1月27日発売、1月29日に手に入れて聴いたが、期待を裏切らない出来に感嘆。
その後、今日まで聴き続け、飽きるどころか、聴く度に新たな発見があり、感動が深まる。
最初に聴いた時は100%だったのが、今では150%ぐらいになっている。

Delphic(デルフィック)は、2008年に英国音楽のコアを形成する街・マンチェスターにて、3人の若者により結成された。2009年4月に発表されたデビュー曲「Counterpoint」が、各種メディアに衝撃を与え、大注目された。
そして、満を持してリリースされたのが、このデビューアルバム「Acolyte(アコライト)」である。

これは、大げさでも何でもなく、2010年代音楽シーンの始まりを高らかに告げるファンファーレだと思う。
マンチェスターのバンドの系譜でもあるが、
1980年代は、メンバーの自殺という「陰鬱」をポップに昇華させたニュー・オーダーの「Blue Monday」から始まった。
1990年代は、「揺ぎなき肯定」を打ち出したストーン・ローゼズの1stが進軍ラッパを吹いた。

そして、時は経ち、2010年のファンファーレは、「沈滞」にまばゆい光を注ぎ込む。

このアルバムの、田中宗一郎氏の手になるライナーノーツによると、メンバーの一人、リチャード・ボードマンは、こんなことを言っているという。
「音楽にユーフォリアを取り戻したいね」
ユーフォリアは「多幸感」と訳すべきか。
「退屈で、平凡なものの中に、大きな白い光、ホワイト・ライトみたいな鮮やかな色を投げ込むことで、僕らはいろんなものを根底から変えたいんだ」

まさに「ホワイト・ライト」のようなキラキラとしたシンセサイザーの音に包まれながら、確信的なドラム・ビートと、エッジのきいたギターサウンドが鳴り響く。
そして、英国音楽の伝統を継承するようなエモーショナルなボーカル。

初期ニューウェーブ、ハウス、エレクトリックとロックの「融合」と称され、ニュー・オーダー、ケミカル・ブラザーズ、レディオヘッドなどの名前が引き合いに出される。
しかし、彼らの音楽は、単なる「融合」以上のものであり、名前が挙がるアーティストたちの、どの要素も含んでいるが、どれにも似ていない。
私は、ふと、「中期以降のデュラン・デュラン」を思い出したりもしたが。

インディーロック、エレクトロニクスの歴史を追って、その要素をすべて取り入れながら、「時代の音」というべき音楽を地に足をつけてしっかりと奏でている。

唯一の心配は、ストーン・ローゼズのようにバンドが短命に終わってしまうこと。デビューアルバムのインパクトがあまりに大きいと、次の展開が難しくなる。今は期待するしかないのだが。

彼らの放つ「光」は、我々の立つ足元をしっかりと照らしてくれる。
ここを踏みしめていくしかないのだ。前を向いて。

衝撃のデビュー曲「Counterpoint」


2ndシングル「This Momentary」。映像センスもいい。



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この前のエントリーで予告した通り、1月30日、「ohashiTrio concert 2010 "I Got Rhythm?"」ツアー2公演めの東京・九段会館大ホールのライブに行ってきた。

ところで、MCで大橋トリオが「Twitterで“大橋トリオ”を検索して見てみた」という話をしていたのだが、ということは、前回のエントリー、本人の目に触れている可能性、なくもないね。
このブログのフィードは、Twitterの私のアカウント(@shi_kawa)に流れているので。
ま、いいんだけども。

ちなみに、MCで言っていたのは、Twitterのつぶやきで、「“大橋トリオ!!”と心の中で叫んだら金縛りが解けた」という、とんでもないもの(笑)。
大橋トリオのTwitterアカウントはないんじゃないかな。もし見つけた人がいたらフォローしたいので教えてください。

で、前回の大阪公演について、やや苦言を呈するとともに、東京公演に対する期待を書いたのだが、結論から言うと「かなりベター」な印象。
ボーカルが最初の方は、まだ上ずっていたものの、求心力は復活していたように見えた。
おそらく、次のホールでは「ベスト」に近いパフォーマンスが見られるのではないだろうか。

といっても、今回の席は3階の後ろから2列目。前回は1階の前の方だったので、単純に比較はできないのだが。
やはり、遠い、遠い。九段会館は奥行がなく、縦に急勾配で高いホール。上から見下ろすような感じだった。

