任意整理で借金1200万円返済。ブラックだけど、いつか住宅ローンを組む!! -2ページ目

任意整理で借金1200万円返済。ブラックだけど、いつか住宅ローンを組む!!

家族に内緒で年収と同じ位の借金1200万円を抱えた男が最近家族にカミングアウト。死ぬほど怒られましたが、今は家族全員で借金返済を目指してます。ブラック登録され、今はカードも作れませんが、いつか住宅ローンを組みたいと思ってます!!

私が債務整理の相談のために、妻と娘を連れアディーレに行ったのは、電話で相談をした次の日曜日でした。

 

場所は西新宿、JRの新宿駅から都庁に向かう途中のビルでした。

 

某専門学校の特徴的なビルの隣の高層ビルにアディーレのオフィスはありました。

 

「キッズスペースが有るらしいよ」

 

事前にネットでアディーレの西新宿の事務所をチェックしていた妻は言いました。

 

「それだったら長時間話をしていても大丈夫かもね」

 

娘が着いてきていて、普段ですと1時間位すると娘が飽きてしまうのですが、今日は内容が内容だけに、依頼することとなれば何時間でも居なければなりません。

 

サラリーマンの私には、任意整理しか無いんだろうな、というだいたいの方向性は見えているので、若干は気が楽でした。

 

その不安を拭い去ってくれたのは、アディーレではなく、サンク総合法律事務所のW氏のお陰です。

 

W氏が真夜中にも関わらず、懇切丁寧に説明してくれたおかげで、私の場合は任意整理で復活出来る!!と云う希望を持つことができました。何年掛かるか判りませんが、住宅ローンを組んで家を持つことも出来るかもしれません。

 

アディーレにしか相談しておらず、アディーレに頼むしかないのであれば、結構不安ガチガチな感じかもしれませんが、いざとなれば翌日月曜日に訪問予定のサンク総合法律事務所に頼めば良いや、という気持ちでいたので、多少リラックスする事が出来ました。

 

あとは、こういう債務整理案件は弁護士事務所にとってもある程度手が掛からない話のはずなので、こちらの意向を最大限汲んでくれて、任意整理で進めてくれるのではないか、と思っていました。

 

アディーレとサンク総合法律事務所で進めるのどっちが良いんだろうな?と新宿駅に向かう山手線の車中でふと思いました。

電話で懇切丁寧に説明してくれたのは、サンク総合法律事務所です。でも取扱実績や弁護士事務所としての規模は圧倒的にアディーレでした。

また、債権者1件当たりの手数料はサンク総合法律事務所が6万円(+消費税)なのに対し、アディーレは5万円と1万円も安くなっています

 

私の場合、銀行・カード併せて11社から借りていたので、手数料だけで11万円変わってきます。

 

心情的にはサンク総合法律事務所なんだけどな、、、

 

あと、アディーレにはもう一つ懸念点が有りました。

 

まあ懸念というほどの事もないのですが、過払金請求が流行っていた数年前、CMをガンガン流していたアディーレは実際価格変更は行わないにも関わらず、「キャンペーン割引終了まであと〇〇日」と称して割引期間があと少しで終わる、という様な印象を与えた、として罰せられた、という記事を読んだ記憶が有りました。

 

過去の過払金請求の話ですし、私が支払うこととなる手数料はそのキャンペーン割引とやらは付いていないので、何の関係も無いのですが、その様な何も知らない消費者を騙すような会社は、たいてい他にも良くないことを行っているケースが多い、というのが私の印象でした。

 

まあ私が債務整理をお願いする3年間程度は持ってくれるでしょうが、依頼して手数料は取られたにも関わらず、その弁護士事務所が倒産してしまった、というのは嫌だな、と思っていました。

 

色々考えている間に新宿駅に着きました。

約束の10分前。

事務所までの時間を考えるとぎりぎりです。

 

JRの改札を出て都庁に向かいます。

 

5分ほど歩いた所で、ビルの入り口に辿り着きました。

 

ああ、ここか。

 

それ程有名ではないビルですが、見覚えが有ったのは、2年前に転職活動したときに、志望した会社の1社が近くに有ったので、そのビルの地下1階に入っている喫茶店で履歴書を書いた記憶が有ったからです。

 

転職活動をしていたあの時はまだ借金がそこまで膨らんで無かったな、確か8百万円位だったでしょうか。

 

今はその1.5倍の借金を抱えています

 

そんな思いが頭をかすめましたが、もうアポの時間まで5分ほどしかないので、急いでエスカレーターを上がります。

 

アディーレは3階に有ったので、1階で3階に登るエレベーターを探します。

休日なので人もまばら。

 

3階で降りると、そこにはきれいな入り口が、、、有るわけではなく、どこから入ればアディーレに着くのか判りません。

 

エレベータの横のマップで、エレベータを降りて左奥に有ることを発見しました。

 

左奥に向かうと、「アディーレ法律事務所」と書かれた事務所の入り口が有り、受付のドアホンが置いてありました。

 

指定された内線番号を押し、電話に出た女性に15時から予約の旨を告げると、しばらくお待ち下さいと告げられました。

 

待つこと1分ほど。

 

背の高い細身の女性が出てきて、部屋に通されました。

 

通された部屋には、レゴの様なおもちゃの車が1台、窓際に置いて有りました。

 

これがキッズスペース?おもちゃの車が1台置いてあるだけだけど。

 

とは言え、本題は債務整理。娘には我慢して貰うしかないので、「車で遊んでて」と言い、妻と私は椅子に掛けます。

 

部屋に私達を通してくれた女性が、紙を1枚持ってきて、

 

「お判りになる範囲で結構ですので、記載して下さい」

 

と言いました。

 

紙の内容は、名前・住所・勤務先・年収など。

 

書き終えたので、その旨を女性に告げた所、インタビューが始まりました。

 

インタビューの内容は、先日の夜の電話で私が告げた私の債務全容の確認です。

 

私は自分の債務一覧をプリントアウトして持ってきていたので、

 

「こちらを見て下さい」

 

と渡しました。

 

そこで初めて女性の顔を直視したのですが、お化粧が結構インパクト有るなと思いました。

 

私は女性のお化粧にさほど興味は有りませんが、なんというか、化粧のトーンが暗いのです。

 

アイシャドウが濃すぎるというのか、全体的に目の回りが暗くなっているので、顔全体の雰囲気が暗く見えてしまっています。

 

営業向きではないな、と勝手な事を思いながら、女性が私のプリントアウトと電話で告げた債務の全容を記した紙の内容に齟齬が無いか確認している様子。

 

その後、幾つか質問されました。

 

「このカードの借入の内容は何ですか」

「だいたいは生活費です。リボで膨らみました」

 

