蓼科山・霧ヶ峰(車山)
この時期の山歩きは、道に残雪があるのか? あるとしたらどの程度なのか?
そんな現地の情報収集が欠かせません。
この蓼科山も、陽が当たる南斜面の「蓼科山登山口コース」に限って、アイゼン不要とのことでした。北斜面の御泉水自然園コース、東斜面の大河原峠コースは残雪が多く、それなりの装備と経験が必要で、まだまだ時期尚早でした。
もちろん私たちは、アイゼンのいらないコースを選びました。
天気の方は…良くありません(苦笑)。
蓼科山(たてしなやま/2,530m)日本百名山 №63
■2009年5月16日(日)曇り
■日帰り/サスケ会(格さん、お銀さん、ちゃぱ)
■行程/蓼科山登山口⇔蓼科山頂ヒュッテ⇔頂上
■標高差/1,042m
■時間/06時00分~11時50分(5時間50分)
■参考/走行距離(537.2㎞)
天気が良ければ、それこそ360度の大パノラマを堪能できたはずです。残念ながらこの日は、決して遠くない北アルプスが、何とか確認できたほどの視界しかありませんでした。それでも、頂上には1時間くらい居ました。寒かったです。
急斜面を登る場合、一般的な登山道なら、勾配を出来るだけ緩やかにするために、つづら折りに登っていくものです。ところが蓼科山は、直登の道が多いようでした。そのために、登りは膝上げが辛く、息も上がります。下りは膝が笑います(ガクガク)。
…蓼科山は、歩行時間の割りにハードな山だと思いました。
霧ヶ峰(きりがみね/車山1,925m)日本百名山 №62
■2009年5月16日(日)雨・霧
■日帰り/サスケ会(助さん、お銀さん、ちゃぱ)
■行程/車山高原(リフト利用)頂上駅⇔頂上
■標高差/概ね20m
■時間/----------
当初の計画は、「①蓼科山 ②霧ヶ峰(車山) ③美ヶ原 の百名山三座を、一日でやっつけよう!」というものでした。生憎の天気で、車山頂上からの視界はゼロ。
「こりゃあ、ダメだ」と実感したので、三座目の美ヶ原は中止にしました。
■蛇足/車山高原スキー場は、私のホームゲレンデでした(笑)。
私が大学生の頃は、スキーブーム全盛期でした。当然、スキーが上手いことは「羨望の的」であり、ヒーロー的な存在でもありました。私もスキーが上手くなりたくて、スキーシーズンになると、車山高原スキー場のホテルで住み込みのアルバイトをしていました。低賃金でしたが、3食付で生活費は一切掛からず、休憩時間や休みの日には、たっぷりとスキーの練習をすることができました。しかもリフトは、職員利用ということでタダです(←これが一番のメリット)。平日でゲレンデが空いていれば、1日80本(←リフトに乗った回数)なんてことも可能でした。あの当時、仕事の合間にスキーを教えてくれたのが、「お食事処かわせみ」の御主人です。それこそ私の目には、かわせみの御主人がヒーローに見えました。本当にカッコ良かったです(笑)。
■「お食事処かわせみ」の御主人の記事は、↓こちらをご覧ください。
http://ameblo.jp/shigeru3648/entry-10633787811.html
不二家 レモンスカッシュ
サッポロ系の自動販売機で、懐かしい飲み物を目にしました。
不二家のレモンスカッシュです。
不二家のお店に行けば売っているのでしょうが、そこらの自販機に並んでいるのは珍しいです。財布の小銭と相談して、とりあえず4本購入しました(笑)。
ネットで検索した商品説明によると、
「1975年の発売以来、永年お客様に愛されてきたロングセラー商品です。選りすぐりのレモン果汁とレモン果肉に炭酸を加えた喫茶店で飲むような本格的なレモンスカッシュです。レモン本来の美味しさを追求し、2009年7月にリニューアル!」
