れることができていません。なので、今後はレクチャーできる人を増やして、各地で開催できる流れが生まれたら、面白いだろうなと思っています。

瞑想講座についても、瞑想のスキルをさらに言語化して、よりわかりやすく、より効果を感じられる内容にしていきたいと思っています。

今後、内容がさらに充実してきたら、すでに受講済みの方向けの発展版講座などもできたらいいな、と考えています。

ということで、長くなりましたが、2025年の活動を振り返ってみました。

 

昨年は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

この度、ついにYoutubeを始めました!

 

【森の瞑想家まっすー / マインドフルネス瞑想・森林療法ch】

https://www.youtube.com/@masu_morinomeisou

 

よろしければ、チャンネル登録お願いいたします。

 

 

 

記念すべき第一回目は「森の瞑想講座(森林療法)」のレクチャー動画です。

 

【見れば自分でできる!森林療法(森の瞑想)詳細レクチャー】

https://www.youtube.com/watch?v=paBdgiwu4Kk

 

 

「森の瞑想講座」は、春と秋に開催しているのですが、毎回募集と同時に即満席になってしまい、なかなか受けられない方が多く、申し訳ないと思っております。m(__)m

 

今回は、その講座のレクチャーの様子をそのまま動画にしていますので、これを見ればたぶん自分でできます。

 

(自分でできるので、今後誰も講座に申し込まなくなってしまうかもしれませんが……(笑))

 

 

 

自然を深く感じ、思考を静め、感覚を活性化させ、マインドフルネス状態、右脳意識に入るコツを、詳しく解説しています。

 

ぜひ見てみてください。

 

 

 

※新刊も発売中です

『じぶんでできる 左脳過剰の静め方』(かや書房)
https://ryokusousya.com/sanoukajyouno_sizumekata

 

こんにちは。マインドフルネス瞑想講師の枡田です。


私の2冊目になる書籍が発売されました!

『じぶんでできる 左脳過剰の静め方』(かや書房)
https://ryokusousya.com/sanoukajyouno_sizumekata



左脳右脳の話、森林療法の話に加えて、前作には書いていなかったマインドフルネス瞑想の話もたくさん書いています。

やり方だけでなく、その意味、本質、意識の状態、意識の使い方のコツなど、かなり深いところまで書いています。



マインドフルな意識、右脳優位な意識とはどんなものなのかが、学べると思います。

瞑想のやり方の情報は、世の中にいくらでも出回っていますが、ここまで深く書いてある本はなかなかないと思います。

ぜひ本屋さんに行ったら、探してみてください!

 

 

 

 

目次:

第1章 左脳過剰な現代人は生きづらい

  • 思考(左脳)過剰な私たち
    • 現代人の生きづらさの原因
  • 生きづらさから3日で脱出
    • 奇跡の脳  
    • やり方がわかった!?  
    • 感覚の先にあったものとは
  • 思考過剰が生きづらさを生み出すわけ
    • 思考は悩みを生み出す
    • 思考は不安や後悔をつくり出す
    • 思考は人を縛りつける
    • 思考は感覚を抑え込む
    • 思考過剰から抜け出すために
  • 左脳と右脳——考える私と感じる私
    • 左脳の特徴
    • 右脳の特徴
    • 左脳に偏る現代人

第2章 思考からの解放—マインドフルネス

  • 思考過剰を静める実践的メソッド
    • 感覚を取り戻す二つの方法
  • マインドフルネスの基本
    • マインドフルネスの基本「呼吸瞑想」
  • マインドフルネスの本質を理解する
    • マインドフルとマインドレス
    • 気づく・手放す・感じる——基本3ステップ
    • 二種類の気づき
    • 評価判断しない
    • 100%の集中でなくてもいい
    • 思考と感覚が両方ある場合
    • 今ココの体とつながる
    • 意識にスペースを与える
    • 思考は現実ではないと知る
  • マインドフルネスの様々な瞑想法
    • 体を感じる「ボディスキャン瞑想」
    • 歩きながら気づく「歩行瞑想」
    • 五感瞑想
    • ポストメディテーション——日常の瞑想
    • 瞑想トレーニングの組み立て

第3章 右脳優位な意識に変わる—森林療法

  • 森林療法
    • 森に行くと右脳優位になれる
    • 森林療法にはどんな森がいいのか
    • 内側と外側の連動とは
    • 感覚を受け取る
    • 背中から見る
    • 森の自然を感じる実践ポイント
    • 森と人類の長いつき合い
    • マインドフルネスと森林療法の組み合わせ

第4章 日常に右脳優位な意識を浸透させる

  • 日常の中で右脳を活性化させる
    • ポストメディテーション
    • 日常で自然を探す
    • ゆっくり動く
    • 何もしない時間を持つ
    • 右脳優位な意識を日常に取り入れるコツ
  • 人類が左脳過剰になったわけ
    • 左脳過剰の流れから抜け出す

 

書籍販売開始しました!