「このカードの借入は?」

「副業で挽回しようと思って情報教材を幾つか買いました」

 

「自分名義の口座を他者に売却したりしてないですよね」

「してません」

 

「誰か事業を営んでいる方の保証人になって肩代わりした借金は有りませんか?」

「有りません」

 

借入の内容は予め妻に説明してあったので、良かったと思いました。

口座を他者に売却していたりすると、その時点で任意整理等は申請出来ないらしいことは後から知りました。

 

また、他人の債務を肩代わりしていても、任意整理は申請出来ないことも後から知りました。

 

次は我々の生活費について質問されました。

 

私の手取りは50万円程度。妻の手取りが20万程度で、そこから家賃が引かれ、娘の養育費が引かれ、食費が引かれ、と説明していきます。

 

返済にどれ位充当できるのか計算しているんだな、と当たりが着きました。

 

生活費に関するインタビューが終わった後、アディーレが作ったと思われるピンク色の小冊子を女性が取り出して来て、任意整理と個人再生、自己破産の違いについて簡単に説明してくれました。

 

「私としては任意整理を申請したいのですが、どうお考えでしょうか?」

 

私は事務員ですので、後ほど弁護士がご説明させていただきます。

 

またその返しか、じゃあ弁護士をさっさと出してよ、と言いたくなるのを堪え、

 

「判りました」とだけ答えました。

 

「では、弁護士に今お伺いした内容をざっと説明して参ります。弁護士が後ほど似たような質問をするかもしれませんが、お気を悪くなさらないで下さい」と言われ、女性が退出しました。

 

「あの女性、結構化粧にインパクト有るよね。少なくとも明るい雰囲気にはならないな」

 

と私が妻に言うと、

 

「こういう事務所だから明るくする必要はないんじゃない。逆に派手すぎても相談者に違和感感じられるだけじゃないかしら」

 

うーん、ごもっとも。

 

待つこと5分ほどして先程の女性と若い男性が入ってきました。

 

「初めまして、弁護士で所長の○○です。」と名刺を渡されました。

 

若いなあ。年は30は行っていない感じでしょうか。

 

肌艶も良い若い男性です。私の会社の新人の子の方が貫禄有るくらい。

 

名刺には登録番号の入った「弁護士」の肩書と胸に弁護士バッジはしていました。

 

任せて良いのか?というのが率直な感想でしたが、なるべく表情に出ない様に、

 

「私としては任意整理を申請したいのですが、どうお考えでしょうか?」

 

と気になる質問をぶつけてみました。

 

「債務額が少し大きいのが気になりますが、年収も相応に有られますし、大丈夫です。100%任意整理で行けると思います。」

 

ちょっと安心しました。

 

横から妻が聞きました。

 

「私はまだ夫がこんな借金を抱えた事を信じられないんですけど、最近はこういう相談は多いのですか?」

 

「多いです。特にリボ払いが出て来てからは

 

妻が頷きました。妻はまだ私がどうしてこんなに大きな借金を抱えたのか、疑問を持っていたので、今の弁護士の一言はありがたかったです。

 

それから、先程の冊子で任意整理の流れを説明され、だいたい5年で返済が終わる旨の説明を受けました。

 

「任意整理が終わってから数年するとブラックリストから外れて、住宅ローンも組めるという話を聞いたのですが」

 

と私が聞くと、

 

「私は金融機関に居るわけではないので、断言は出来ませんが、だいたい3年から5年でブラックリストは外れると言われています。」

 

隣に座っている妻の表情が少し明るくなった気がしました。

 

その後、アディーレは任意整理の手続きの進捗についてメールや電話で連絡を行うことは殆どなく、「アディーレオンライン」というオンラインサイトで進捗管理が出来る旨説明をしてくれました。

 

「では、我々は一旦退出しますので、ご家族でご相談下さい」

 

と弁護士と事務の女性が退出しました。

 

「どうしようか?ちょっと弁護士が若いのが気になるんだよね。」と私。

 

「若くても経験有れば良いんじゃないの?100%大丈夫って自信有りそうだったじゃん。肩書も所長だよ」と妻。

 

「多分、弁護士も余ってるから職にあぶれてこういう事務所に来たんだよ。弁護士なら誰でも所長になれる感じじゃないかな」とこの期に及んで上から目線の私。

 

結局、二人で相談して結論が出たので、内線で先程の事務の女性を呼びました。

 

さて、私達の結論は?

それは次回で。

妻に借金の総額をカミングアウトし、真夜中に弁護士事務所に電話した私。

 

債務整理の中で、どうやらサラリーマンの私に一番合っていそうなのは任意整理だと思いました。

 

個人再生や自己破産と異なり債務額は全く減りませんが、任意整理は「会社にバレる可能性が著しく低い」というメリットが有ります

 

バレる可能性が有るとすれば、私が泥酔して上司にカミングアウトしてしまう位でしょうか。笑

 

任意整理について、サンク総合法律事務所のW氏が非常に丁寧に説明してくれたお陰で、年収1200万円とほぼ同水準の借入を抱えてはいるものの、カミングアウトから0日にして何とかなりそうな気がして来ました。

 

カミングアウトの翌日、とりあえず日中は通常通り会社に行き、帰宅後娘が寝静まってから最後の候補であるアディーレに電話することになりました。

 

アディーレに電話し、

 

「私、〇〇と申します。債務整理の件でご相談があるのですが」

「かしこまりました。担当におつなぎします。担当におつなぎする前に一つ教えていただきたいのですが、この電話番号を何でお知りになったのでしょうか?CMでしょうか。当事務所とは関係ないウェブサイト経由でしょうか?それとも当社のウェブサイトを直接ご覧になられてでしょうか?」

 

と東京ロータスとサンク総合法律事務所と同じことを聞かれました。

 

テレビを余り見ない私ですが、とりあえずブラマヨが出演していたCMは記憶に有ったので、

 

「CMです」

 

と回答。「ありがとうございます。担当と代わります」と言われました。担当の女性に代わり、

 

「借金を抱えてまして、債務整理を検討しているのですが」と切り出す私。

 

そこからは、電話番号、債務の額や借りている銀行・カード会社の名称、そして月収・ボーナスの額等について20〜30分ほどヒアリングされました。

 

これも東京ロータスとサンク総合法律事務所と全く一緒です。

 

「だいたい状況は判りました。弁護士の先生のお時間取れる所でご相談されるのは如何でしょう?」

 

と言われたので、

 

「私は自分で調べたんですけれども、任意整理が良いのではないかと思っています。差し支えなければ任意整理で良いのかアドバイスを今いただく事は出来ましょうか?」

 

と聞くと、

 