と謳って(うたって)ありました。
■私の記憶とは、違う飲み物でした。
ロングセラーは素晴らしいことですが、久し振りに飲んでみたら、中身が変わっていました。私の記憶に残っているのは、商品説明にあるとおり、レモン果肉がたっぷり入っていて、本当に喫茶店のレスカのような飲み物でした。それが、どうしたことでしょう? 果肉が見つかりません(笑)。味も喫茶店のレスカには程遠いです。今の印象は、ただの「レモン味サイダー」でしかありません。
喜び勇んで買っただけに、その反動は大きかったです。…ガッカリ(苦笑)。
驚きと、情けなさと…。
2010年9月24日付記事より
海上保安庁の巡視船と中国漁船が尖閣諸島付近で衝突した事件で、那覇地方検察庁は24日午後、拘置していた漁船の船長を、処分保留のまま釈放することを明らかにした。
中国政府及び、外務省の姜瑜報道官は、船長の釈放について、「日本のいかなる司法手続きも違法かつ無効」と改めて強調し、日本に譲らない姿勢を鮮明にした。このように、船長解放の決定を受けながらも、中国政府は強気の姿勢を崩していない。
中国市民からは、「日本側が中国政府の圧力に屈した」という声が数多く聞かれた。
今回の解放決定は、日本国民への影響や日中関係の配慮が反映されたとされ、中国側の圧力によるものという印象を与えかねない。現に、河北省石家荘市で日本人4人が拘束されたり、レアアースの輸入停止が伝えられた直後の決定だった。
中国側にとっては、今回の強硬姿勢が功を奏したことになり、こうした中国の姿勢が日常化すれば、日中外交の根幹にもかかわる。今後の日中関係のあり方に大きな影響を残すとみられる。
…溜息しか出ません。
日本という国は、これでも国家の体を成しているのでしょうか?
本当に情けない話です。
これじゃぁ、北方四島も、竹島も、尖閣諸島も、まるで期待できませんね(苦笑)。
浅間山
9月21日(火)~23日(木)。白山へ登るつもりで取得した3連休です。
完全に雨男と化している私。白山の天気は全滅でした(泣)。白山はボツ。
奇跡的に甲斐駒の天気は良さそうです。ところが、調べてみると、平日なので(戸台からの)朝イチのバスがありません。そうなると、長衛荘に泊まることになります。甲斐駒一座のために一泊? う~ん? さんざん悩みましたが、結局、OKを出せませんでした。甲斐駒もボツ。
白山と甲斐駒。やっぱり、縁のない山ってあるんですね。この二つとも、この連休を逃したら、もう今年は無理です。早くも、来年の宿題になってしまいました(苦笑)。
そうだ!浅間山に行こう!!
浅間君は、今年の4月から機嫌が良くて、(現在も)警戒レベルが1に下がったままです。そう言えば、浅間山の計画は一度流れているし、丁度良いタイミングだったかも知れません。浅間山かぁ…いんじゃない!!!ウキウキして来ました(笑)。
浅間山(あさまやま/2,568m)日本百名山 №43
気象庁地震火山部発表の噴火警戒レベル1(前掛山2,524mまで入山可能)
■2010年9月22日(水)晴れ(森林限界上部は強風)
■日帰り/単独
■行程/天狗温泉⇔火山館⇔立禁告示板⇔前掛山頂上
■標高差/1,114m
■時間/05時30分~12時10分(6時間40分)
■参考/走行距離(437.1㎞)高速道路(練馬⇔佐久/\3,750)
天気予報は「晴れのち曇り」でした。
浅間山の行程は、午前中に決着するので、天気の心配はありません。
そのつもりで安心しきっていましたが、どうも様子がおかしい…。
足下の草が、夜露にしては濡れすぎています。あとで聞いた話では、未明まで雨が降っていたとか?
