Magic Magic Magic ☆

あたしがあの曲を聞いていた時
ふと気付けば、頬に涙が流れてた。

車の中は暗いから
気付かないだろうと思ってたの。

そしたら未来ちゃんは
何も言わずに笑顔で肩を叩いたね。

なんだ、気付かれちゃった。

そう思ってあたしは
涙が零れないように少し上を向いて
未来ちゃんに笑顔をみせた。

ほんのちょっとの強がりを許してね。

五十嵐さん。

いつも表面に出さずに
あたしを思い何が最善か考えてくれて
本当に本当にありがとうございます。

一生懸命、深い闇を持った
深い傷を負ったあたしを
救おうとしてくれている…。

あたしを大切にしてくれて
本当に心から感謝しています。

五十嵐のおばさん。

私にトリップした時、何を感じましたか？

酷い孤独感、恐怖感、不安感を
感じたことでしょう。

あの言葉の意味が今、分かりました。

私の大切な家族。

人一倍、弱くて脆くて泣き虫な私。
人一倍、意地っ張りで強がりな私。

そんなあたしを理解してくれている。

家族の前であまのじゃくになって
全て反対のことばかりを
言ってしまっていた酷い私。

それでも、寛大な愛で見放さず
私を見守ってくれる。

私は15歳で、お姉ちゃんより
先に家を出ることになった。

尚更、お父さんもお母さんも共働きで
普通の家庭より家族一緒に居る時間は
きっと少なかっただろうね。

あたしはほんの短い間しか
家族と傍にいれなかった。

時々、此処へ居て思うの。

ごめんね。もっともっと
傍に居てあげたかったよって。

それで、沢山沢山思い出を
作りたかったよって。

ごめんね。ありがとう。大好き。

大切な君へ。

初めは大嫌いだった君。
大嫌いな私に似ていて大嫌いだった君。

誇らしげな笑顔が崩れて
しまいそうになった時、
君の傍に居たい。そう心から思った。

君が避けられない辛い時期に入った時
自分の力無さに悔しく思った。

“私が君を守ってあげたい。”

そう思わずには居られなかった。

“何もしてあげれなくてごめん。”

辛そうな君を見たくなかった。

しかし、君は立ち上がったね。

凛とした表情。

君は本物の強さを知った。
もう私が傍にいなくても歩いていける。
私の役目は終わった。

そう…静かに悟った…。

私はいつも君に依存しないよう
線を引いていたよ。

「大好きだよ。」

と言われれば

「ありがとう。」

そう答えていた私。

君は口だけじゃないって分かる。

そんな君が私に

「ずっと一緒に居れる」

と言った瞬間。

私は君との永遠を信じた。

私が学校へ通えなくなってきた頃。

私は君との別れを決意したの。

君が私のせいで周りに
傷つけられてるかもしれないと思うと
私は辛くて悲しくて仕方がなかった。

けれど、君ははっきりと拒否したね。

私から理由を話すことを
ずっとずっと待っていてくれた。

修学旅行の前の日あなたは

「欲しいものは無い!?」

なんて何回も聞いてきたよね(笑)

私はそれに対して

「本当に何もいらないよ。」

って

「だから、いっぱい楽しんできて？」

そう私は言った。

「何も力になれなくてごめん。」

切なそうに言う君を見て苦しかった。

だから決まってこう言うの。

「私、Kの笑った顔が大好きなの。」

そしたら君は私に笑顔を見せてくれる。

でも、その時の私には分かっていた。

もうこの関係が終わりに
近づいているということを……

私が君に此処へは戻らない。

ということを伝えたのは一番最後だった。

君は怒ったね。

分かってるよ、君の言いたいこと。

それでもそんなあたしの
背中を最後に押してくれたのは君だった。

ありがとう、ありがとう、ありがとう。

今、あの頃の君が私の道しるべとなった。

君に出会えて、本当に幸せだった。
今でも変わらぬ大切な人だよ。

もし、どこかで偶然逢ったら
私は最高の笑顔を君に見せるよ。

君の大好きだった私の笑顔を。

「ずっと一緒に居よう」

その言葉、君がこれから出会う
大切な人に捧げてほしいんだ。

私にはもったいなくて受け取れなかったよ。

あなたのためなら死ねる

じゃなく

あなたのために生きるよ。

それぞれの道で幸せになろう。

私の初恋の人。