『瞑想メソッドで始めるメンタル強化法~もう“左脳”に振り回されない』(大和出版)

 

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皆さんもご存じだと思いますが、「ゴルゴ13」という有名なマンガがあります。

凄腕のスナイパーである「ゴルゴ13」が活躍するマンガです。

ゴルゴ13はとてつもなく強い男で、常に警戒を怠りません。

そのため、自分の背後に人が立つことを、とても嫌がります。背後に立たれると反射的に攻撃してしまう、という設定になっています。



昔その設定を聞いた時は、

「さすがだな~」
「なんかカッコいいなぁ」

と思ってました。



しかし、今になって改めて考えてみると、

「実はゴルゴ13は、メンタルを病んでいるのでは?」

と心配になってしまいました。



なぜそう思うかと言うと、以前、

『身体に閉じ込められたトラウマ:ソマティック・エクスペリエンシングによる最新のトラウマ・ケア』

というトラウマについての本を読んだのです。



この本によると、人は身に危険が迫ると、心拍数が上がり呼吸が早くなり、体が緊張し、戦いに備えた「戦闘モード」になるそうです。

これは「闘争・逃走反応」ともいわれ、身の安全を確保するために、本能的に起こる反応だそうです。

敵と戦うか、ダッシュで逃げるか、いずれかの行動をとるために、体が勝手にそうなるのです。

もし、この「戦闘モード」の時に敵が背後に立つと、激しく反応し、背後の敵を攻撃することになります。

まさにゴルゴ13ですね。



この「戦闘モード」は、本来、危険が去れば解除されるようになっています。

ですから、平和な日常では、「戦闘モード」ではない「日常モード」になります。

「日常モード」では、基本的には他者とコミュニケーションを取り、友好的に接するようになっています。

意味もなく他者を攻撃したりはしません。



ところが、大きな事件や事故に巻き込まれたり、日常的に暴力を受けたり、身の危険を感じる環境で過ごしていると、この「戦闘モード」のスイッチが入りっぱなしになってしまうことがあります。

「戦闘モード」から「日常モード」に戻れなくなってしまうのです。

「日常モード」に戻っても、ちょっとしたことですぐに「戦闘モード」のスイッチが入ってしまいます。



そうなると、日常生活にいろいろと支障が出てきます。

安全な環境にもかかわらず危険だと感じてしまい、敵ではない人を過剰に警戒してしまい、周囲の人たちとまともにコミュニケーションを取れなくなってしまいます。

 

例えば、家の中で家族がちょっと音を立てただけで激しく驚いてしまったり、親しい友人に軽く肩を触られただけで、強い恐怖を感じたりします。

過剰な警戒状態、緊張状態が続くので、肉体的にも精神的にも激しくエネルギーを消耗し、とても苦しいです。

このような状態は、PTSDと呼ばれるそうです。



このことを知って思ったのは、

「ゴルゴ13も、実はPTSDなんじゃないか?」

ということでした。



ゴルゴ13は、敵じゃない人が背後に立っても、過剰に反応して攻撃をしてしまいます。

これは、「戦闘モード」のスイッチが常に入りっぱなしで、切れなくなっているのではないでしょうか?

いままで危険な目に会いすぎて、「戦闘モード」から「日常モード」に戻れなくなってしまったのではないでしょうか?

そんなふうに思えてしまいます。



ゴルゴ13以外にも、漫画や映画の世界には、似たようなキャラクターがよく出て来ます。

警戒心が強く、無口で無表情。

コミュニケーションが下手。

しかし、戦いになるととても強い。




例えば、私は子供の頃、ドラゴンボールが大好きで、特にピッコロやベジータというキャラが大好きでした。

ピッコロやベジータも、ゴルゴほどではないですが、このパターンに当てはまるキャラだと思います。

警戒心が強く、無口で無表情で、コミュニケーションが下手。

そして、戦いになるととても強い。



私は子供の頃、そういうキャラクターが大好きで、憧れていました。

カッコイイ!