青空が時折しか見えません。どちらかと言えば「曇り」で、湿っぽく靄っています。
森林限界から出た途端、強風に晒されました。登れば登るほど突風が襲ってきます。風に飛ばされそうで、しゃがみこんだ時もありました。前掛山の尾根に入った頃には、高速で流れる「雲の中」に居ました(泣)。体温が奪われて寒いくらいでした。
「頂上で北アルプスを眺めながら弁当を食べる」、それは無理な相談というもの。
20分くらい様子を伺っていましたが、ついに諦めて下山しました。
私にとって、風は完全に伏兵でした。まぁ、雨じゃないだけ「良し」としましょうかね?
■浅間山は素晴らしい山です!
山歩きの原点を見た気がしました。
①登山口から頂上まで、難しい場所(危ない場所)、厳しい場所(心臓破りの坂など)は皆無です。大きな段差も急登もありません。
②景色の変化が楽しくて、歩いていて飽きがきません。
③樹林帯を抜けると、砂礫歩きに一変します。同時にパノラマが開けます。開放感満点です。
④下山したら、天狗温泉に直行できます。←こういう環境って、意外と珍しいです。
浅間山は、往復7時間程度を歩ける人ならば、苦しい思いをすることなく、山の楽しさだけを存分に味わえる山だと思いました。子供からお年寄りまで、安心して登頂できる山です。但し、噴火のリスクは避けられません。
※浅間山の噴火警戒レベルと入山可能エリアは、↓こちらをご覧ください。
http://www.kanko.komoro.org/taiken/asamamap.html
■追記①/「早立ち」しない人たち。
いつも思うことがあります。「こんな時間から登って平気なのだろうか?」
貼付写真にあるように、11時11分、これから登る人と擦れ違いました。計算すると、登頂時間は13時30分~14時。下山時間は17時頃になると思われます。私としては「ちょっと?」なのですが…。
■追記②/山の花(苦笑)。
私の現状では、高山植物なのか、普通の植物なのかさえも鑑定不能です。
貼付した花は、浅間山の植物ですが、高山植物図鑑を調べても(私には)分かりませんでした(泣)。
高山植物の世界。どうやら独学では無理な気がしてきました。困ったものです。
天狗温泉。
2010年9月22日(水)仏滅/晴れ
せっかくの休みを、無駄にしたくなかったので、天狗温泉に行って来ました。
真の目的は、此処が登山口の百名山に登るためです。
天狗温泉は、「有馬の金泉」に負けてないと思います。
見た瞬間、驚きました(笑)。
今度は、泊まりで、ゆっくり浸かりたいなぁ…。
■天狗温泉の詳細は↓こちらをご覧ください。
お彼岸です。
2010年9月21日(火)先負/晴れ
昨日(20日)は「彼岸入り」でした。
たまたま、世間様の連休中は仕事だったので、本日、お墓参りに行って来ました。
私の先祖は、「桜坂」の坂下に在る「東光院」に眠っています。
桜坂。福山雅治さんが2000年に大ヒットさせた、あの「桜坂」です。
■東光院/http://www.portaltokyo.com/guide_23/contents/c11051tokoin.htm
私が小さかった頃。小高い丘にある墓地から、多摩川に架かっている新幹線の鉄橋を眺めるのが好きでした。新幹線が通過するのを、飽きずに見ていたものです。建物が増えてしまった今では、あの当時の眺めは叶いません。ちょっと寂しいですね。
いつになくメルヘンチックなブログ導入でしたが、ここから一転、現実に戻ります。
墓地をぶらぶらしていて、ふと、目に留まった光景がありました。○○家の墓に植えてある植物が、お隣の墓に完全に覆い被さっていたのです。
「あぁ、こういう人たちは、お墓に入ってまでも他人に迷惑をかけるんだな?」
そう思ったら、溜息が出そうになりました。
巷で見かける自己中行動の一例。
①庭の樹木が、隣の敷地にはみ出していても平気な人。
↑(隣人の気持ち)我が家に枯葉が落ちてきて迷惑なんですけど。
②道に花の植木鉢をたくさん並べて、「綺麗でしょ?」って満足している人。
↑(通行人の気持ち)通行の邪魔なんですけど。
③バイクや自転車を道に放置するのが日課な人。
↑(通行人の気持ち)置き場がないなら乗るんじゃねぇ!これくらいの距離、歩けよ!
