静かな夜に -3ページ目

太陽のような君と薔薇のトゲ 21

素人が書いた妄想小説です

嵐のにのあい  非リアル設定です

BLチョロッとだけ





それからニノは、血が必要になると
松潤じゃなく俺から血を貰うようになった…
俺としては嬉しい限り
やっとニノを俺だけのものに出来たような
安心感…
  
前に松潤がニノは極力人の血を
吸いたくないみたいだと言っていたけど
そんなことはなくて、
ニノといい雰囲気になるとそれが顕著に現れる
…例えば少し深いキスをしたあととか、
ニノの気持ちイイ所に触れている時とか、
二人して興奮している時とかね…



少しだけニノの瞳が黄色く帯びてくると
決まって首筋や指先に唇を寄せてくる
俺が「いいよ」と言うとそこに咬みついて
一生懸命に舌を這わせて血を舐めるニノを
俺も興奮しながら受けいれる

そんな行為をずっと………
俺とニノは繰り返してきた…




段々と年を重ね、身体を重ねる事が
少なくなってきても、
ニノに血を分け与えるということだけは
あの時からずっと続けてきた……

……そして、これからもその役目は
俺だけでありたいと思っていたけど

…それは無理なんだと……
日に日に思う事が多くなってきた……



俺とマサ…
かつて二人して同じ質問をニノにしたね…

『吸血鬼に咬まれたら、その咬まれた人も
吸血鬼になったりしないのか』


その時だって、勿論この先も
ニノと一緒にいたいからという想いは
あったけど、
だけど今はもっと……もっと切実に思うよ
『なんで吸血鬼に咬まれても、
同じように吸血鬼になれないんだ』
あんなに数え切れない程、ニノに咬み付かれて
血を分け与えたのに……
ちょっとぐらい俺もニノと同じ
吸血鬼になれたら、良かったのに…

そうしたら、
これから先もずっと一緒にいられたのにね……

きっとマサも……
同じ事を思って聞いたんだろ…?




「…相葉さん……っ……」
目の前で瞳に涙をいっぱい溜めながら
俺の手を握っているニノは
高校生の頃から全然変わっていない……

俺達が恋人同士ということは
変わっていないのに、
周りからの呼び名がいつからか
兄弟、親子、おじいちゃんとお孫さんに
変わっていったのは面白かったね…
ニノはそう言われる度に複雑な顔してたけど…
俺は呼ばれ方なんてどうでもよくて、
ただ一緒に居られたことが嬉しかったんだよ


……今でも松潤とは連絡取ってるんだろ…?
俺からも連絡しておいたから、
心配しないでね…

時々はニノの様子をみてやってって、

これからの事、
ちゃんと松潤に頼んであるから…

これからは……松潤に甘えるんだよ……



あぁ……でも…やっぱり…心配だな…
一緒に暮らし始めてからわかったけど
ニノは一人が好きだけど
独りきりは苦手だったね…

「………ニノ……しばらく……さみ…しい思い…
…させちゃう………ごめんね…………」
最期に伝えたかった言葉


あぁ……もう……
そんなに泣かないでよ…

ニノの笑顔が見たい……
俺の好きな……あの笑顔……

ねぇ……お願い……

最後に………



笑っ……て……










太陽のような君と薔薇のトゲ 20

素人が書いた妄想小説です

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「………ニノ……俺は…マサ…じゃないよ……」

やっと…ニノとキスが出来る関係に
なれたというのに、
こんなにも胸が痛いキスはなんなんだろう……
ニノが俺の方をみてくれればくれるほど…
……その後ろにマサの影を感じてしまう……

「…相葉さん……」
ニノはそんな俺の頬にもう一度手を伸ばして
知らない内に流れていた涙を拭いながら
「…ごめんね…言葉が足りなかったね…」と
微笑む

「…確かに…初めて相葉さんを見た時は…
マサと顔がそっくりで…びっくりした。
それがきっかけで相葉さんの事が
気になり始めたんだよ…」
「初めて見た時……?」
そう聞くと、ニノは少しハニカミながら、
入学式の時と答えた……

入学式…
そういえば、式が終わって体育館を出る時
ちらっとニノと目が合った気がする
勿論、横には松潤がいて、二人して
独特な雰囲気を纏って目立っていたんだった……

「それからね……廊下ですれ違ったり、
相葉さんが校庭で体育の授業の時には
こっそり眺めたりしてた……
……でも…体育祭の時にさ…」
俺が保健室のカーテンを無断で開けて、
そこのベッドにニノと松潤が二人でいるのを
見た時か……
確かその時も松潤から血を貰ってたって
いってた…