「申し訳ありません。それは先生にご相談いただければと思います。」

 

と言われてしまいました。

 

あれま、最大手でこれかよ、と思いながら、サンク総合法律事務所で電話口で応対してくれたW氏は良かったなと思いました。

 

結局アディーレは日曜の昼前にアポが入りました。

 

当然、妻も付いていきます。3歳の娘も付いていきます。

 

なんとなく、アディーレとサンク総合法律事務所の比較かな、と感じた私は、

 

「もう東京ロータス断って良いかな?イマイチピンと来ないし」

 

と言うと、

 

「良いよ」と妻。

 

電話を横で聞いていて、私と同じでアディーレサンク総合法律事務所のどちらにするか、という感じらしい。

 

東京ロータスには、土曜にアポが入っていたのですが、

 

「債務整理のご相談を昨日したのですが、家族が支援してくれることになりまして」

と嘘を言ってアポをキャンセルしてしまいました。

 

これでアディーレとサンク総合法律事務所の二択になりました。

 

電話対応ではサンク総合法律事務所ですが、アディーレはウェブサイトでチェックした所、債権者(銀行・カード会社等)1件当たりの手数料が5万円で、1件当たり6万円のサンク総合法律事務所と比較して1万円安い事が判明しました。

 

私は11社から借りていたので、手数料で11万円の差が出ます。

 

何とも馬鹿にならない金額。

 

ただ、本当に任せられるかどうかは会ってみないと判らないので、日曜にアディーレ、翌週月曜にサンク総合法律事務所に行って、比較してみようと思います。

 

次回は実際に両方の事務所に行った感想を記載させていただきます。

今すぐ専門家に相談しなさい

 

私が妻に内緒で、銀行・カード会社など計11社から総額1200万円を借り入れていた、と告げると、妻は私に言いました。

 

どうやら、私がそんなに借金出来るなんて、病気か何かと思ったらしいのです。

 

実際、私は借入をすることに何ら抵抗を持たなくなっていました

借金をすることが悪い事であるという認識を持っているのですが、それ以上に返済に追い立てられる恐怖感から逃れるために、借入をしてしまうのです。

銀行やカード会社から借入が承認され新たな借入枠が設定されると、何とも言えない安心感が脳内を満たすのを感じたものです

 

恐らく、ギャンブル依存症などに近いものだと思います。ひょっとしたら精神科医等の専門家の力を借りないといけないかもしれません。

 

でも、妻と私に必要とされている専門家は少し違う気がしました。

 

「うん、多分僕はお金に関しては病気なんだろうね。でも、今僕に最も必要な専門家は違う専門家だと思うよ。多分債務整理とかそう云ったことを手掛ける弁護士だね。」

 

妻からしてみたら、債務整理なんて言葉さえ初めて聞く言葉だと思います。

ちょっときょとんとしていたので、

 

「僕の様に、多額の債務を抱えてしまった人間がちゃんと返済出来る様に、返済額の減額や返済期間の長期化等を交渉してくれる弁護士が居るんだよ。アディーレとかがCMでやってるじゃん」

 

やっとピンと来た様子の妻。

 

「じゃあ、今度の土日に相談に行くからすぐ連絡して。今すぐ。」

 

ということで、そこから1時間ほど掛けて、債務整理について調べ始めました。

 

企業の法的な再生方法として民事再生というスキームがあることは知っていましたが、個人でも民事再生に近いものがあるということを初めて知りました。

 

ネットで1時間ほど調べるうちに、個人の債務整理には任意整理と個人再生、そして自己破産の3つがあることを知りました。

 

概要を簡単に表にまとめるとこんな感じです。

 

  任意整理 民事再生 自己破産
借金 法定金利に引き直して減額。原則将来金利をカット 5分の一程度に減額。但し住宅ローンは減額されない 原則ゼロになる
財産 財産は処分されない 財産は処分されない。ただし、評価額全額を支払う必要有り 高額な財産は処分される
期間 債権者との和解までに6ヶ月程度 手続きは申し立てから5〜6ヶ月程度 手続きは申し立てから3〜6ヶ月程度
債権者 特定の債権者を選んで整理することが出来る 全ての債権者に対して行う必要有り 全ての債権者に対して行う必要有り
勤め先への影響 バレる可能性は非常に低い 官報に掲載されるため、バレる可能性有り 官報に掲載されるため、バレる可能性有り
費用 1債権者当たり5から6万円 弁護士の裁判への参加費用+アルファ 弁護士の裁判への参加費用+アルファ

 

任意整理が一番問題良さそうな感じがしましたが、金利分を支払わなくて良くなるだけなので、元本額は全く減りません。私は1200万円という借金を抱えていましたので、それを5年間で返すとなると、月々20万円の支払いなので、今支払っている24万円と余り変わりません。

 

民事再生は債務額が約5分の1に減るということなので、私で云うと債務額が240万円に減ります。4年で返すとしても月5万円程度。相当楽になります。

でも、裁判所での審判が必要となる、ということは会社にバレてしまう可能性もあるんではないか?とか考えました。

 

債務整理の概要及び任意整理のメリット・デメリットについてはこちらの記事にまとめました→

 

私がネットで調べ終わる頃には、妻が風呂から上がってきました。

 

だいたいの概要を妻に説明しますが、まだどれが一番良いのか私にも判っていないので、妻にも上手く説明出来ません。だいたい、費用がどれ位掛かるのかのイメージ感がネットからでは掴めませんでした。

 

「メールとか電話で聞けないの?」

 

「いや、でももう11時だよ」

 

「でも今ドキどこでも24時間対応とかやってそうじゃん。だいたいこう云う相談って夜に多そうだから、むこうもそういう体制でやってるんじゃないの?」

 

日頃おっとりした性格なのに、珍しくせっかちな妻。というかこれだけの状況になっていてせっかちにならない私が異常なのか。

 

確かに、私のチェックした法律事務所「サンク総合法律事務所」では、電話24時間受付と表示されていました。

ここはスピード感が必要だな、と思った私は、

 

「解ったよ。とりあえず電話して参考になりそうな所リストアップするから5分頂戴」

 

と云い、どんな基準で電話で相談する先をリストアップしたら良いかを考え始めました。

 

私は仕事で弁護士事務所を使うことがあるのですが、新規の弁護士事務所を選定する時、「債務整理」や「過払金返還請求」等を取り扱っている弁護士事務所とは取引しないことにしています。

 

何故なら、「債務整理」や「過払金返還請求」を取り扱っている弁護士事務所は、M&Aや知財訴訟等の一般の企業法務の実績が余りない事務所と決まっているからです。

 

仕事ではその様な事務所を避けている私が、個人的に相談する羽目になるのも皮肉だな、とか思いつつ、最大手のアディーレ法律事務所のウェブサイトを調べてみました。

 

