普段どんなに急いで歩いているかは、着物を着た日にふと分かる。

食べ方だとか、座ったときの姿勢とか、

小さな仕草のひとつひとつが、少しずつ丁寧になっていく。

そう、これはきっと、生き方が見えてしまう服。いくら若くて美しくても、

しっくり馴染むとは限らないし、逆に、どうしてもかなわない80歳のおばあさまもいる。

それが、なぜかうれしい。

きものがもっと似合うようになるために、もっときちんと生きようと思った。

着ることは、生きること。

 

これは何年か前に何かの縁で見つけた言葉。どこで見つけたかも覚えてない薄い記憶でも言葉だけは鮮明に覚えている。言葉でありふれた世界でそれほど心に響いたのだと思う。

私が大切にしていること。忘れてはいけないこと。