あんな男になりたい!



しかし、今考えてみると、彼らは「戦闘モード」に入ったまま、出られなくなってしまった人たちなのではないでしょうか。

彼らは、あまり幸せそうではありません。

いつも寂しそうだし、つらそうだし。

けど、それを我慢して、弱音を吐かないように頑張ってる。

そう見えてしまうのです。



無口で無表情で、コミュニケーション下手で、戦いには強い男。

寂しくても、つらくても、弱音を吐かずに我慢して、黙っている男。

昔は、それがひとつの「男の理想像」とされていた気がします。

それに、みんなが憧れていた気がします。

私も憧れていましたから。



けど、今になって

「それってどうなんだろう?」

と思ってしまうのです。



漫画や映画だけでなく、伝統的な武士道や武道の世界における、侍や武道家の理想像も、よく似ています。

無口で無表情で、コミュニケーション下手で、弱音を吐かない強い男。

そのような生き方って、幸せなんでしょうか?

本人は、本当に好きでその生き方を選んでいるのでしょうか?



フィクションのキャラクターとしてはOKだと思います。

 

無口で強い、渋いキャラクターは好きです。



ただ、それを現実に持ち込んで、それを「理想の男性像」としてしまうのはどうなのでしょうか。

 

常に警戒し、コミュニケーションを取らず、戦いに備える「戦闘モード」は、本来は緊急事態に一時的に発動するモードのはずです。

 

そのモードは、心身にとても強い負荷をかけます。そのモードをずっと続けていると、人はおかしくなってしまいます。緊急事態が終われば、元の「日常モード」に戻るべきなのです。

しかし、ゴルゴ13やベジータのような、男らしい強いキャラは、ずっと「戦闘モード」です。そんな状態は、フィクションの中だけでしか成立しません。

 

それを現実でやってしまうと、本人も、周りの人達も、なかなかに大変です。

 

 

 

世の男性たちに言いたいです。

 

(特に子供のころの私に言いたいです)

 

フィクションに登場する「理想の男性像」をあまり本気にして、目指さない方がいいですよ!

 

友達も減るし、孤独なつらい人生になってしまいますからね!

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私の講座や記事には「左脳・右脳」といった説明がよく出てきます。

そういった話をしていると、

「左脳・右脳論は科学的ではない」
「左脳・右脳論は根拠のないインチキである」


と指摘されることがあります。

その辺りについて、一度私の考えをちゃんとまとめておきたいと思います。



私がお話しする左脳・右脳の話は、基本的にはジル・ボルト・テイラー博士の著書『奇跡の脳』を元にしています。

テイラー博士は、脳科学の分野で博士号を取得し、大学で研究をしていた本物の脳科学者です。

テイラー博士は37才の時、左脳で脳卒中を起こし、左脳の機能に障害を抱えました。

その後、長い治療とリハビリを経て回復し、その時の体験をもとに『奇跡の脳』を書きました。

そこには、左脳・右脳の役割の話や、脳卒中になってどんな体験をしたのかが、詳しく書かれています。



さて、ここで考えてみて欲しいのですが、『奇跡の脳』に書かれたテイラー博士の話は、「科学的」だと言えるのでしょうか?

「脳科学者の書いた本なので科学的なはず」

と思うかもしれませんが、実はそうではないのです。



『奇跡の脳』の内容は、科学的な部分もありますが、テイラー博士の個人的な体験をもとにした話が中心です。

実は「個人的な体験をもとにした話」は、「科学的」とは言えないのです。

つまり、『奇跡の脳』は科学的ではない、と言えます。

ですから、『奇跡の脳』をもとに私が話していることも科学的ではない、と言えます。



そう聞くと、

「え!?科学的でないの? じゃあインチキなの?」

と思うかもしれませんが、そういう訳でもありません。

それを説明するには、まず「科学的とは何か?」という説明が必要になってきます。



■科学的とは何か?■


「科学的である」
「科学的に確かである」
「科学的に証明されている」
「科学的に正しい」

などなど、いろいろな表現はありますが、これらは一体何を意味しているのでしょうか。

「科学的である」と言うためには、どんな条件が必要なのでしょうか?

