添削をしていて、初学者にとっては経営判断の原則の書き方が難しいのかなって印象です。

まず、私が使っていた論証は以下のとおりです。

「取締役の経営判断に萎縮的効果を生じさせないため、①情報収集に不注意な誤りがなかったか、②取締役の判断過程に通常の企業人にとって著しい過誤がなかったかによって判断する。」

これでかくと、私の場合は5行程度に収まっていました。

どうせ本番では拾うべき事実が山ほどあって書ききれないので、論証はできるだけ短くするという指針でした。

規範としてみなさんが誤りやすいのは、②は書くが、①は書かないといった当てはめをしてしまっているということです。

例えば、「通常の企業人にとって、不注意な判断の過誤がある場合は、善管注意義務、忠実義務違反となる」といったものです。

案の定あてはめにおいても、情報収集がいかなるものだったかについては、半分ぐらいが触れられていません。

規範の理解は当てはめに直結します。

それを抜かしてしまうと、点数が1/3減ってしまうこともあるので、注意してください。