橋本病
甲状腺疾患専門病院である伊藤病院に年1回の検査に行ってきた。数値は正常で異常なし。良かった。
私は9年前の夏、42歳の時に橋本病と診断された。確か当時、首にこりこりと硬い何かがあるような気がして、医師にすすめられ、甲状腺の検査をした。数値が正常ではなかったようで、表参道にある伊藤病院へ行った。それで、橋本病と診断され、以来、年に1回定期健診を受けている。
正直どこも何も異常がなく、橋本病であると実感したことなど1度もない。橋本病とは、甲状腺に慢性の炎症が起こっている病気で、慢性甲状腺炎とも言われる。女性に多く、10人から15人に1人が橋本病と言われている。だから、自分が知らないだけで橋本病である人もたくさんいると思う。
毎年、異常なしで、血液検査で数値は正常。最初の頃は超音波検査もあったが、ここ数年は血液検査のみ。こんなに長い事正常なのに病気?1度なったら治らない?なんだか不思議だった。医師にいろいろと聞いたところ、納得した。
橋本病は一生治らない。ただ、甲状腺の働きが正常であれば、体に影響することもなく、治療の必要はない。定期検査が必要なのは、甲状腺の働きが低下して甲状腺ホルモンが不足した場合、それを早く察知し、薬物治療をするためだ。
全身に不快な症状があっても、更年期障害と勘違いし、婦人科へ行ってみたり、漢方薬を飲んでみたり、それでも一向に具合いが良くならず、実は橋本病のせいだったということもあるらしい。
今回、医師は私が何も聞いていないのに、言った。橋本病で、甲状腺機能低下症になり、薬物治療が必要になるのは、10人に1人か2人だと。これが多いと思うか少ないと思うかは人によると思うが、あらかじめわからないので、年1回の検査は大切だと。
なんとか寿命が尽きるまで、現状維持を祈るばかりだ。毎回定期検査の帰りはそう思う。でも、普段は忘れてしまう。発作性上室性頻拍や変性筋腫のように症状がでるもののほうが、煩わしく思う。でも、甲状腺機能低下症になったら、もっと煩わしく思うだろうと想像する。年を重ねれば、病気が増えていくのは仕方ないと、あまり気にしないようにしている。
症状がないのに橋本病と診断され不安に思っている方、必ずしも薬物治療が必要なわけではないので、気にしすぎないようにしましょう。私も診断されてから9年間全く何事もないのですから。