こんにちは、元消防士のススムです。
今回の記事では消防士のリアルな実態を解説していきます。
はじめに結論を伝えると、消防士はめっちゃ楽で高待遇のお仕事です。私自身、色々な職業を転々としましたが、消防士を辞めたことは後悔しています。
それでは、そんな消防士の実態を解説していきます。
消防士は楽?大変?
先ほどもお伝えしましたが、消防士は楽です!
消防士を辞めた今だから言えることですが、仕事も楽で休みも多いので最高に近い仕事だと思います。
ですが、命に関わるお仕事なので向き不向きはあると思いますし、悪いところももちろんあります。
ただ、悪い所より良い所の方が圧倒的に多いです。個人的に消防士ほど高待遇で休みが多い仕事と出会ったことはありません。
消防士の良い所3つ
続いては消防士をしていて特に良いと感じた3つの事を解説していきます。
今のところ、記事の最初から「消防士は良いぞ!」とばかり解説してますが、ご安心ください、後半で消防士の悪い所もしっかり解説していきます。
それでは消防士の特に良い所3つを伝えていきます。
①:給与が良い
まず消防士の魅力は給料が高い事です!
年収は4年くらいで500万を超えます。しっかりとキャリアを積んでいけば年収1,000万を狙える職業です。
ただ、目指している年収がすごく高くて安定した給料が嫌な人には物足りないかもしれません。しかしながら4年目で年収500万円を超えるので、十分良い給料だと思います。
②:休みが多い
消防士はとにかく休みが多いです。もちろん24時間勤務なので、疲労は溜まりますし生活リズムは不規則ですが、辛いのは最初だけで慣れてくれば気になりません。
感覚的には1日仕事をして2日休んでの繰り返しです。
あとは、会社員だと休日休みに出かけたりすることが多くて、混んでいることがあると思うんですが、消防士は平日休みを使って旅行にいけたりするのでもう最高です!
③:そしてそして、モテます
信じられないかもしれませんが、こちらが消防士だと知った途端、女性の態度が変わります。明らかに良い物件を見つけたというような目つきになります笑
合コンも多いので、遊びまくりたい!という方にも消防士はピッタリだと思います。
消防士をやって感じたギャップ
仕事をする上で、始める前と始めた後で感じたギャップは重要ですよね。実は志高く消防士を目指している人ほどギャップを感じるかもしれません。
理由は、助けらない命の方が多いからです。
よく映画などでもありますが、人の命を救う瞬間ってほんとにかっこいいですよね。私もそういうのに憧れて消防士を目指した一人です。
しかし、現実は既にご遺体だったり、もう間に合わないって事が多いです。私はそこに一番苦しみました。人を助けるために消防士になったのに、ご遺体を見ることの方が多い。それはこれから消防士を目指す方には知っておいてもらいたいです。
自分の命が危なかった事はある?
私は、命の危機まで感じたことはありませんが、やはり火の中はほんとに熱いです。
初めて火事の現場で火の中に入った時、想像の何十倍も熱かったのを覚えています。そして暗くて何も見えませんし、声もほとんど聞こえないのでほんとに怖いです。
最初の頃は先輩がリードしてくれて何度も助けられました。
命の危険は確実にあります。多いのが「床抜け」というもので、住宅の2階などで活動している時に、火の勢いで床が抜けて1階まで落ちてしまうことです。
「2階から1階くらいだったら大丈夫では?」と思うかもしれませんが、火事の現場なので勝手が変わります。
消防隊員は空気呼吸器なども装備していますし、崩れた物の下敷きになってしまう可能性だってあります。
私もこの「床抜け」で実際に殉職してしまった方を知っています。
なので「火事の現場では床の真ん中は通るな!」とよく言われていました。
床の端だったら、床が抜けても土台の鉄骨などが残っている可能性があるのでリスクは減らせます。
今、振り返るとそうやって指導してくださった方々のおかげで、命の危険を感じずに済んだのかもしれません。
消防士の一日の流れ
続いては肝心の消防士のスケジュールです。
地方によって多少違いはあると思いますが、私が勤めていた所の話をさせてもらいますと、8:30〜翌日8:30までの24時間勤務です。
スケジュールはこんな感じになります。
・7:45
【出勤】大交替までに自分の使う装備品などを準備します。自分で持ってきた朝ごはんを食べたりもします。
・8:30〜8:40
【大交替】前日の勤務員達から申し送りを受け交替します。
・8:40〜9:30
【点検】消防車や資器材に異常がないかを点検します。
・9:30〜11:30
【訓練】火災や交通事故など様々な災害を想定した訓練を行います。
・11:30〜13:00
【食事、休憩】消防署によってはお昼を自分達で作ります。
・13:00〜17:00