科学の世界では、ざっくり言うと、


①一人だけの体験ではなく、十分に多くの人を対象に調査して、同じ結果が出ていること

②その内容が論文にまとめられていて、学会に提出されていること

③複数の科学者がその論文を読んで、内容に問題がないと確認できていること

④論文の内容をもとに、複数の科学者が同じ実験を行って、同じ結果になると確認できていること



この条件がクリアできると、「科学的である」と言えます。

なので、「科学的」と簡単に言っても、結構厳しいんです。

(④までクリアできなくても、①②③だけでも「科学的である」と言われることもあります)



さて、この①~④の条件をもとに考えてみると、『奇跡の脳』は、テイラー博士が脳卒中で倒れた時の、個人的な体験をもとに書かれているので、条件①がクリアできていません。

よって、

「テイラー博士の話は科学的ではない」
「枡田の話も科学的ではない」

という指摘は正しいのです。



しかし、だからといって「テイラー博士の話はインチキである」「意味がない」と言えるのかというと、これもまた違います。

世の中には、科学的ではないけれど意味があること、役に立つことはいくらでもあります。

科学的に証明されたメソッドや理論というのは、実はとても少ないです。

例えば、針治療やお灸、整体、ピラティスなど、医師ではない方が行う治療法や健康法は、世の中にはたくさんあります。

これらは科学的なのかと言われると、厳密には科学的ではありません。

しかし、多くの人が効果を得ている、という実績があります。

長い歴史と実績があり、厳密には科学的とは言えないけれど、役に立つメソッドです。



医学以外の分野でも同じことが言えます。

 

本屋の実用書コーナーに行ってみれば分かりますが、そこにある本で「厳密に科学的である」と言い切れる本は、かなり少ないです。

しかし、どれも多くの人の経験や実績から書かれた内容で、意味がない、インチキなもの、というわけではありません。(中にはインチキなものもありますが)

つまり、

「科学的でない = インチキ」 

ではない、ということです。

 

 

 

そもそも、人の心や体について、厳密に科学的に扱うことは、とても難しいのです。

 

人の心や体は、個人個人で状態が違いますし、同じ人でも、日によって条件によって、状態はどんどん変わってしまいます。

 

年齢や性別、人種や職業、家庭環境、生活環境によっても、一人一人の心身の状態は異なります。

 

だから、同じ治療をしても、人によって効果が全然変わってしまうことは、よくあります。同じテーマの研究であっても、調査した国や年代が変われば、全然結果が変わってしまうことも、よくあります。

 

人の心や体は、状態が安定せず、確実性が低く、科学的な扱いが難しいのです。

 

その証拠に、医学や心理学の分野では、常識とされていた学説がひっくり返ることがよくあります。

 

学者や医者によって、言っていることが全然食い違うこともよくあります。

 

 

 

医学や心理学と違って、物理学や数学などの世界では、一度常識となった理論がひっくり返ることは、ほとんどありません。

 

物理学や数学は、扱う対象が物質や数式なので、人の心や体と違って、状態がきっちりと決まっていて、安定しています。だから、研究結果もコロコロ変わったりせず、確実性が高いのです。

 

 

 

別に、医学や心理学が物理学や数学より劣っている、と言いたい訳ではありません。

 

医学や心理学は、扱う対象が人なので、科学的な正確さにおいては限界がある、ということです。

 

世の中では、「科学」というと、物理学も数学も医学も心理学も同じ科学であって、どれも同じように確実なモノだと思われがちです。

 

しかし、それぞれかなり違うのです。

 

物理学や数学と同じように、医学や心理学を確実なモノと見て、妄信してしまうと、足元をすくわれかねません。

 



私は自分が講座で教えている内容を、

「科学的に証明されたメソッドです」

と主張するつもりはありません。


しかし、「自分のメソッドはインチキで役に立たない」とも思ってません。実際に、多くの方に効果を感じていただいており、役に立つメソッドだと思っています。



左脳右脳論で科学的にわかっていること


さて、ここからは左脳と右脳について、もう少し詳しくお話ししてきます。

「左脳右脳論は、近年では科学的に否定されている」

といった発言が、最近ネット上ではよく見られますが、そんなことはありません。

左脳右脳の研究は、血液型性格診断のような、本当に全く科学的根拠がない話とは違って、過去にたくさんの科学者による膨大な研究があるのです。

 

確かに世の中には、インチキな左脳右脳論を語る高額な情報商材などがあり、それは否定されるべきです。

 