「債務整理」や「過払金返還請求」の仕組みはまだ十分には理解していませんが、確か弁護士業務と云いつつ、殆ど弁護士が登場する場面はなく、銀行やカード会社と云った債権者との書類のやりとりだけの業務のはずなので、事務処理能力が高い=実績が多いこと、が一つの選定基準だな、と考えました。

 

アディーレ法律事務所の債務整理の相談件数は、2014年の段階で10万件となっています。

相談実績であり、取扱実績ではなさそうですが、電話で相談した人の1%が依頼したとしても2014年の時点で1千件以上の取扱実績が有ると考えて良さそうです。

 

そこで、「債務整理 弁護士事務所 比較」というキーワードでランキング上位に入っている弁護士事務所の取扱(相談)実績を調べてみました。

 

アディーレはダントツ1位で、2位のサンク総合法律事務所は600件、3位の東京ロータス法律事務所が500件でした。この3社はいずれも24時間電話対応しています。

 

もう11時半近いので、電話1件で30分で終わったとしても、明日会社も有るので3件が限界だな、と思い、

 

「とりあえず3件ピックアップしたよ、今から電話しようと思う」

 

「私も傍で聞いているから電話して」

 

ということで、電話することにしました。

 

順番は何となくですが、相談(取扱)実績3位の東京ロータス法律事務所から、掛けることにします。

 

携帯からフリーダイヤルに電話すると、3コールほど鳴って、年配の女性の声が応答しました。

 

「東京ロータス法律事務所です。」

 

「私は、〇〇と申します。債務整理の件でご相談があるのですが」

 

「かしこまりました。担当におつなぎします。担当におつなぎする前に一つ教えていただきたいのですが、この電話番号を何でお知りになったのでしょうか?CMでしょうか。当事務所とは関係ないウェブサイト経由でしょうか?それとも当社のウェブサイトを直接ご覧になられてでしょうか?」

 

何のアンケートだろう?と思いつつ、

 

「債務整理 弁護士事務所 比較」というキーワードで検索して出て来たサイトから、貴社弁護士事務所のサイトにアクセスしました」

 

「判りました。担当と代わります。しばらくお待ちください」

 

と云った声の切れ目で、周囲でも同じように電話を受けている女性の声が聞こえました。

 

平日の夜中なのに、結構相談が多いのかな?とか思いつつ電話を待ちます。

 

2分ほど経って、別の女性が電話に出ました。

 

「お待たせしました、〇〇と申します。債務整理の件でご相談があるとか」

 

「借金を抱えてまして、債務整理を検討しているのですが」と切り出す私。

 

そこからは、電話番号、債務の額や借りている銀行・カード会社の名称、そして月収・ボーナスの額等について20分ほどヒアリングされました。

 

「状況は判りました。只今の時間は弁護士が電話に出れないので、弁護士の空いている時間に事務所にお越しいただく事になりますが。」と担当の女性が言いました。

 

あれ、相談と言いつつ、こちらから情報を収集されただけなのか、と思いました。

 

「現時点で良いので、どの様な方向性で進めるかアドバイスはいただけないのでしょうか」と聞く私。

 

「ご来社されましたら、弁護士からご説明させていただきます。現時点では私からはアドバイス出来ません」

 

うーん、やはり電話相談24時間対応中と言いつつ、どの様なスキームで検討したら良いかなどの肝心な事は会ってからでないと教えてくれない模様

 

しょうがないか、と思いつつ、次の土曜で弁護士が対応可能らしいので、予定をセッティングする。

 

「私も一緒に行く。本当の事を喋って貰わないと困るもの」と妻。

 

信用を失った代償は大きいなと考えながらも、弁護士とのアポが取れたので一安心する。

 

東京ロータス法律事務所所在地は秋葉原。

 

うーん、シャビーな事務所な気がする、と思いながら、次のサンク総合法律事務所に電話を掛ける。

 

こちらは、旧名を樋口総合法律事務所というらしい。時間は既に夜中の12時を回っています。

 

女性が電話窓口に出ました。

 

「私、〇〇と申します。債務整理の件でご相談があるのですが」

 

「かしこまりました。担当におつなぎします。担当におつなぎする前に一つ教えていただきたいのですが、この電話番号を何でお知りになったのでしょうか?CMでしょうか。当事務所とは関係ないウェブサイト経由でしょうか?それとも当社のウェブサイトを直接ご覧になられてでしょうか?」

 

うーん、先程の東京ロータス法律事務所と全く同じパターン。

 

どうやら、ここも東京ロータスも効果的なマーケティング方法について、ヒアリングしている模様

 

ここも期待出来ないかな?とか思いつつ、先程と同じ返答をする。

 

「それでは、少しお待ち下さい。」と言われ、待つこと数分。

 

「担当が今別の電話に出ています。差し支えなければ折り返しお電話させていただいても良いでしょうか?」と言われたので、応諾。

 

数分後に電話が掛かってきて、電話に出たところ、相手は男性でした。

 

「はじめまして、サンク総合法律事務所のWです。」

 

あれ、男性なんだ、と思いつつ、

 

「借金を抱えてまして、債務整理を検討しているのですが」と切り出す私。

 

そこからは、電話番号、債務の額や借りている銀行・カード会社の名称、そして月収・ボーナスの額等について20分ほどヒアリングされました。ここまでは東京ロータスと全く同じパターン。

 

今回もダメ元で聞いてやれと思いつつ、

 

「現時点で良いので、どの様な方向性で進めるかアドバイスはいただけないのでしょうか」と聞いてみました。

 

そうすると、このW氏は、「私見ではありますが、、、」と前置きし、色々と教えてくれました

 

私の場合は、年収が一定水準以上あるので、個人再生や自己破産は認められない可能性が高いこと。

 

任意整理はボーナスでの増額払いが認められるケースが多いので、ボーナス以外の月の返済額は相当抑えられること。

 

月収から判断するに、月12〜15万円ほどは支払える可能性があることから、月12万円でまずは債権者と交渉するのが良いのではないか、というのがW氏のアドバイスでした。

 

妻も横で電話を聞いていて、「月12万円位なら」というトーンなので、今の月24万円という返済額と比較すると半額に抑えられる、ということに軽く安堵しました。

 

そこで、気になる質問を2つぶつけてみました。

 

まず一つ目の質問:「任意整理では会社にバレる可能性は無いのですか?」

 

会社にバレる可能性はゼロとは言いませんが、極めて低いです。我々弁護士事務所が間に入りますので、会社に電話が入ることはまず有りません。」

 

「個人再生の場合はバレるのでしょうか?」

 