【訓練、事務処理、食事作り】基本的には訓練を行いますが、来客対応や事務処理も行います。みんなで協力して夜ご飯も作ります。
・17:00〜18::00
【食事、休憩】夜ご飯と休憩の時間です。
・18::00〜18:10
【点検】日夕点検といって日中の最後に消防車の点検をします。
・18:30〜19:00
【示達】その日の反省や大切な伝達事項の共有、書類の確認などをします。
・19:00〜23:30
【自由時間】ここでの時間の使い方はほんとに人それぞれです。あまりこんなことを言いたくはないですが、ずっとテレビを見てる人もいます。
多くの人は、その日の反復訓練をしたり、体力トレーニングをしたりします。また食事当番の人は朝ごはんを作ります。
・0:00〜6:00
【仮眠時間(通信勤務)】仮眠に入る時間は人それぞれです。若い子達は遅くまで訓練をしていて仮眠時間は少ない傾向にあります。
そして1時間交替で通信勤務という仕事があり、常に一人は起きている状況にして います。
・6:00
【起床】放送で起床します。その後、コーヒーを飲んだりしながら少しだけゆっくりして、庁舎や庁舎周りの清掃、消防車の整備を始めます。
・7:00〜
【食事】朝ごはんを食べます。
・7:30〜8:20
【申し送り】この時間帯から次の勤務員達が出勤してくるので、それぞれの係ごとに申し送りを始めます。
・8:30〜8:40
【大交替】ここで次の勤務員と交替をして、個人装備品の片付けを始めます。
・8:40〜
【各自退勤】早い人だと9:00には退勤します。残っている事務処理などがあれば終わらせて帰ります。ただ、若手は食堂の片付けなどがあります。どんなに遅くてもお昼までにはほぼ帰ります。
消防士の一日の流れは以上のようになります。全体的に時間に余裕があります。
スケジュールを聞くだけで、「消防士、楽そう」と感じた方も多いと思います。
私も消防士のスケジュールを思い出して「辞めなきゃ良かった」と、たった今も感じています。
消防士の辛い所3つ
続いては消防士の辛い所です。これまで消防士の良い所ばかり解説しましたが、悪い所ももちろんあります。
①:体力が必要
24時間勤務ですので、やっぱり疲労は凄く溜まります。普段からトレーニングをしたり、栄養をしっかりとって体力をつけておかないと、とても辛いと思います。
②:凄惨な現場
言葉は悪いですが、首吊り自殺の現場や人身事故の現場などにも行きます。少しづつ慣れてくるとは思いますが、精神的に辛い時もあると思います。
③:休日や祝日が関係ない
カレンダー通りの休みではないので、GWやお正月休みなど関係ありません。なので家族などとの予定を合わせたりするのが少し難しいかもしれません。子供の運動会に行けなかった先輩もいました。
消防士の給料
まず消防士は初任給で手取り20万円はいきます。その後、年1回の昇給です。
私は5年目で多い月で手取り30万円の時もありました。
そして活動手当などもあるので、毎月の給料は結構違います。
その他、賞与は年2回、大体給料2ヶ月分です。
消防士になるのは難しい?
消防士といえば人気の職業ですが、ずばり消防士になるのは特別難しいわけではありません。しかし倍率自体は高いです。
私が受験したときで13倍とかでした。ただ、過去問や参考書などでいくらでも対策出来ますし、毎年似たような問題が出てます。
ですので学科試験自体はあまり難しくないと思います。後は、体力試験と面接。もうこれはやる気と気持ちで負けないことです。
職場の人間関係
私がいた職場は基本的にみんな仲が良かったです。個人的に消防士になる人に、そんなヤバイ人はいないと感じます。
休みの日も、サーフィンや釣り、キャンプなど趣味の合う仲間達と出かけたりしています。また、半年ごとに人事異動があるので、たくさんの人と関わることが出来ます。
筋トレって全員するの?
消防士はといえば「鍛えられた肉体集団」なんてイメージがあると思いますが、筋トレは全員はしてるわけではありません。
例えば訓練がメインで全体で筋トレをしない消防署もあったり、個人の自由時間に筋トレをしない人などもたくさんいます。
さらに消防士の中にも24時間勤務ではない人もいます。そういった方々は平日に事務処理などを行うので筋トレをしていない人もいると思います。
消防士になる方にアドバイス
最後に元消防士の私から、これから消防士になる方にアドバイスをしようと思います。
消防士はやりがいがほんとにある仕事だと思います。
働く上で、給料だったり環境だったり、色々と天秤にかけるとは思いますが、「消防士」という仕事は決して後悔しない仕事だと思います。
そして、本気で消防士になりたいという方!
もう気持ちです。消防の仕事と一緒です。諦めたら終わりです。
私は受験勉強中、テキストなどの問題を人の命だと思ってました。これから消防士を目指す方、応援してます!