④自宅を禁煙にして、外でタバコを吸っている人。
↑(隣近所の気持ち)お願いだから、自分の家の中で吸ってください。
例をあげたら、きりがありません。
他人は、ひたすら我慢しているのです。我慢を強いられているのです。せめて、お墓くらいはわきまえてくださいね(苦笑)。
相変わらずの外交下手。
2010年9月21日付記事より
中国漁船衝突事件。
中国側が一層反発を強めたのは、漁船船長の拘留(公務執行妨害容疑)が10日間延長されたからだ。この事件は、日中友好の楔(くさび)になりかねない。それでも検察当局は、「法と証拠に基づいて厳正に処分する」として、船長を起訴する方向で検討しているとのこと。
海保関係者によると、日本の領海内で起きた外国漁船の違法操業で乗組員らの身柄が勾留されるケースは極めて異例だ。しかも、10日間の勾留延長となった。
7日、海保の巡視船「よなくに」は、領海侵犯の中国漁船に対し、領海から退去するよう警告したが、漁船はよなくにに接触して逃走。海保は漁業法に基づく立ち入り検査を行うため、無線などで再三停船を呼びかけたが、漁船は逃走を続け、別の巡視船「みずき」にも(意図的に)船体を衝突させた。そのため、海上保安官の立ち入り検査妨害として、公務執行妨害容疑で漁船船長は逮捕された。
証拠となったのは接触の様子を撮影した映像。左前方を走るみずきに対し、漁船が徐々に左へ寄せていき、衝突する様子が映っているという。海保関係者は「避けようとした様子はない」と説明し、漁船の行為が悪質だったことを強調している。
…何やら、泥沼にはまりそうな気配ですね。証拠映像があるなら、その映像を全世界に配信し続ける必要があるのではないか?
あちらの方たちは、事件の経緯には無頓着で、「船長を返せ!」という奪還要求だけが、異常に盛り上がっている。もともと、内在的な反日感情が強い国民性なので、きっかけさえあれば、反日行動のエスカレートは避けられない。
事の善悪を客観的に捉えられない人々が、地球人類の大半を占めているという現実。恐ろしいですね。
あまり期待はできませんが、日本の外交手腕が注目されています。
北穂高岳
大キレットから北穂小屋のテラスに上がった瞬間、気持ちは開放されていました。
槍ヶ岳から北穂高岳への縦走が叶ったからです(実際には北穂はまだですが)。
「槍の穂先」に立つことは、山を歩く者にとって絶対の憧れであることが、改めて分かりました。あの360度の大パノラマは、何度でも体感したいものです。
「槍~大喰~中~南」の縦走路は、素晴らしいコースです。ついつい余所見をしてしまいます。突然振り返ってみたりして…(笑)。自分の後ろ姿を、ずっと槍が見ているんですよね。その表情は刻々と変化しています。
「大キレット」の長谷川ピークは、記憶に刻み込まれました。もともと私は、高所が苦手ではないので、恐怖感はありませんでした。ただ、「恐かったから記憶に残る」、「そうでなければ忘却する」ということではないと思います。一言で言えば、あの時、私は「真剣」でした。
北穂小屋のテラスで、ゆっくりと御褒美休憩をとりました。南岳小屋で頂いた「シャケ弁当」を食べました。美味しかったなぁ。
「そろそろ行かなくちゃ」、そんな頃合になった時、槍の景色をもう一度見ておきたくなりました。小屋の隅まで戻って槍を遠望し、直下の大キレットを覗き込みました(笑)。
北穂高岳の頂上は、小屋の屋根の上にあります。歩いて何歩の距離しかありません。数えてみれば良かったかな?