個人再生は裁判所の判断が出た時点で個人名が公告されます。よってバレる可能性も出てきます。」

 

あー、この時点で任意整理しかないな、と確信した瞬間でした。

 

そして2つ目の質問:「今の生活水準を余り落としたくないのですが。具体的にはもっと家賃の安い家に引っ越ししろ、とか言われる可能性は無いですか?」

 

任意整理は個人の財産を処分する事態になることはありません

 

あー良かったと心から安堵した瞬間でした。

 

このW氏に丁寧な説明をしていただいたお礼を言い、弁護士とのアポを取りました。

 

近い日だと来週月曜の午前しか空いていない、とのことだったので、妻に会社を休めるかをヒアリングし、午前11時に神保町のビルで面談することになりました。

(注:今では八丁堀に事務所は移転しています)

 

アポを取り終わり、費用についてヒアリングした後、最後にW氏に

 

「失礼ですが、Wさんは弁護士の資格をお持ちなんですか?」

 

「いいえ、私は1アシスタントで、弁護士ではありません」

 

レベルが高いなと思いましたので、サンク総合法律事務所にお願いしようと決めました

 

電話を切るともう1時近くです。妻に、

 

「アディーレ明日で良い?なんとなく方向性も出たし、もう遅いから」

 

「良いわよ。でも一つ言っておくけど、月12万円は家計から出さないからね。バイトでも何でもして支払って貰うから。方向性出たからって、私は全く許してないからね。」

 

ここから、私の1200万円完済への道がスタートしました。

 

 

「家の話なんだけどね、、、」

と切り出す私。

妻は曇りの無い表情でこちらを見ている。

 

この表情が悲しみに変わってしまうのか、、、

 

「僕に負債が有ってさ」

 

「どういう意味?」

 

ちょっと飲み込めない様子の妻。

 

さすがに唐突過ぎたのか。それとも「負債」という言葉が判りにくかったのか。

 

借金が有ってね。家を買うところじゃないんだよ

 

「えっ」

やっと意味がわかった様子。

 

「幾ら?」

 

「うーんと4百万円位」

 

本当の私の負債の残高は1200万円位です。

 

でも何故か、この時は400万円と言ってしまいました。
 

本当の事を言ってしまえば楽になるのに。
でも、「負債の金額が小さければ、許してくれるかもしれない」なんていう甘い認識が有ったのかもしれません。

 

また、4百万円は私のクレジットカードの借入総額とほぼ一緒でした。
 

クレジットカードの平均返済期間は2.5年。
カードローンの平均返済期間は7年。
 

クレジットカードの方が借入総額が少なくても、月々の返済金額は同程度なのです。

 

4百万円なんとか家計から返して貰えれば、カードローンの返済額は月10万円少々。
 

それだったら何とか誤魔化しながら返済していけるのでは?
などと、この期に及んでまだそんな打算が有りました。

 

「え、そんなに?さすがに私の手持ちでは返せないわ」

 

意外と冷静な反応かと思いきや、そこからは質問の嵐でした。

 

「何でそんな借金作ったの?」
「何でもっと早く言ってくれなかったの?」
「一体どうするつもりなの?」

 

そもそもの借金の詳しい経緯は、別の機会に書こうと思いますが、発端は転職でした。

 

以前居た会社がどうしても馴染めず、自分に合った会社に転職したのですが、給料が下がってしまったのです。

 

でも生活水準は下げられませんでした。

 

妻にいい格好したかった私は、給料がどれ位下がったのかを告げず、貯金を取り崩し、挙げ句の果てに借金をしてしまったのでした。

 

そしていつの間にか膨れ上がった借金を妻に告げず、何とか転売やアフィリエイトなどの副業で返そうとしていたのですが、一向に成果が上がらず、借金だけが雪だるま式に増えてしまったのでした。

 

それから会社も変わり、収入もやや持ち直しはしたのですが、借金は減らずむしろ増加する一方でした。

 

元々は自分が悪かったのですが、けしてギャンブルや酒に使ったわけではないので、妻も判ってくれるのでは?と淡い期待が有りました。

 

しかしその期待は脆くも消え去りました。

 

「最低」

 

可愛い妻の厳しい言葉が心を切り裂きます。

妻の父親はややお金に甘い人だったので、妻と妻のお母さんは昔から苦労していた様でした。

 

そして、自分の結婚した人が借金を作っていたなんて、、、

 

妻はどんなに絶望したことでしょう。

 

しかも娘は3歳で可愛い盛り。

 

私立の幼稚園も決まったばかりです。

 

そこからはもう罵倒の嵐でした。

 

「信じられない、母になんて言えば良いの?」
「娘がどんなに不幸になるか考えたことないの?」
「嘘って言って」

 

性格が良く、お人好しの妻から厳しい言葉が出てきます。

 

しかも、私は借金の全容を打ち明けていないのです。
1,200万円の借金のうち、妻に打ち明けたのは400万円程度。

 

でもこの時は、何とか妻に許してもらいたい気持ちで低めの金額を言ってしまったのでした。

 

結局、この日は夜の22時から1時まで問い詰められていたのですが、妻も私も疲れて寝てしまいました。

 

次の日は日曜日。

遊びたい盛りの娘が公園に行こうと誘ってきます。

本当は家に居場所なんて無いはずなのですが、まだ3歳の娘は父が家族に嘘を付いていたなどと知るよしもなく、じゃれついて来ます。

 

結局、終日娘と遊び、妻とは日中ろくに会話すらしませんでした。

会話をしたのは娘が寝静まった後。

 

どうやってお金返すの?

 

カミングアウトするまでは、妻からいくばくかの援助が得られるのでは?と思っていましたが、どうやらそれも難しい様です。

 

そうすると、実家の母に泣きつく位しか考えられません。

父は既に他界して7年ほど経っています。

 

「とりあえず母に相談してみるよ」

 

「でもお母さん一人暮らしでしょう。当ては有るの?」

 

そんなの有るはずも有りません。だって妻にカミングアウトしたのが初なんですから。

 

しかも母はお金には厳しいので、簡単には貸してくれるとは思えませんし、そもそも貸すだけのお金が有るかも分かりません。

 

でも、この妻との冷たい雰囲気を打破するためには、1%でも可能性のある話をしないと今すぐ「離婚」と言われそうで、怖かったのです。

 

次の日は会社でしたので、私は12時過ぎには寝ましたが、妻は結構遅くまで起きていた様でした。

 

次の日、会社で携帯に妻からLINEが入りました。

 

家に居ても居づらいでしょうから、明日にでも実家に帰られたらどうでしょう?

