ずっこけ社労士の必殺技 (立花英雄のBlog)

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労使紛争必殺仕事人のブログ


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関連する別な事例内容を、ついでに述べてみます。

 

田中さん(仮名)が自宅で屋根の修理をしている時にあやまって下に落下して腰の骨をおる大けがをしました。

会社を休職せざるを得なくなってしまった。

病院は、約半年程度入院しており、やっと回復した。

 

そこで私のところに相談にきて「何か補償はもらえるものはないでしょうか」と言う相談でした。生活が大変のようだ。

 

私がまず確認したことは

「傷病手当金の手続はどのようになっていますか?」と確認しました。

いや全然わかりません。とのことであった。

 

手続は取れるはずなので会社に相談してみてください。

確認したらとれないと言うことであった。

 

では、「私が確認してみましょう」と相談を引き受けた。

 

まず保険者のほうへ電話をした。

 

保健証を見せてもらったら「業界健保」の保険であった。

早速、連絡をした。

田中さんから相談を受けているものですが、傷病手当の手続はどのようになっていますか?

「確認しみます」という事でしばらく待っていた。

すでに田中さんに支払っていると言うことであった。「もらってないよ」と私は憤りをかくせなかった。

そうすると、会社が代理人になっています。という返事であった。

「業界健保」に憤りを感じて、「代理人の依頼書は取っているんですか?」と問いただした。

 

実は傷病手当金の手続は書面の右下に小さく代理人の名前を書く欄があるのです。

会社が作成すれば会社が勝手に代理人になり、会社が受給できるようになっているのです。

私は全国年金機構に事例を伝え、電話をして書類の不備を強く申し立てた。

 

私が、会社に実情を話すと、すでに傷病手当金の手続は取られており、そのお金は会社の代表者のポケットマネーとなっていた。

「業界健保」から会社にすでに確認の電話が入っている様子。

 

私は会社の行為は「横領罪」に該当する旨、主張した。

刑事告訴、民事責任の賠償請求の件を話したら即時、会社は田中さんのもとへ

受給した同額のお金を返却してくれた。

 

このような事もあるので、会社を代理人にしてはいけない。

 

使用者は従業員を雇用するにあたって重要な義務として『安全配慮義務』というものが雇用契約に付随してついてくるものである。

これは雇用契約書には記載されていない使用者の義務である。

残業代の請求、精神障害の損害賠償の手続は、労働基準監督署に申告しても良かったのであるが、それはそれで私も手続きをとって戦うつもりであった。

労働時間に労使の判断にくい違いがあり結論がでない。タイムカードはない。

 

弁護士に依頼して司法で判断してもらう事にした。

残業代の計算もタイムカードの記録がないため、かなりの難問になることは間違いない。

 

ここで最初の法的根拠に戻る。

 

会社の言い分である。

 

傷病手当金の手続きをとります。

但し条件があります。

在職中の債権及び債務は一切求めないという条件がはいっていた。

傷病手当金の振込み先を代理人として会社の口座に振り込むということが条件であるというのである。

 

傷病手当金受給の手続をとるにあたって、在職中の債権及び債務は一切求めないという条件がはいっていた。

かなり法的根拠からは乖離している会社の主張である。

 

傷病手当金は法的解釈は原則、傷病手当金を受給する当人が手続きを行うことが原則です。

会社の押印がとれない場合は事情を話して保険者に指導をしてもらうことになります。

会社には傷病手当金の手続はこちらでとっておきますと伝えておけばよい。

これは特殊なブラック企業の話で通常はこのような事はない。

しかし、原則論は労働者側として知っておく必要はある。

 

 

自分で出来なければ誰かに依頼することはできます。

会社が恩着せがましく「手続きをやってあげる」というものではありません。

山本さんは当然の権利として自分で保険者に請求出来るものです。

ましてや、本人の依頼もないのに勝手に会社が受給の「代理人」になるなんて「横領の罪」にもなりかねない、もっての外です。

 

ましてや、会社が山本さんが勝手にやめさせて損害賠償を求めること自体、尋常な話ではありません。

精神障害の発症原因は会社にあり、山本さんが会社に損害を求めることになります。

あまりにも大きな問題なので、弁護士と私と役割分担を決めて、争点、立証等の収集にとりくんだ。

 

 

ある程度の年齢になっている管理職の人達は(2)

 

山本さんの仕事はホテルの調理師である。

比較的有名なホテルで副調理長の職についている。

うでききの調理師として、なりものいりで就労したようである。

会社の寮(山奥のリゾートホテル)にはいり単身で赴任しており、家族とは離れて生活をしている。

すこし気負って就労をしていた傾向もみられる。

 

寮は朝5時には起きる。

会社の調理場にはいるのは朝6時には、はいる。ホテルのお客さんの朝食のだんどり、午前10時には概略終了する。その後は夕食の準備、そのほかは,山本さんの仕事には食事の材料の細かな在庫管理もしなければならない。材料の品切れがあったら大変である。ホテルの信用にかかわる問題になってしまう。

 

午後1時ごろから3時ごろまで昼食をしながら休憩にはいる。

3時ごろからお客様の夕食の準備、午後7時ごろから、翌日の朝食の準備にとりかかる。仕事が終了するのは夜10時になる。寮にかえるのは11時ごろになる。

この計算で行くと1日の労働時間は14時間、残業時間は16時間になる。

土曜日、日曜日も仕事で休日はない。

残業時間は6時間×30180時間

1ヶ月残業時間数は180時間である。

 

祝日、土・日はさらに多忙な状況である。

労働時間は一日約14時間である。残業だけでも6時間程度はある。

この業界ではこの程度の労働時間は当然であるということで、経営者もあまり疑問をもっていないようである。

 

しかし、山本さんの話をきいてみるとホテルに就労して約1年でうつ病が発症していると考えられる。いま現在はホテルに就労して約1年半である。

通常は長時間労働のみではうつ病は発生しない場合もある。

ここに一つの要因が加わると即発症する。

山本さんは誠に性格がやさしい。

そこにきて、調理長とうまが合わない。

あさから、怒鳴られている事が多い。

精神的にはかなりマイナス思考になっていたと推測する。

精神的な障害は軽いうちは、ほとんどまわりの人達は気がつかない場合が多い。

 

うつ病が発症してもまわりは疾病とはきがつかず、仕事ができない人間と判断している。「仕事が遅い」 「物事を忘れる」 「業務の指示どおりにやらない」

『仕事に間違いが多い』等々である。

 

まわりからは「あのひと馬鹿じゃないの」という言葉がささやかれる。

そのうち、従業員からは『白い眼』でみられる。何かを話しかけても無視されるようになる。

 

疾病はますますひどくなってきた。

とうとう、話が何を言っているかわからなくなるまでなってしまった。

会社は何も対応はしない。

とうとう山本さんは会社にはいられず、山の奥のリゾートホテルから、何もつげずに仕事着にままよごれた白衣で自宅まで電車をのりついて帰ってきた。

仕事着はかなりよごれていて、電車のなかではかなり目立ったはず。

自分でも、どのようにして帰って来たかは思い出せないと言う。

自宅で奥さんはご主人とはなしても意味が通じないため、すぐ精神科の病院に一緒にいって、即入院の手続きをとるような重い状態であった。

会社は何を主張しているのか

山本さんの病気にはあまり関心がなく、むしろ会社を無断で業務を放棄したという理由で責任をとってもらい「自主退職」をするという主張である。

 

つづく