槍ヶ岳~大キレット~北穂高岳/詳細⑤(最終章)
北穂高岳(きたほたかだけ/3,106m)
■2010年9月11日(土)晴れ
■行程/(北穂高小屋)→北穂高岳→(涸沢小屋)→(横尾山荘)→上高地
■標高差/6m(北穂高小屋→頂上)/-1,601m(北穂高岳→上高地)
■時間/10時10分~17時10分(7時間00分)
去年登った北穂南陵を、今回は慎重に下りました。この下りに限っては、思った以上に時間を要しました。途中、去年とはコースが変わっていた場所がありました。今年起こった死亡事故と関係があるのかも知れませんね(合掌)。
南陵から見た前穂高岳。カッコイイですねぇ。迫力があります。また登りたくなりました。もっとも、穂高は、一度や二度で満足できるほど、ちゃっちい山じゃないですよね。本当の良さは、何度もリピートしてこそ分かるものだと思いました。
槍も穂高も「大きい」です。「深い」です。
■追記①/山と高原地図。昭文社/http://www.mapple.co.jp/publ/yama.html
山歩きをする普通の人なら御用達の地図です。何故、「普通の人」かと言うと、専門的な人は、1/50,000或いは1/25,000の地形図を持っていたりするからです。私も、岩魚釣りでは、地形図を持っていましたけどね。
話を戻して、山と高原地図。これに記載されている「参考コースタイム」が問題なのです。実感として、「登りは弱いのに、下りだけならバカ強い人」が実調しているのだと思われます(笑)。例外はありますが、本当に下りタイムが厳しいのです。この下りタイムに負けたくなくて(←バカですねぇ)、2年前は、槍沢ロッヂから河童橋までを、競歩の如く歩きました。そして、今回は、横尾から河童橋までを、かなり頑張っちゃいました(笑)。…結果は? もちろん、サスケ会の勝ちです(←呆れたバカですね)。
■追記②/仲間のお陰です。
私は、山の経験(座数)だけなら、ある程度の習熟度に達していると思われます。
ところが、私自身の気持ちとして、自信めいたものが一向に芽生えてきません。いつまでたっても、山に対しては不安ばかりなのです。どこかに怖さがあるのです。そんな心細さを補ってくれるのが仲間です。
念願の大キレットが無事に叶ったのは、助さん、格さんのお陰だと思っています。
本当に、ありがとう!
大キレット
霧が晴れて視界は良好ですが、強い風です。
「太陽が昇ってから出かけよう!」
既に出かけた人もいますが、私たちは、敢えて出発を遅らせることにしました。
一般的に「危険な場所」と言われている大キレットです。そんな場所を無事に通過するには、決して気持ちが逸ってはいけません。時間は十分にあるのですから…。
南岳小屋の夜明け。南岳の陰になるので、日の出の瞬間は拝めません。それでも、富士山や南アルプスのシルエットが、微妙に変化していく様が綺麗でした。
それでは、出発しましょうかね。風は大丈夫みたいです。
槍ヶ岳~大キレット~北穂高岳/詳細④
大キレット(だいきれっと/最低コル2,748m)
■2010年9月11日(土)晴れ
■行程/(南岳小屋)→最低コル→長谷川ピーク→飛騨泣き→(北穂高小屋)
■標高差/-232m(下降地点→最低コル)/352m(最低コル→北穂高小屋)
■時間/05時30分~09時20分(3時間50分)
南岳の南壁を下り終わって、その壁を見上げたとき、思わず笑ってしまいました。
「こんなところを降りて来たの?」
「こりゃ、ヤバイよ!」
武者震いでなく、武者笑いでしょうか?