しかし、それを否定したいからと言って、いっぱひとからげに、過去の左脳右脳研究を全て否定してしまうのは、やり過ぎでしょう。


現在、科学的に分かっている左脳と右脳の性質については、ざっくりと以下のようなものがあります。



◆言語活動は主に左脳

言葉を話す、聞いて理解する、言葉を使って頭の中で考え事をする、といった処理は、左脳の言語野と言われる領域で行われています。

テイラー博士に限らず、左脳で脳卒中が起こると言語に障害が出ることは、多くの事例があり、広く知られた事実です。


◆右脳の得意な処理

右脳は、広い範囲を見て全体を把握したり、立体的に空間を把握したり、イメージを処理するのが得意です。

図形を使った問題を解かせると、左脳より右脳の方が優れています。

また、音楽のリズムを感じる、言葉のイントネーションを感じる、という処理も得意です。

相手の表情を読み取ることも得意で、非言語なコミュニケーションが得意です。


◆左脳の得意な処理

左脳は、言語や計算、推論、解釈、ストーリー作り、といったことが得意だとされています。



これら左脳右脳の性質は、科学的に認められていることです。

ただ注意点としては、左脳が得意な処理をしている間、左脳だけが動いて右脳が完全に止まっているわけではありません。

逆に、右脳が得意な処理をしている間、右脳だけが動いて左脳が完全に止まっているわけではありません。

例えば、言語を使っている時は、左脳がメインで言語を処理しながら、右脳も同時に動いています。

また、右脳はイメージや音や表情の処理が得意ですが、左脳がそれを全くできないというわけではありません。「右脳の方が得意」ということです。



奇跡の脳の主張


これら内容を元に、テイラー博士の『奇跡の脳』の内容が、科学的に正しいのかを検討してみたいと思います。

テイラー博士の話をざっくりまとめると、以下のようになります。



1. 左脳の脳卒中で頭の中のおしゃべりが止まった

人は、他人と話していない時でも、頭の中で言葉を使って考え事をしています。

テイラー博士が脳卒中になった時、言葉を使った考え事が止まり、頭の中がシーンと静まりかえったそうです。

それはとても心地よい静けさだったそうです。


2. 時間が消えた

時間の流れをまったく認識できなくなり、完全に「今ココ」にいる状態になりました。

時間が消えると、何かに急かされることがなくなり、とてもゆったりと穏やかな気持ちになったそうです。


3. 世界と一つになった

自分と外の世界を区別できなくなりました。

自分と世界を分ける境界線が消えてしまい、自分と世界が流体のように混ざり合い、一つになっていると感じました。

それは素晴らしい解放感だったそうです。


4. 右脳マインドと左脳マインド

一人の人間の中に「右脳マインド」と「左脳マインド」という異なった個性を持つ意識があるそうです。

右脳マインドは、

・感覚的である
・「今ココ」にいる
・過去や未来、時間の流れを意識しない
・言葉による思考をしない
・モノゴトを細かく分けず、全てが一つだと感じている

左脳マインドは、

・論理的である
・過去や未来について考える
・時間の流れの中にいる
・言葉による思考をしている
・アレとコレは違う、というようにモノゴトを細かく分ける

現代人の多くは、「左脳マインド」が主導権を握っているそうです。

「右脳マインド」を活性化するには、

・「今ココ」に意識を向けること
・感覚を感じること
・自分の思考や感情を観察すること

が有効だそうです。



これらの話は、テイラー博士の個人的体験から出てきた話ですので、科学的だとは言えません。

ただ、これらにどのくらいの科学的妥当性があるのかを、検討してみることはできます。



奇跡の脳の妥当性

1.頭の中のおしゃべりが止まった

この体験は、ほぼ正しいでしょう。

言語を扱う機能が左脳にあるというのは、科学的に広く認められています。

そして、それが止まれば、言葉を使った思考ができなくなるというのは、妥当な結果だと思います。


2.時間が消えた

この現象については、ハッキリとそれを裏付ける科学的研究は、ちょっと見つけられませんでした。

ただ、左脳が推論や解釈をしたり、ストーリー作ったりするのが得意だということは、科学的に認められています。

そこから、左脳と時間の関係について、検討してみようと思います。



何かを「推論」する場合、過去の事例から未来を予測する、という処理が必要になります。

