ケンとの出会いは、4年前の春のことだったね。


私はあなたと出会ってたくさんの笑顔をもらったよ。


たくさんの光を知ったよ。


ケン、あなたは今、どう生きてるのかな?


幸せに笑っていますか?


幸せに笑っていて欲しいな。


私は幸せだよ。


いつも笑って生きてるよ。


だってあなたと…ケンと約束したから。



あなたの笑顔はいつだって私の光でした。



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2004年 4月6日。


満開の桜の樹から時折降り注ぐ太陽の光が眩しい春の日。


私、中村詩架は県内有数の進学校であるK高校の入学式の会場にいた。



かなり成績の悪かった私が簡単に入学できる高校であるわけがなく、高校受験の時には家の近くの塾に通いつめて必死で勉強した。


そして夢の女子高生になれたってわけ☆



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これはK高校に入学する、ほんの三ヶ月とちょっと前。



今年も冬がやってきた。


12月、街中がクリスマスムード一色に染まる季節。


今日も私は塾で数学を担当してくれている奈緒子先生に愚痴をこぼしながら質問をしていた。


「せんせーっ!こんなの数学じゃないよ~…ただの暗号じゃん」


「そ~んな事ばっかり言ってたら勝てないわよ!頑張って合格して亜衣ちゃんを見返すんでしょ!?」


「そう!だ…けどぉ…亜衣は詩架と違って頭いいしぃ…」


「ほ~らほら、また弱気になってる!努力すれば詩架の夢も叶うの!あと二ヶ月もないんだから!頑張って!」



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望月亜衣、通称:亜衣。


亜衣は、たった一人の私の親友。


他の友達に話せないことでも亜衣だけには素直に話せたんだ。


容姿端麗で頭も良く、おまけに誰にでも愛想が良くて気さくで、女の子に好かれるだけじゃなく勿論男の子にもかなりモテモテだった。


女の詩架でさえ、亜衣には惚れてしまいそうなほど亜衣は可愛かった。



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「あぁー、暇暇ひーまー!…じゃあ、今日も行ってくるね!詩架、先生にいつもの言っといて♪」


「はいはーい(笑)そのかわり今度宿題手伝ってね」


「わかってるって!いってらっしゃい☆」


そう言うと、亜衣はそそくさと教室から出て行ってしまった。


中学三年生の冬、年が明けてすぐに進学する高校が特別推薦で決ってしまった亜衣は毎日が暇で暇でたまらないらしく、授業をサボっては大好きな本を読むために日が暮れるまで図書館にこもっていた。


「亜衣あの集中力、羨ましいなぁ(笑)」


そんな事を考えながら、私は毎日塾の自習室で受験勉強をしていた。



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バレンタインまで残りあとちょうど一週間に迫ったある日のこと。


今日は詩架が日直の当番。


「あとは日誌を書くだけっと♪」


ふと横を見ると亜衣のカバンがぽつんと一つ、机の上に置かれてあった。


「亜衣、まだ学校にいるんだ!今日は一緒に帰ろうかな♪」


その時、


…ガラガラガラッ


「あっ…詩架。今日、日直だったんだね…」


「そっ♪あとちょっとで日誌書き終わるから途中まで一緒に帰ろうよ」


「う…うん!あっ、あたしちょっと図書室に忘れ物しっちゃったみたい!取ってくるから待ってって」


「了解~☆」



この時、私は亜衣の様子が少し変だったことに気付かなかったんだ…。



しばらくして亜衣が戻ってきた。


「ごめん、ごめん~!ただいまっ」


「あはは♪相変わらずだなぁ(笑)…あっ、それ料理本だよね!?」


私は亜衣が隠すように持っていた雑誌にすぐ目が行った。


「えっ…あっ、そのー…」


「わかってるって♪カズに作るんでしょ!?」


「……そうだよ、決まってるじゃん!亜衣はカズ君一筋ですから~♪…ところでさ、……詩架はどうするの?受験あるから、やっぱり諦め…」


「詩架の愛は受験よりも大きいのー!受験があってもなくてもタカシ君には絶対にチョコレートあげるんだっ♪」


私は亜衣の言葉を遮るように自信満々に答えた。


「そ…っか!お互いに頑張ろうね!…タカシ君、きっと喜ぶね!」


「えへへ♪亜衣もその本見て気合入れて美味しいお菓子作ってね♪」


「…うん」



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伊藤和也、通称:カズ。


カズは詩架の幼なじみのクラスメイト。


テニス馬鹿で年中日焼けをしている。


詩架は小さい頃から兄妹みたいに育ったからよくわからないけど、亜衣曰く、カズは相当なイケメンで女の子たちにはモテるらしい…。


カズ目当てでテニス部に入部する女の子も少なくはないんだとか。


確かに性格は悪くはないけれど、詩架にはどうしても亜衣やそ他の女の子の気持ちがわからなかった。



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山本孝史、通称:タカシ。


タカシ君は詩架の本命の人☆


バスケで全国大会に進みたいという熱い夢を持ったスポーツ少年。


身長が凄く高くて、いつ見てもカッコイイんだ♪


当然ライバルも多くて、タカシ君の周りに集まっている女の子たちを見るといつも胸が苦しくなった。




そんな中、私は一生忘れられない出来事に巻き込まれる。