さあ、ここから先は、僅かな気の緩みも、小さなミスも許されません。何かあった時は、一大事に直結するのです。靴紐を締め直し、衣類を整え、ザックの締め付けを点検し、カロリー補給もしました。そして、ポジションと間合いの再確認をしました。先頭は格さん、真ん中が助さん、そして、殿(しんがり)が私です。
■大キレットを無事に通過することができました。
私の印象では、「ここはヤバイぞっ!」と、緊張した場面が2ヶ所ありました。
ひとつは、長谷川ピークの(有名な)乗越し場所です。ナイフエッジを信州側から飛騨側に跨ぐ場面。思うように足が上がらず、自分の膝を手で持ち上げました(笑)。年ですね(苦笑)。
もうひとつも、長谷川ピークの絡みかなぁ?(具体的に思い出せない) もしも、1本の鉄杭がなければ、かなり手間取ったであろう場所です。その鉄杭は完全な死角に打ってあって、斬り込み隊長の格さんは相当焦ったに違いありません。私は、先行の助さんの指示に従って、楽して探し当てることができました。
北穂高小屋のテラスに辿り着いて、初めて気を緩めました(通過中は意識的に緊張させていた)。北穂小屋からは、実際に歩いてきた「槍ヶ岳~大キレット」の縦走路を、正確にトレースすることができます。感無量です。
…去年、ココに泊まった時は、360度、霧・霧・霧(苦笑)。今回は、言うことありません。素晴らしい!最高!!
■大キレットは愛しい場所でした。
岩稜と青空、岩稜と緑の対比。その場その場で、岩の表情も質感も異なります。
私は神経質なので、可能な限りグローブを付けません。布一枚(皮一枚?)の違和感が嫌いなのです。そんなわけで、大キレットの岩のすべてを、私の指先、手のひらで、直接触れてきました。すべすべの岩、ザラザラな岩。指先の力だけで辛うじてホールドした岩の襞(ひだ)。日陰の岩は冷たくて、日向の岩はほんのり温かい。皮膚で感じとった岩のひとつひとつが、妙に愛しいのです。少し、へんですかね?(笑)
■追記/マナー以前の問題でしょ?/その1
三点支持を要する岩場の下降中に、後続者が追いついてきました。見る見る間隔が狭まってきます。こんな場所では、「お先にどうぞ」と道を譲るわけにもいきません。初めのうちは「石を落とさないでくださいよ!」と、内心ハラハラしていたものの、仕方ないので我慢していました。ところが、ついに、その人の靴底が、私の頭の間近まで迫ってきたのです。「この野郎!いい加減にしろよ!!」と思いながらも、まだまだ我慢の子。そして、いよいよ、そいつの足が、私のヘルメットに触れるかと思うくらいの超至近距離に…。もう限界です。
「ここを降りたら抜いて結構ですから、今は接近しないでください!」
「いや、抜く気はないですよ」
「だったら尚更、離れてくださいよ!!」
「大丈夫、石は落とさないから」
抜く気がないのに押してくる行為。「石は落とさない」という過信。こんな人が近くにいたらロクな事はありません。安全な場所で、丁重に先行して頂きました(苦笑)。
■追記/マナー以前の問題でしょ?/その2
飛騨泣きのあと、北穂に登る鎖場で、信じられない事態に遭遇しました。
鎖場の中間点よりも上に登って来たとき、上の方で人の気配を感じました。
「助さんが待ってくれているのだろう?」
そんなふうに思っていたら、突然、ザッ!ザッ!ザッ!
えっ!? そんなバカな!?!?
助さんではなかったその人が、今まさに私の方に下降し始めたのでした。
そのバカ(敢えてこう呼ばせてください)、唖然としていた私のところまで来て、(良いホールドが見つからず)勝手に苦労していました。身体が安定しないので小石もザラザラ落としています。
一本の鎖に、登る人と降りる人。紛れもない鎖場の擦れ違い。こんな恐ろしい体験は初めてです(汗)。怒りが込み上げてきました。