「ストーリーを作る」場合も、時間の流れを意識する必要があります。

時間の流れがないストーリーというものは、普通は考えられません。

ストーリーは過去から未来に流れる時間の中で、展開していくからです。

そして、何か出来事などを解釈する場合、出来事の前後関係、どっちが先でどっちが後か、といった順序を処理することが多いです。

つまり、左脳が得意な推論、ストーリ作り、解釈などをする場合、同時に時間や前後関係についての処理も必要になってきます。

そこから、時間を処理する能力は、左脳と深く関わっているのではないか、と推測できます。

つまり、「左脳が止まると時間が消える」という話は、科学的には証明されていませんが、話としては辻褄が合っている、と私は思います。


3. 世界と一つになった

これに関しては、テイラー博士の個人的体験以外にも、それを裏付ける研究結果があります。

脳科学者のアンドリュー・ニューバーグ博士とユージーン・ダギリ博士が、チベット仏教の瞑想熟練者8人に対して、深い瞑想状態に入った時に、脳がどのような働きをしているかを調べた研究があります。

その研究では、瞑想中の脳の働きを、SPECTという装置を使ってモニタリングしました。

その結果、瞑想者が深い瞑想状態に入った時、左脳の頭頂葉の働きが低下していることがわかりました。

そして、瞑想者はその時「自分と世界が一つになった」という体験をしていました。

頭頂葉には、自分の体の形や、自分の空間的な位置を把握する機能があることが知られています。

深い瞑想状態では、その頭頂葉の機能が低下します。

 

すると、自分の体の形や、自分の位置がわからなくなり、それが「世界と一つになっている」という体験を引き起こすのだろう。

 

ニューバーグ博士とダギリ博士は、そのように結論付けました。

この実験結果は、テイラー博士の体験と辻褄があっています。

この研究内容が、広く脳科学の世界で認められているかどうかはちょっと不明です。

しかし、少なくともテイラー博士の個人的な体験だけではなく、他の脳科学者の研究において、近い現象が確認されていますので、ある程度の確からしさがあると考えられます。



4. 右脳マインドと左脳マインド

一人の人間の中に「右脳マインド」「左脳マインド」2つの意識がある、という考え方は、昔は賛同する脳科学者もいたのですが、最近ではこういう表現は、科学者には好まれません。

なぜかというと、脳の働きを測定するとわかるのですが、通常は左脳と右脳は両方働いているからです。

何かをした時に左脳だけが働いて右脳は止まってしまう、逆に何かをした時に右脳だけが働いて左脳は止まってしまう、ということは起こりません。

これは、人間の脳は同時にいろいろな処理をやっていて、どちらか一方の脳だけを単独で使うことはできないからです。



例えば、言語を処理している時に、脳はそれだけをやっているかというと、そうではありません。

左脳が言語を処理しながら、同時に右脳が言葉のリズムやイントネーションを処理したり、周りの空間を認識したりしています。

そのため、通常はどちらか片方の脳だけを使うということはできません。

「右脳マインド」「左脳マインド」と表現してしまうと、どちらか一方の脳だけが働いているという誤解を与えやすいため、科学者はこういった表現を好みません。

科学者は正確性を重んじるからです。



しかし、テイラー博士も、左脳と右脳はいつも両方動いており、連携して活動しているということはわかっています。そのことは『奇跡の脳』にも書かれています。

テイラー博士の言う「左脳マインド」「右脳マインド」という表現は、別にどちらか一方の脳だけが働いている、というわけではなく、右脳の得意な働きが多い状態、左脳の得意な働きが多い状態、という意味でしょう。

今ココにいて、感覚を感じていて、言葉による思考が少ない状態、それが右脳マインド。

過去や未来を考え、言葉による思考が多く、感覚があまり感じられていない状態、それが左脳マインド。

そう便宜的に呼んでいるのだと思います。

「どちらか一方の脳だけが動いている」と主張しているわけではありません。




この「右脳マインド」「左脳マインド」は、マインドフルネスでよくいう「マインドフルな意識」「マインドレスな意識」にとても近いです。

マインドフルネスでは、今ココにいて、思考が少なく、感覚に気づいている状態を「マインドフル」、過去や未来や思考の世界に意識が飛んでいて、感覚に気づいていない状態を「マインドレス」と言います。