 

かなり焦りました。別居か、、、そして離婚、、、

などとネガティブな想像が膨らみました。

 

しかししばらくして、まあでも仕方がない、と腹をくくり、夕方実家の母に電話をしました。

 

家に帰られせてほしいという私に理由を聞く母。

 

理由は借金と説明すると、電話の向こうで切れまくる母。

 

これはお金を借りるのは無理だな、、と思いましたが、とりあえず家にも居れなそうなので、泊まらせてくれと懇願しました。

 

布団だけ貸してやる、という母にお礼を云うと、職場に戻り仕事を片付けます。

 

当然、仕事には身が入りません。

 

家に帰ったのは九時過ぎ。娘は寝ており、妻は私と目を合わそうともしません。

 

しかも妻はユニクロで1週間分の私の下着を購入して来ていました。

 

これは1週間位帰って来るなという合図だな。

 

已む無く、次の日から実家に泊まれる様、1週間ほどの衣服を旅行バッグに詰めます。

 

「反省したら帰って来るね。あとお金のことも今後どうするかしっかり考える」

無言でうなずく妻。とりあえず1週間の生活費として1万円貰いました。

 

翌日、大きなバックを抱えて出かける私に、何も知らず「いってらっしゃい」と声を掛けてくれる娘の声が心に突き刺さりました。

 

その日は職場から郊外の実家に帰りました。

 

母にはこっぴどく怒られ、怒鳴られた後、少しでも良いから貸してほしいというお金の話を切り出そうとしましたが、先に「貸す気もないし、貸す金もない」と釘を刺されてしまいました。
 

こうなると母の性格上絶対に貸してくれません。

 

加えて、母は体調を崩しており、寝るのも辛そうでした。

 

この状況の母からは借りれないな、と感じた私は、一晩考えやはり妻と娘の居る家に帰ってひたすら謝るしかない、と心に決めました。

 

でも、妻に借金は400万円と説明してしまっている以上、母にも借金が実は1200万円も有るなんてことは言えません。

 

怒りながらも心から心配してくれる母に嘘を付くことは大変心が痛みましたが、家族を守るためだ、とか勝手な理屈を付けて、自分を正当化しました。


次の日は会社から実家に早く帰り、荷物をまとめて自分の家に帰りました。家に帰る途中、妻には家に帰るとは連絡しませんでした。

 

帰ると連絡すると、色々聞かれるに決まっています。

 

どう反省したのか、とか借金をどう返済して行くのか、とか。

 

電話やメールで話しても上手く説明出来るとは思えません。

 

だったら直接も謝ってしまおうと思いました。

 

家に帰ると、妻がびっくりした様子で出てきて「もう帰ってきたの」と言いました。

 

「いや、直接話ししたいと思って」と言うと、「判った」と言ってくれました。

 

娘はもう寝ているので、早速本題に入ろうかと思い、椅子に座りました。

 

「ええとね、、、」と切り出そうとする私の機先を制する様に、妻が言いました。

 

「待って、私からも一つ確認したいことがあるの」

 

借金って本当に400万円なの?

 

いきなりグサっと来ましたが、「そうだよ」と切り返す私。

 

「本当に本当?これが最後のチャンスだよ?」

 

「本当に本当」

 

「じゃ、これ何?悪いけど机の中を調べさせて貰ったわ。これってクレジットカードじゃなくて銀行のローンよね。私あんまり詳しくないけど」

 

それは某都市銀行のローンカードが発行されたときの借入枠を表示した紙でした。そこには「借入可能額250万円」と金額が明記されています。

 

私の机の引き出しにしまっていたものでした。

まさか妻が開けるとは。甘かった、、、もう離婚確定、、、

 

と思った私は打ちのめされましたが、妻の顔を直視しました。恐らくカミングアウトして以来初めて。

妻の目は真っ直ぐでした。この人は本当に事実を知りたいと思っている、そう思いました。

 

全てを打ち明けてしまおう、借金の総額も全て話そう、どうせ離婚するなら全て話した方がスッキリする、そう思いました。

 

「ちょっと待ってね。」と私は言い、PCを開いて、エクセルにカード・銀行全ての名前と大よその借入額を記載しました。

 

「これが僕の借入の全明細」

 

その金額を見た妻の顔は一瞬引きつりそして、

 

すぐに専門家に相談して下さい

 

と言いました。

もう無理だ、、、

 

と私が思ったのはつい3ヶ月ほど前、GW明けのことでした。

何でこんな事を思ったのかというと、私は当時1200万円ほどの借金を家族に内緒で抱えていたのです。

 

「1200万円ほど」ってアバウトですね!!と思った方。

確かにそうかもしれません。

でも人間って、借金が膨らむと、自分がどれ位借金を抱えているのか、確認したいと思わなくなるのだと思います。

 

いつかなんとかなるんじゃないか」そんな曖昧な希望にすがるため、自分がどれ位の負債を背負っているのかを確認することから逃げてしまうのです。

クレジットカードは6枚位持ってました。どれもだいたい限度額いっぱい。そしてカードローンも何枚か付いてます。 そして銀行系ローン2社とノンバンクのローン2社。 財布はカードでパンパンです。

 

1ヶ月のうち、私が最も憂鬱になるのは10日と27日でした。 この2日は、会社の人とランチには行かず、銀行のATM回りをします。 ギリギリ借入枠の有るノンバンクから12万円借り、カードの返済や他の銀行系ローンの返済に充てます。 返済と言っても。半分は金利このATM回り1回で6万円借金が増えて行く感じです。

こんな日が月2回なので月当たり12万円負債の元本が増えて行く感じです。 更に始末が悪いのが金利。だいたい年利12%位なので、1200万円近い借金が有ると、年間140万円の金利。一月当たり12万円位です。 つまり、
元本と金利合わせて24万円位が毎月増えて行く感じでした。

 

家計は完全に妻に任せているので、私の収入は小遣いの2万円。

どうやっても帳尻が合うはずが有りません。

 

足らずまいの20万円は副業で稼ごう、とか思っていましたが、最も稼げた月でも月3万円位。 バイトをしようにも、妻への言い訳も考えつかず、ただただ呆然と自分の借り入れ可能残高が限界に近づくのを待っているだけでした。

 

それでもあと20〜30万円位借り入れ可能残高が有ったので、「あと1ヶ月でなんとかなるさ」と思おうとしていた矢先、妻からこんな打診が有りました。

 

「近所に新築のマンションが建つらしいの。見に行きたいんだけど」

 

少し前まで娘の幼稚園入園などで忙しかった妻、時間にやや余裕が出来たのか、気づくと家の間取り図を見ている事が多く、嫌な予感がしていました。

 

多重債務者の僕にお金を貸してくれる銀行なんて有るわけないだろ」と心の中で思うのですが、そんな私の心中を察するべくもない妻は、うれしそうにマンションの話をします。

 