舞台を俯瞰することのできる席だったせいか、上質な演劇か映画を見るような感覚が少しあった。

前回、「ホールに慣れていない」というようなことを書いたのだが、今回、MCで、「次はどこかな? たぶんキネマ倶楽部(去年使った東京のライブハウス)には戻れないと思う」というようなことを言っていた。
キャパの関係ということだが、そう、「もう戻れない」のだ。


以下、ネタばれ注意。

2曲目の「Here to Stay」あたりから、演奏がノッてきたように思う。

基本的にこの人のライブは、たんたんと曲をこなし、途中、妙な間のあるMCが挟まるのみなのだが、演奏にいい意味の緊張感があり、ダレることがない。
ギターその他担当の椎谷氏の、すべり気味のMCも味がある。大阪とは微妙にネタを変えてきた。さすが。(ただ、ダジャレはいつものようにスベった)

アンコール2曲目(バンド形式では最終曲)の「Happy Trail」で事件が。
曲がワンコーラス終わったところあたりだったろうか、いきなり、音が半分になり、大橋トリオに当たっていた照明が落ちた。たぶん、電源の1回路が落ちたのだろう。

本人はちょっと困った顔をしたが、演奏続行。ちょうど、サビを歌ってくれるように客席に振るところだったので、ちょうどよかったのかもしれない。

しかし、個人的には、不完全な演奏を聞かせるよりも、一度止めて、完全な状態になってからやり直すべきだったと思う。ラス前の盛り上がる大事な曲だしね。

アンコール最終曲は、大橋トリオ一人だけステージに残り、ピアノ弾き語りでの「Lady」。
大阪同様、「この曲は、ライブで最後に演奏しようと思いながら作った」というMCが入る。

大阪でもそうだったが、この曲での彼の声の伸びが素晴らしい。ミュージシャンとしての実力を再確認する。

他のメンバーがはけて、一人だけピアノに向かう大橋トリオにスポットライトが当たる絵は、映画のワンシーンのように美しかった。
酒場での演奏が終わり、客もバンドメンバーも帰って、がらんとした店に、一人だけ残って戯れにピアノを弾いているような感じ。そこには物語が感じられた。

次回の東京公演は、3/10の赤坂ブリッツだが、残念ながらその日は行けない。次のツアーまでに、どれだけ遠くに羽ばたいているか、楽しみだ。





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1月26日「ohashiTrio concert 2010 "I Got Rhythm?"」ツアー初日、大阪・サンケイホールブリーゼに、東京から参戦。

大橋トリオのライブは私は2回目。前回も大阪で、去年の7月、心斎橋クラブクアトロで観た。

大橋トリオにとっては、初めてのホールツアーだそうで、初日の大阪は、大橋好規にとって初のホールでのワンマンということになる。

正直な感想を言うと「前回の方がよかった」。

何だろう、やはり慣れないホールという空間を自分のものに仕切れていないような気がした。オーディエンスとの間に、うすい壁のようなものがあるみたいな、ぎこちない雰囲気。
音楽の求心力にやや欠けていた。前回のような、音楽に包み込まれるような感覚が残念ながら今回はなかった。

全否定はしない。
緊張からか、やや声がうわずっていたものの、素晴らしく切なく、美しく、かつ“腰にくる”見事なジャズビートにのせて、次々と楽曲を披露してくれた。名曲“a bird”では、(いつものことだが)少し目が潤んだ。

ライブ前、大橋トリオのような音楽は、スタンディングのライブハウスよりも、座ってじっくり聴けるホールの方が向いていると思っていた。
が、実際は逆のようだ。

彼の音楽は、どちらかというと“パーティーミュージック”だと思う。コンサートのような静かな空間よりも、少しガヤガヤしたキャバレーやナイトクラブの方が似合う。ざわめきの中に一筋の光が差し込むように、美しい旋律が溶け込む、そんな感じだと思う。

しかし、ミュージシャンとして、同じところにとどまっているわけにはいかないだろう。
今回のホールツアーは、彼にとって一つの「チャレンジ」だということを、終演後、悟った。

なんせ、初めてのホールでのワンマンである。
「a bird」にかけるわけではないが、巣の上空を飛んでいた鳥は、大空へ向かって羽ばたかなくてはならないのだ。

あくまで印象だが、アンコールぐらいから、大橋トリオは、ホールの空間を掴んできているような気がした。

次の1月30日の九段会館では、恐らく再び「音楽の魔法」で我々を包んでくれることだろう。
shikawaも参戦予定なので、再びここでリポートする。

その前に「Happy Trail」の歌詞覚えとかなくちゃ。

TV出演時の動画。



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