「あの保健室で、初めて相葉さんの声を
間近に聞いた時…顔だけじゃなくて、
声もそっくりだった…
マサの事を思い出して嬉しくなったのと、
でもまさか生まれ変わりとかじゃないよね…と
疑う気持ちもあって潤くんに相談したんだ…
そしたら、もっと近づいてみればいいって……
次の日から潤くんが相葉さんに
声かけるようになって……」
松潤が次の日からいきなり
声をかけてくるようになったのは、
そんな理由があったのか……あれっ?
「…でも…その時…ニノは俺の事……
すっごい睨んできてたじゃん……」

いつも松潤が声をかけてくる後ろからニノが
睨んでくるから、てっきり二人は付き合ってて、
俺にヤキモチ妬いてるんだと思ってた……

「……近くで見れば見るほど
マサに似てるなぁって…
でも他人の空似かなぁってその時は
悩んでたんだ…
……決定打となったのは相葉さんの血を
初めて口にした時……
そこでマサの生まれ変わりだって
確信を持った……」
そのあと、今度は意識し過ぎて
相葉さんをみられなくなっちゃった……って
教えてくれたけど……


あぁ……やっぱり……
どうしても
ニノは俺を素通りしてマサを見ている気がする…

明らかに気分が下がった俺を察したのか
ニノはまっすぐに俺の目を見ながら
ゆっくり言葉を続けた…
「…最初は…マサに似てるから気になった…
マサの生まれ変わりだと知って嬉しくなった……
………でもね……一緒にいることで、
相葉さんらしさに……惹かれていったんだよ……」
「…俺らしさ……?」
「そう…相葉さんが持ってるもの……」

……そんな大層なもの…
俺は持ってないよ……?

「優しいかと思えば強引だし、
思った事は顔に出るから、何を考えてるか
すぐにわかる…
お人好し過ぎて心配になるぐらいだし、
意外とせっかち………」
「ねぇ……それ……褒めてない……」
ニノが言ってくれていることは
全部が子供っぽい俺の性格で、
そんなんじゃ到底マサより秀でている所が
あるとは思えない……

なのに、ニノはクスッと微笑んで
「全部…相葉さんの…魅力的な所だよ」と
耳元で囁いた

もう一度、ニノと瞳が合う
今度はどちらからともなく唇を合わせた
さっきのような胸が痛いキスじゃなくて
胸がほんのり暖かくなるような……

そんなキス………




もうそこに………
マサの影は感じなかった






太陽のような君と薔薇のトゲ 19

素人が書いた妄想小説です

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マサとニノの話を聞き、俺なんかじゃ
到底マサには敵わないと項垂れていると
ニノは口を開いた…

「……相葉さん……貴方の血は…
マサと……同じ味がするんだよ……」
「…えっ?……え?………」
その声に顔をあげると
ニノは涙をいっぱいにした目で微笑んでいた

「えっ……と……?どういう意味……?」

……さっきまでのニノの話………
ニノとマサとのまるで映画のような
壮大なラブストーリーだと思って聞いていて、
二人の絆とか……マサを羨ましいとか
そんな気持ちで第三者で見ていたら、
いきなり自分もその映画の中に
当事者となってぶち込まれたような感覚……

「相葉さんの、その瞳も声も……
その大きな手も……マサと同じ……」


ニノが嬉しそうに言うんだけど……


ねぇ…ニノ…

俺は…マサじゃ…ないよ………



もしかしたら、生まれ変わりとかね…
今までマサを見てきたニノが言うならきっと
そうなのかもしれない………
でも、俺はマサじゃない…

もし、本当にマサの生まれ変わりだとして、
マサの時の記憶でも残っていれば
また違うのかもしれないけど……
そんな記憶は持っていない

ねぇ……ニノ………
その嬉しそうに微笑むのは、
俺…『相葉雅紀』を見てるんじゃなくて
『マサ』に会えて嬉しいからだよね…?

それは『俺』を見ているわけじゃ…

ない…よね……



微笑む顔は物凄く可愛く見えて
それが俺に向けられている事に
心が弾むハズなのに…
こんな表情を見たいといつも
願っていたのがやっと叶ったのに……

……今はニノのその表情を見るのが
こんなにも辛いなんて……


「…あっ…でもね…マサと相葉さんの
決定的に違う所…」

そのセリフもマサとの間違い探しを
してるみたいで、なんだかニノの話も素直に

聞けない……


「マサは全クラス対抗リレーで走るほど、
元気じゃなかったし、
無理矢理自分の手のひら切って
血を分け与えるような強引なことはしない…」
そう言いながら、ニノがゆっくりと
近づいてくる

「マサは一緒に死のうと言ってくれたけど、
相葉さんは一緒に生きようと言ってくれた…
俺は…その言葉が何よりも嬉しかったんだ……」

ニノが俺の両頬を優しく包んだかと思うと
そのまま唇が重なった……

そのキスは、熱くてちょっと震えてて
…ニノからしてくれたというその事実だけで、
俺の心は跳び上がるように嬉しい……

……だけど……



ゆっくりと唇が離れ…
俺を見つめているニノ……


ねぇ…ニノ……

今…その瞳に映っているのは……


………どっち………?