心が痛い、、、

 

つい「実は借金が有って」と打ち明けたくはなるのですが、可愛い妻の嬉しそうな様子を見ると、「黙っているのが良いんだ」と勝手に正当化してしまいました。

 

そんなこんなで流されて、マンションの内覧をし、熱心な不動産業者の営業トークを聞いたあと、妻が私に相談してきました。

 

「どう?リーズナブルだと思わない?」と目を輝かせて私に迫って来たのが5月中旬の日曜日の夜でした。

 

確かに、私の近隣のエリアの中ではリーズナブルな物件でした。 娘の幼稚園はやや遠くなるのですが、自転車でギリギリ通える範囲。 私の通勤にもほぼ影響は有りません。 広い公園は近くに有るし、周辺環境は静か、物件のスペック・間取りも問題有りませんでした。

 

「むしろ問題有ってくれた方がありがたいんだけど」というのが、私の心中なのですが、今回の物件は色々な面から見ても余り文句の付けようが有りませんでした。 しかも私は40過ぎ。家を買うにはそろそろ限界の年齢です。

 

「1週間待って。良く考えるから。」

 

回答を引き伸ばすのがやっとでした。

 

それからの1週間は本当に生きた心地がしませんでした。

 

家に帰って来ると、娘が「パパお帰りなさーい」と駆け寄って来ます。

夕飯を食べていても妻・娘の会話が全く耳に入って来ません。 考えていることはただ一つ。

 

この可愛い娘を、妻を失いたくない。

 

仕事中も借金の事ばかり考えてしまいます。 トイレに行く回数も多くなり、トイレでスマホを片手に、アフィリエイトの微々たる入金額を確認したり、カードの返済額を確認したり。

 

席に戻っても、

借金、離婚、自殺、、、

なんて言葉が頭をよぎります。

 

そして、ついに1週間後がやってきました。

 

「マンションの件、夜に話ししようか」と妻に軽く振ります。 何も疑うことを知らない可愛い妻が首を縦に振ります。

 

あー、もうすぐ壊れてしまうのか。

 

現実逃避をする様に娘を公園に連れて行き、娘とサッカーをします。

都内でも有名な結構大きな公園で、周囲は賑わっています。

 

「この人達が好意で一人1000円僕にくれたら、あっという間に借金返せるのに」とか馬鹿な事を考えたりしました。

 

そして家に帰り、娘が寝たあと、ついに私は妻に自分の借金をカミングアウトする決心をしました。 私は下戸なのですが、冷蔵庫から缶ビールを取り出し、2つのグラスに注ぎました。

 

「じゃあ話しようか」と妻に声をかけます。

 

「何か暗い出だしだね。」

 

先週見たマンションについて、私がネガティブなコメントをするのでは?と警戒する妻。

 

「いや、実はね、、、」と切り出す私。

 

次回に続きます。

 私は訳あって1200万円超の借金を抱える多重債務者となりましたが、妻にカミングアウトし、任意整理というスキームで少額返済を進めて行くこととなりました。

 

 カミングアウトするまでは、多重債務の法的整理(債務整理)については全くと言って言いほど素人だったのですが、債務整理の専門家である弁護士の先生に相談をする中で、自分に最も適した債務整理の方法について調べましたので、何故任意整理を選択するに至ったのかを以下に記載させていただきます。

 

任意整理・民事再生・自己破産の関係

 債務整理の方法には、任意整理・民事再生・自己破産という3つの方法が有り、これらを総称して債務整理と呼びます。以下で、3つの大まかな制度を比較しながら見て行くことに致します。

 

まず任意整理とは、利息制限法で定められた法定利息(15〜20%)まで減額された借入金額を、3〜5年間で返済して行く手続きです。
返済期間については、任意整理は「原則3年間」となっていますが、実際3年間で返済しきれるケースは稀であるため、最大5年間での返済するケースが多くなっている様です。

 

次に、「民事再生」とは、住宅を所有している場合等に、住宅を処分することなく、およそ5分の1程度に減額された借金を原則として3年間で返済して行く手続きです。
(なお、住宅ローンについては支払方法の見直しは可能ですが、一切減額されない点に注意が必要です)

 

最後に「自己破産」とは、債務者の現在・将来の収入・財産によって借金を返済することが著しく困難であることを裁判所に認めて貰い、法的に借金をなくして貰う手続きです。

 

下の表は、上記3種類の債務整理を「借金」「財産」「期間」「債権者(銀行・カード会社等)」「勤め先への影響」「費用」について、記載したものです。

 

私が任意整理を選択した理由

私が任意整理を選択した最大の理由は、「任意整理は会社にバレる可能性がゼロ(著しく低い)」からです。
私は自分の多重債務を妻にカミングアウトし、妻に相当怒られはしたものの、何とか家に置いて貰っています。
その最大の理由は娘が居るからですが、私の今の勤務先からの稼ぎが無ければ、一家が路頭に迷うことになってしまいますし、勤務先からクビを言い渡されること=離婚を意味します。

 

よって、私がどの方法で債務整理を進めるかを検討した際に、一番重要視したのは、「会社にバレないこと」「生活環境が大きく変わらないこと」でした。
借金が大幅に減ったとしても、年収が大幅に減ってしまえば、返済は厳しくなり、家族からも見放されてしまうことでしょう。

 

任意整理は、銀行やカード会社等の債権者との交渉は個別に行われます。また、交渉は私が行うのではなく、弁護士や司法書士が代理人として間に入りますので、債権者が会社や携帯にガンガン電話を掛けて来るという事態も発生しません

実際、私は任意整理のスキームを選択して弁護士事務所に手続きを依頼してから4ヶ月が経ちますが、会社に銀行/カード会社から電話1本掛かって来たことも有りません。
また、債権者側からしても、任意整理を選択した人は金利は払ってくれませんが、今後数年に渡って元本を返して貰わなければならない相手である為、勤務先に無理に電話をしてクビになる様な事態になってしまっては債権者も困ることとなります。
ですので、債権者側も勤め先に電話を掛けてくることなどありません

 

また、私はこんな債務を抱えてしまいましたが、絶対に妻・娘とは別れたくありませんでした。
今、私達一家が住んでいるエリアは家賃は高いですが、非常に子育てし易い環境に有り、また娘の幼稚園にも近いというメリットもあります。
妻・娘と一緒に生活を続ける前提条件として、そんな生活環境を出来る限り変えたくない、と思っていました。
債務整理を申請したら、怖いグラサンを掛けた取り立ての人がやってきて、家財道具一式を処分させられ、ボロボロのアパートに引っ越しをさせられる、そんなのドラマの世界でしかないと判っていても、やはり怖いものです。
しかし、任意整理は、財産処分については一切要求されることはありませんので、私としては非常に選択しやすかったです。

