年越しには絵本『かさじぞう』のご紹介。
松谷みよ子 さん文/黒井健 さん絵、の絵本から少し・・・
医学などが発達していなかった時代、幼い子供の生存率は低かったと思います。
そんな時代のお話しです。
むかし、笠作りのじいとばあがいた。
二人のあいだに子供が産まれたけれど、ちゃっこいうちに、あの世へ逝ってしまって二人暮らしだった。
ある年の暮れ、笠を売りにいったじいはなかなか笠が売れず、そのうち雪がふってきて、とぼとぼと帰路についた。
気が付くと、そこは六地蔵様の前だった・・・
雪をかぶったお地蔵さんにみんなあげてきたと、ばあに話した じい。
そりゃ いいこと しなさった、と ばあ。
囲炉裏に火を焚いて、お湯を飲んで、漬物かんで、二人は年越しした。
床について、ばあがうとうとしながら「死んだ子らも 笠もらって、よろこんでいるべな」というと、じいはもう寝ておった。
そして・・・
どのくらいたったか、家の前で、がらがら、どーん。と大きな音がした。
じいとばあが、こわごわ戸を開けるてみると、味噌やら餅やら、米やら、正月肴などが積んであった。
そうして、雪の中を笠を被った地蔵さまと、古い手拭いを被った地蔵さまが、空っぽのソリを引いて帰って行くのが見えた。
「もったいねえ」と、じいとばあは手をあわせたと・・・
著者、松谷みよ子さんの後書きには、『かさじぞう』のお話は、子育ての難しかった時代の、辛い想いを抱えて生きている、じいとばあのお話だと思います。寒かろ、と笠をかぶせる地蔵は、死んだ我が子の姿だったのでしょう。
・・・とあります。
深い意味が込められていたんですね。
お地蔵さんは、親より先に亡くなってしまい、賽の河原をさまよう子供たちを救う役割も担っています。
さらに病気をなおしてくれる、身代わり地蔵としての信仰も全国各地に残っています。
そして、絵にあるように、お地蔵さんは赤いよだれかけをしてしていらっしゃいます。
赤い色は魔除けの効果があると信じられているので、子供が元気に育ちますようにと、赤いよだれかけや帽子をお地蔵さんに奉納するようになったそうです。
そして、お地蔵さまの恩返しには、親を想う子供の気持ちも描かれていると想います。
子を想う親心、親を想う子供の気持ちはいつの時代も同じだと思います。
(時々悲しいニュースも聞きますが)(>_<)
それでは、良い年をお迎えください。

