読解力とは、
①読んで内容や意味、構造などを理解する力。
②読んで解釈する力。(どういうことなのかについて解説し、説明できる力)
だとしよう。
小学校の場合、物語文・説明文といった長文読解を行う。
多くの場合、三読法と呼ばれる方法で。
・構造読み(全体の構造把握)
・細部読み(段落や場面ごとの読み取り)
・主題読み(全体の主題、主張を迫る、全体を批評・評価する)
この3読法という学習過程が、子どもの読解力を伸ばさない原因の一つなのではないだろうか。
それは、この「三読法」とは大人の論理であり、子どもにとって不自然な学び方だからである。
例えば、大人が英文の長文読解をするとしよう。
英語の長文読解では、全文を読み終わった後、「この長文の構造はどうなっているだろうか?」と考えるだろうか?
前から、①少しずつ読み進め ②一文一文解釈していき ③最後に全体の主張を把握したり、構造を整理したりする
という思考で学ぶはずである。
子どもの思考を前提にいすれば、まず、
①一文解釈力・短文解釈力 ②長文解釈力・構造把握力
という順で鍛えなくては子どもたちに力はつかない。
一文を解釈するトレーニングを積んでいない子どもに、
三読法という大人の論理を押しつけるから国語嫌いが増え、子どもたちの解釈力(読解力)がつかないのではないだろうか。
~3読法の代案~
①一文解釈・短文解釈力を鍛える。
一文字へのこだわり、表現技法(レトリック)への気付き、自分発問作り、その裏の意味を探る面白さ
②パラグラフ(段落・場面)解釈力を鍛える。
中心文の発見
柱の文(中心文)とその他の文の関係の把握 (3択にして、選択肢から選ばせる)
他の場面や段落とのつながる箇所を発見する。(抽象と具体、伏線など)
パラグラフを短くまとめる力(説明文なら要約力)をつける。
③全体の構造を整理して、主題や主張に迫る。
本稿のまとめ
「一文解釈力・短文解釈力」がつかないまま、学校現場では3読法を繰り返しているので、文章を解釈する力がつかないのではないか。
面白いネタなどから入って、「一文解釈力・短文解釈力」をつける場を設け、トレーニングしなくてはならない。