 

よって任意整理は、サラリーマン多重債務者向けの債務整理スキームである、といえると思います。

じゃあ任意整理って良い点ばかりなのか、というとそうでも有りません。

 

任意整理は、金利を支払う必要は無くなり、グレーゾーン金利での借入をしていた場合はその金利が正常な金利水準で引き直し計算されますが、元本部分についてはほぼ減額されません

私のケースで言えば、任意整理を申請した時点で1200万円の債務(元本)が有りましたが、この債務とほぼ同額を5年間で返済しなければならない事になります。

 

この元本が殆ど減らないという点については、債務が5分の1程度に減る民事再生、債務がほぼゼロとなる自己破産とは大きく異なります。

 

また、自己破産や民事再生同様、任意整理も申請すると信用情報機関に事故登録されますので、債務を完済してからも5年ほどは新たな借入やローンを組む事は出来ません
 

任意整理の概要(メリット・デメリット)

それでは、任意整理のメリット・デメリットについて、以下でご説明させていただきます。

任意整理のメリット

まず、大きなメリットとしては、債権者との交渉の結果によって、法定金利まで借金を減額し、これまでの遅延損害金、今後発生する金利をカットする事が可能です。
また、任意整理は各債務者との個別の和解ですので、債務整理はするけれども、車だけは手放したく無い場合、自動車のローンは任意整理をせず、これまで通り支払い続けて、その他の借金を任意整理するという様に、柔軟に債務整理をすることが可能な点も挙げられます。
更に任意整理は自己破産と異なり、財産の処分が一切無い点もメリットとなります。

任意整理のデメリット

任意整理の場合、借金が利息制限法で定められた法定金利(15〜20%)まで減額されますが、自己破産や民事再生の様に借金がなくなる、もしくは大幅に減額されるということは殆どなく、借金の減額が少ないという点が任意整理のデメリットになります。
ちなみに、法定金利内の借金については、殆ど減額することが出来ません。

 

なお、信用情報機関に事故情報(いわゆる「ブラックリスト」)が記録されてしまう点は、民事再生・自己破産と同様です。また、任意整理では、債権者との交渉により、総債務の100分の1程度の額を月々返済(ボーナス時には100分の5程度)して行くわけですが、その支払を2回延滞してしまうと自動的に自己破産に移行すると弁護士から言われています。

気になる費用は?

任意整理やその他の債務整理のスキームについて、ざっと説明して参りました。

任意整理やその他債務整理は弁護士・司法書士に委託するのが一般的ですが、そんな人達に委託すると結構費用が掛かってしまうのでは?

と考えた方、至極まともです。

折角債務整理をしようと思ったのに、その債務整理のための費用が嵩んでしまっては元も子も無いですからね。

でも、最近の任意整理の費用はしごくリーズナブルです。

任意整理のだいたいの相場は、債権者(銀行・カード会社等)1社当たり5〜6万円です。

私は銀行・カード併せて11社から借入をしていたので、66万円費用がかかりました。

66万円って結構重い費用負担だよなと思う方、ご安心下さい。

どこの弁護士・司法書士でも分割払いに応じてくれます

 

任意整理では、債権者との交渉開始から和解成立まで約6ヶ月掛かるので、その間に弁護士・司法書士への費用を前もって分割払いするイメージです。

最近ではこの債務整理を取り扱う弁護士・司法書士が増えていますので、競争原理が働いて費用が安くなっている、というのは債務整理を検討する人たちにとっては有利な状況です。

弁護士・司法書士を選ぶ際の基準は?

債務整理を取り扱う弁護士・司法書士が増えて来た、と書きました。
じゃあ一体そんな中からどうやって信用出来る弁護士・司法書士を選ぶの?と思われた人もいるかもしれません。

私も同じ悩みに直面しました。

私の弁護士の選定基準

弁護士と仕事をする機会の多い私は、債務整理を取り扱う弁護士がどの様な人たちか良く知っています。

一言で言ってしまうと、債務整理を取り扱う様な弁護士は、まともな仕事では食べれない二流弁護士であることが多いです。

弁護士業界も人が余ってきてしまいましたので、仕事の出来ない/実績の無い人達は高い報酬を得られる企業弁護士等の仕事に就きにくくなります。

そんな人たちは食べるために仕方なく債務整理等の簡単な仕事に付くのです。

実際、私が仕事で新規の弁護士事務所を選ぶ際は、債務整理や過払い金返還請求などの仕事をしていない、一流事務所を選ぶ様にしています。

そんな私が債務整理をすることになったのは、少し笑える話ですが、いざ自分のために選ぶとなると必死です。

私の場合は、以下の2点を基準にしました。

1.ウェブサイトに載っている取扱件数が1000件以上

2.実際に電話を掛けた際に親身に相談に乗ってくれるかどうか

債務整理や過払金返還請求などについては、弁護士の出る幕は殆ど有りません。

ただ債権者に発送する受任通知に名前をサインする位で、ほぼ債権者とのやりとりを粛々とこなす事務処理の世界です。

ですので、取扱実績が多い=事務処理能力が高い=債務整理をきちんとこなせる、と考え、1の基準を設定しました。

1,000件以上というのはなんとなくの数字です。

ちなみに、最大手のアディーレは2014年の段階で相談実績10万件を超えています。

じゃあ相談件数№1のアディーレにお願いするのが一番なのでは?と私も思いました。

でもそこは人間です。最後は信用出来る人に任せようと思うのが人情。

というかギリギリの状態でしたので、必死だったのですが、電話で相談した際に最も親身に相談に乗ってくれたのはアディーレではなく、サンク総合法律事務所(旧樋口総合法律事務所)という事務所でした。

私が妻に自分が1200万円の債務を抱える多重債務者だとカミングアウトした日、妻から一刻も早く専門家に相談する様に言われ、夜中の12時に電話したにも関わらず、親身に相談に乗ってくれたのがサンク総合法律事務所(旧樋口総合法律事務所)でした。

アディーレともう1社岡田法律事務所という事務所は、電話では債務額と借入先、年収について聞かれ、あとは「実際に面談してご説明します」と言われただけでしたが、サンク総合法律事務所(旧樋口総合法律事務所)は担当の方が債務整理のスキームの大枠から任意整理のメリットまで、1時間弱に渡り丁寧に説明してくれました

あの時は、妻に明確な道のりを示してあげないと離婚、という状況でしたので、丁寧に説明してくれたことに非常に感謝しました。

ですので、私は取扱実績の他に、電話での説明が丁寧なこと、というのを基準として設定しています。