ある朝、いつものように恭○が母にじゃれていた。

母は恭○の手をはらい、邪魔扱いした…

そして恭○は母の背中を叩いた…

意地悪した母に子供の力で叩いただけだ。

母は、恭○を突き飛ばした…

恭○も意地になり、母の体を叩いた。

その繰り返しが続き、私は母に言った。

「何で孫に対してそんな態度なの?子供に本気になって馬鹿じゃない?」

すると母は言った。



「あんたの躾が悪いからでしょ!!」



私の躾………??



確かに祖母に対して叩いた恭○も悪いかもしれない…

だけど、全く孫の声に耳も傾けない母は悪くないのだろうか…

少し話しかけただけでも時々うっとうしそうにする母を横目に私は我慢していた。

住まわせてもらっている以上、あまり偉そうには出来ない。



私にも我慢の限界がある………



ある日、恭○が泣きながら私の所に来た。

「ばぁばが髪の毛引っ張った」

もう…限界だ………


私は母の元に行った。

「何で恭○の髪の毛ひっぱるの?私が見てない所でいつも恭○に意地悪して…子供に対する態度じゃないよ!!」

母「こっちだって叩かれてるの!辞めてって言っても言うこと聞かないから!」

「だからって子供に手出すな!!」

母「だったら出てけ!!さっさと家見つけて出て行け!!」

本気ではない。

母は昔から自分の立場が悪くなると相手の嫌がる事を言う。

だが、この状況でこれはない………

何を言ったか覚えてないが、私はこのあと母と口喧嘩した。










それからの生活は………



私は子供達を連れて実家に戻っていた。

Nと離婚してからは実家で暮らしていた。



実家とはいえ、母と姉は仕事で、いつも帰って来るのは子供達が寝てから。

家事は私がするしかなかった。

僅かながらだが生活費も渡していた。

正直、実家に戻っても楽になる事はなかった。

だけど、自分が選んだ道………

自分なりに頑張っていた。



ただ…



私は母に対して、どうしても理解出来ない事があった。

孫達への接し方………



正直、母は子供を好きじゃないのではないか…

自分の孫なのに、一般的な態度とは思えない母に苛立ちを覚え初めていた…

母と子供達が顔を合わせるのは朝の1時間ほど。

上の娘、里○とは5分も合わす事がない…

僅かな時間ですら、母は子供達とたわむれようとしない。

5歳の息子、恭○はヤンチャ盛り…

母が起きて来るといつも遊びたがり近寄る…

だが、母は違った…

いかにも、面倒そうに遊ぼうとしない。

仕事前で忙しい時間でもあるが、会話も適当だった。

ある日、私は切れた………












それから数日、Yから何気ないメールがあった。

だけど私は返信しなかった。





ある日のメールで

【今日、久しぶりに息子と赤ちゃんのお参りに行って来たよ。…まだYとRのネックレスあった…。何か嬉しいよな。一緒に行きたかったけど…。又いつか…一緒に行こうな…。】





ずっと返信しなかったけど、これだけは返信した。



【行ってくれたんだね。ありがと…。きっと、ずっとネックレスはあるよ。赤ちゃんも寂しくないよね、きっと…。】



それ以来、赤ちゃんに逢いに行ったというメールはない。
陰で行ってくれてたとしても私にはもうメールしないだろう…。

私の返信がなくなるにつれ、Yからのメールもなくなって行った………。



転勤から7ヶ月の間、私は自然とYの事を忘れていった………。

あんだけ大好きだった人を時間は忘れさせてくれる…。

個人の問題かもしれない…

だけど私は、辛い事は時間が解決してくれる…そう信じている…


自分が産んだ息子を手放し、これも時間はかかったが辛い…はなくなった。
あとは幸せになってほしい…
健康で立派な子になってほしい…

ポジティブに考えるようになった………



決して投げやりになった訳ではない。
現実逃避でもない。

事実は事実として受け止めなければいけないから…。