これは、テイラー博士の言う「右脳マインド」「左脳マインド」とほぼ同じです。

ですから、マインドフルネスの熟練者は、右脳左脳について知らなくても、テイラー博士の「右脳マインド」「左脳マインド」の話を聞けば、なんのことだかわかると思います。



まとめると、

「右脳マインド」「左脳マインド」という言葉は、脳科学的な言葉ではありません。正確さを重んじる科学者から見ると、好ましくない表現だというのはわかります。

しかし、人の意識状態として、

 

・今ココにいて、思考が少ない状態
・今ココにおらず、思考が多い状態

という異なる状態があることは、マインドフルネスの経験や、日常の経験からも、感覚的に十分理解できます。

それぞれの状態が「右脳の特徴」と「左脳の特徴」に、上手く対応しているのもわかります。

なので、片方の脳だけが動いているのではない、と理解した上で、「右脳マインド」「左脳マインド」という表現を使うことは、それほどおかしくないのではないか、と私は思います。



もう一度全体的にまとめると、テイラー博士の話は「科学的に証明された」とは言えません。テイラー博士個人の体験と、脳科学者としての知見を元に、導き出された独自の理論です。

 

しかし、過去の科学的な研究と大きく矛盾はしておらず、話の辻褄も合っていて充分に信用できるし、多くの人に有用な話だと、私は感じています。

ですから、私はその内容を参考に、いろいろとお話しをさせていただいています。



信用できないメソッドもある
 

確かに、世の中には「左脳右脳論」を語って、さも科学的であるように見せかけるインチキなメソッドはたくさんあります。

例えば、右脳を鍛えれば誰でも一瞬で本を丸暗記できるとか、右脳を鍛えれば誰でも天才になれるとか。

そのような怪しくて、かつ高額なメソッドは、信用しない方がいいと思います。

あとは、「腕を組んだときの組み方で、右脳タイプか左脳タイプかわかる」とか、簡単なテストをするだけで脳タイプが診断できる、といった右脳左脳診断テストをよく見かけますが、あれも根拠はないようです。

そういう事例があるから、左脳右脳論はインチキだ、と叩かれるのだと思います。



お金を出してなにか講座を受講する場合は、「科学的なメソッドです」と言われたとしても、それを鵜呑みにせず、自分で調べて試してみて、信用できそうかどうかを、自分で確認した方がよいと思います。

医者が勧めていようが、大学教授が勧めていようが、有名タレントが勧めていようが、それが自分にとって納得できるものなのか、効果があるものなのかは、自分で確かめるしかないと思います。



くれぐれも、「脳科学にもとづく科学的メソッドです!」「右脳を鍛えることで〇〇ができます!」と言われたからと言って、すぐに飛びついて高額を払わない方がよいでしょう。

私の講座についても同じことが言えます。

私の講座は、マインドフルネスや森林療法をベースにしていますので、受講する前にそれらを少し調べて、自分に合うかどうか検討してみるのもいいでしょう。

また、私がブログやSNSで無料で公開している情報を見て、信用できそうかどうか、確認していただいてもいいと思います。
 



科学は絶対ではない


長くなってしまいましたが、最後に「科学は絶対ではない」ということを、お伝えしておこうと思います。

「科学的でないものは意味がない」という考え方は、少しもったいないと思います。

科学的でなくても役に立つことは、世の中にたくさんあります。



例えば、私は20代の頃、腰痛と肩こりがひどくて、整形外科に行ったのですが、まったく治りませんでした。

整形外科は科学的な視点で治療をしますが、それでは効果がありませんでした。

なので、整形外科ではなく、整体やピラティスなどに取り組み、結果的に腰痛と肩こりは改善しました。

整体やピラティスは、西洋医学の視点から見ると科学的ではありませんが、効果がありました。



これは、整体やピラティスが優れていて、整形外科が劣っているというわけではありません。

逆に、重いヘルニアになった場合などは、整体に行ってもピラティスに行ってもたぶん治療できないでしょう。

ヘルニアの手術は、整体師さんやピラティスの先生にはできないからです。

それぞれ得意分野が違うのです。

科学的なものとそうでないもの、それぞれの特徴を理解し、それぞれの限界を理解した上で、適した場面で使っていくこと。

 

それが、最も科学を有効に活用できるスタンスだと、私は思います。

 

 

 

※脳科学的な左脳右脳論についてもっと知りたい方は、脳科学の世界的権威であるマイケル・S・ガザニガ博士のこちらの著作がおススメです↓

〈わたし〉はどこにあるのか~ガザニガ脳科学講義